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平成13年3月号
・図書館にも春風が…
・3月27日(火)~3月31日(土)まで臨時休館致します
・300万冊おめでとう
・【黒澤学 vol.9 黒澤明と山本嘉次郎】
・読む人も読まれる本もうれしいね
  ~伊万里子ども読書推進ネットワーク開発事業~

・図書館視察日誌
  2000年11/2~2001年2/2

・寄贈 ありがとうございました
・ボランティア活動と著作権

★1面(1)

 梅花女子大学教授・三宅興子さんは、イギリス児童文学研究家として著名な方である。 図書館では、去る2月25、26日、三宅さんを囲んで学習会を開いた。 内容はもちろんイギリス児童文学である。
 「クマのプーさん」(A・A・ミルン/著)「不思議の国のアリス」(ルイス・キャロル/著) 「ガリバー旅行記」(ジョナサン・スウィフト/著)等それぞれの作品の時代背景と作者の人となりにふれ、 至福の時を過ごした。
 大学のゼミのような雰囲気の中、イギリス児童文学を原書で読んでみようという動きが参加者の中からおこった。 家事と子育てで眠っていた知的エネルギーが胎動をはじめたのである。
 学生時代は読まされたけど、今度は楽しみながら読んでみたい!まさに美しい生活者のはじまりである。
 4月からは新たに短歌と俳句の教室も始まる。講師は共にボランティアで指導をしてくださる。 読書会「島の会」と共に、図書館を支え、育てていく人達の輪がさらに広がっていく気配を感じる 21世紀の春である。

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★1面(2)
3月27日(火)~3月31日(土)まで臨時休館致します

 休館中はコンピュータ機器の入れ替え作業や資料の整理を行います。
 機器の入れ替えはインターネットでの検索を行うシステムの導入や業務の高速化など、 サービスの向上を図るものです。
 市民のみなさんには大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解いただきますよう、 よろしくお願い致します。
 休館中に資料を返却される場合はブックポストをご利用下さい。
 なお、4月1日(日)からは通常通り開館致しますので、どうぞご利用下さい。

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★2面(1)
300万冊おめでとう

 さる2月25日(日)、貸出し記録300万冊を達成しました。 市民図書館が開館してから、5年7ヶ月での記録達成です。
 記念すべき300万冊目の本を借りられた方は、武雄市にお住まいの川村正さん。 仕事先が伊万里にある関係で、日頃から伊万里市民図書館をよく利用されています。 当日もご家族と一緒に来館、園芸の本を借りて幸運を射止められました。
 前田和茂教育長から、記念の証と記念品が、そして、《図書館フレンズいまり》の井手淑子代表より 図書館バッグが贈られました。
 また、惜しくも300万冊目を逃した利用者の方にも、前後賞として記念品がプレゼントされました。 脇田町の古川明美さんと二里町の力武真紀ちゃんがそれぞれ受け取られました。
 この日は、図書館めばえの日。図書館フレンズいまりの方々の手によって来館者にぜんざいが振る舞われ、 にぎやかな中での300万冊達成となりました。

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★3面
【黒澤学 vol.9 黒澤明と山本嘉次郎】

 黒澤は山本嘉次郎監督を最良の師と呼んではばからない。
 それは、山本嘉次郎が映画監督として一流であるばかりでなく、指導者としても 格別に優れていたともいえる。では、彼のどこが素晴らしいのか?
 山本嘉次郎の監督としての業績は、エノケン主演の多くの喜劇の他、「綴方教室」「馬」 「ハワイ・マレー沖海戦」などがあり、これも邦画史に燦然と輝く作品となっている。
 特に、黒澤がチーフの助監督を務めた「馬」は、疾走する馬の躍動感など、 後年の黒澤の映像を予感させるのだが、「馬」の撮影時、2本の掛け持ちで忙しかった山本監督は、 有能な部下であった黒澤の能力を信頼し、その撮影を任せている。
 また、東宝が公募した第1期ニューフェイスの審査の折り、あまりの柄の悪さに審査員のほとんどが 二の足を踏んだ三船敏郎を、「こいつは見どころがある」と強力に推した。名優三船の合格逸話である。
 このように人の素質を見抜き、部下を信頼した仕事ぶりは、群を抜いたものだったといえる。
 山本嘉次郎門下の三羽鳥と謳われたのは、黒澤明を筆頭に、「銀嶺の果て」「暁の脱走」の谷口千吉、 後年「ゴジラ」で名を挙げる本多猪四郎がいるが、いずれの作風も師山本嘉次郎に似ることなく、 自分のカラーを大切にして大成している。
 山本監督は、その下についた助監督の個性を、決して矯めるようなことはせず、それを伸ばす事に もっぱら意を用いたのである。そして、師という堅苦しい気持ちを少しも懐かせず、伸び伸びと育てている。 これを名伯楽といわず、誰を名伯楽というのだろう。

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★3面
読む人も読まれる本もうれしいね
~伊万里子ども読書推進ネットワーク開発事業~


 2000年は「子ども読書年」ということで、各地でいろいろな催しが行われました。
 5月には、東京上野に「国際子ども図書館」が誕生し、その折に「読む人も、読まれる本もうれしいね」 という小学生の作られた標語が披露されました。秋には同館で「アメリカ児童図書週間ポスター展」が 開かれました。アメリカでは、1919(大正8)年に、チルドレンズ・ブック・カウンシル (児童書の出版業者による非営利団体)によって児童図書週間が始められました。最初のポスターの標語は 「家庭にもっと本を!」というものですが、やはり子どもによい本を広めようとする前に、父母へのアピールが 欠かせなかったのでしょう。その後、「本は架け橋」「明日の世界は本が開く」「本と友だちになろう」など。 1999年は、おなじみエリック・カールによる「種を植えて読んでごらん」、2000年はシャノンによる 「本はごちそう」というもので、80年にわたり、アメリカでも子どもによい本をという活動が続けられて います。

 当伊万里市民図書館では、文部省委嘱事業として「伊万里子ども読書推進ネットワーク開発事業」が 発足しました。読書にかかわりを持つ「おはなしキャラバン」「母と子の読書会」「草ひばり」 「てんとうむしの家」「島の会」のメンバーの代表が集まり、話し合いを持ったのが7月でした。
 8月には村上淳子さんに「感動がこころを育てる~本で育てる子供の心」という演題でご講演いただき、 10月には千竃八重子さんに、70年ほど前、日本で生まれた紙芝居を、今ベトナムで普及・支援されて いること、最近ではヨーロッパで注目されていることなど、実演指導と併せて「紙芝居の世界」について 拝聴しました。11月には渡辺順子さんに「子どもの読書・親たちの役割」という内容で特に保健所文庫、 障害児文庫などの活動から、布絵本の製作啓発、育児支援のことなど、いわゆる「ブックスタート」とい われる分野のお話を戴きました。1月には「トラや帽子店」の体操やあそびのお兄さん、ミツルくんに来 てもらい、AVホールいっぱいの親子で楽しく汗をかいてもらい大好評でした。2月には、イギリス児童 文学の研究家である三宅興子さんに2日間にわたり深みのあるお話を戴きました。皆さんよくご存じの 「シンデレラ」の事について、チャップブックといわれる、17世紀から20世紀の始めにかけて読まれ ていた古い小さな本や、パロディー化された現代の本まで、実物を呈示してのお話でしたが、ご専門のイ ギリス児童文学についてはご研究の様子を分かり易くご説明になり実のある講座でした。

 講座はこれで一応終了しましたが、いずれも貴重なご経験、ご活動、ご研究の結果のお話であり、子ど も達の読書に関わる者として、内容の濃い講座であったと思っています。
 今回の事業については、機関誌「みらいわあく」でその都度お知らせしてまいりました。
 私共の今回の事業の取り組みは、まだ緒についたばかりです。これから本腰を入れて各グループの方々 や子どもの心を育てるために関わっておられる地域の方々とも連携しあって、21世紀を担う子ども達の ために力を尽くしていきたいものです。何事も一歩からはじまります。
 これまでのご協力、ご指導に感謝申し上げます。
前山ノブ
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★4面(1)
図書館視察日誌 2000年11/2~2001年2/2

  (敬称略)
11/2  諫早市図書館   2名
   7  鶴ヶ島・本の森を育てよう会   12名
   8  君津市議会   7名
   16 大牟田市社会教育委員会   6名
12/6  高砂市図書館   2名
   7  諫早中学校PTA   26名
   7  黒木町教育委員会   19名
 1/10 池田龍雄   1名
   24 長崎市議会   12名
   26 築紫野市図書館を考える会   28名
   31 多良見町議会   12名
 2/1  図書館情報大学   3名
   1  築紫野市図書館   2名
   2  君津市図書館建設関係者   6名

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★4面(2)
寄贈 ありがとうございました

(敬称略)
岡田和恵
藤井文子
サイクルやまぐち
井手信夫
深川法為
古賀千代二
野見山多恵子
虎仙窯
小野龍太
水田桂子
田村英一

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★4面(3)
ボランティア活動と著作権

 3月5日、図書館で佐賀市立図書館の千葉治館長から「ボランティア活動と著作権」について 講義をしていただきました。
 布の絵本を作る「てんとうむしの家」、パネルシアターを演じる「おはなしキャラバン」、 朗読テープを作製している「草ひばり」、点訳の「きつつきの会」等各グループから、日頃の活動 に関わるテーマとあって多数の参加がありました。
 例えば1冊の本を模して布の絵本を作る時、事前に「作製してよいか?それを実演してよいか? 貸出してよいか?」など、著者の許諾が必要なのです。それはまた、著者に対する仁義でもあると、 千葉館長は言われました。
 ボランティアの方が安心し活動できるように、職員もしっかり勉強していかなくてはと痛感しま した。

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