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平成13年7月号
・「季節と日本文学」
・「ぶっくん」10歳おめでとう
・いまりのカブトガニ
・松山幸雄講演会
・夏休み特別おはなし会
・夏休み工作会参加者募集

★1面

 「春は曙。夏はよる。秋は夕暮。冬はつとめて。」(枕草子)

 日本文学は古(いにしえ)より、春夏秋冬の季節の移ろいに合わせて、文学に己を投影させてきた。
 短歌、俳句には季語というものがあり、季節が大切な条件となっている。
 この自然と作者との相互関係がいったいいつごろから崩れるのかといえば、 特定することは甚だ難しいが、明治以降であることはまず間違いないだろう。
 というのも、黒船の来航以来、ひたすら富国強兵に邁進し、 一応近代国家と産業社会の形成をみた当時の日本人にとって、花鳥風月に託し、 その心情を吐露することは、いかにも古風に思えたに違いない。
 こうした時代に呼応するかのように、正岡子規は明治の早い時期から日本の詩歌の革新を企て、 伝統の短歌や俳句の蘇生を図るのだが、啄木にいたり、近代を通り越して現代に届く表現を獲得する。

 「何がなしに/頭のなかに崖ありて/日毎に土のくづるるがことし」

 この歌などは、日本の伝統的な余情や優雅な言葉とは無縁で、現代人の不安を予見しているかのようだ。
 社会が発展すればするだけ、そこで使われる言葉も、機能的で非文学的になることから、当然、 言葉の集合体である文学もその影響を受けざる得なくなるは道理で、文学から季節感や風情、優雅さや余情が なくなって来るのである。
 即物的で、情緒感情を排除した、ドライな表現こそが現代的だといえばそれまでだが、最近の文学作品を 読み返すにつけ、文学はなにか大切なものを失ってしまったような気がしてならない。それは現代社会が 失ったものと言い換えてもいいのかもしれないが、一抹の寂しさを感じるのである。

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★2・3面(1)
ぶっくん10歳おめでとう

 自動車図書館「ぶっくん1号」が巡回を始めたのは平成3年6月15日、今年で10年目を迎えました。
 市役所玄関前での出発式には、小学生、中学生、市民のそれぞれの代表の人が集まり、 みんなの夢と希望を乗せて走り始めたのです。
 愛称「ぶっくん」は市広報で公募され、南波多町の前田孝子さんがつけてくれました。 初年度の図書費は435万円、図書冊数3849冊、市内39か所を巡回し、 新図書館がまだできていなかった時代に、図書館サービスのパイオニア的役割を果たしてきました。
 10年の歳月を経てピカピカだった「ぶっくん」も少し歳をとりました。山道を登るのもきつそうです。 でも、待ってくれているみんなの顔が浮かぶと、元気を奮い起こして今日も走って行くのです。
 緑と黄色の「ぶっくん1号」をあなたの町で見かけたら「10歳おめでとう」と声を掛けてください。


 子どもたちのぶっくんの利用について、久原保育園の先生に聞いてみました。

Q:子どもたちはどのようにして本を選んでいますか?
「表紙の絵を見て選んでしまう子が多いのですが、中を開いてみて自分で読めるかどうかや、 おうちの人に読んでもらいたいかを考えて選ぶように言っています。私たちも手助けしたりもしています。」

Q:子どもたちが借りられる冊数は決めているのですか?
「自由にさせていたのですが、持ち帰ることができないほど借りる子がいるので、5冊ぐらいにしようねと 約束しています。」

Q:1冊の絵本を取り合っている時がありますが?
「私が以前に、子どもたちに部屋で読んであげた本を書架で見つけると、喜んで借りたがります。 同じ絵本を何度でも読みたがりますね。」

Q:子どもたちが、とてもお行儀よく借りてくれますが?
「『おねがいします』や『ありがとうございます』を言うこと、そしてバーコードを向けて本を出すように 指導しています。今のうちにマナーを身につけさせることが、子どもたちのためだと思います。」


《小学校の利用について》
〈こども読書年〉ということで、昨年度から各学校でも読書推進の活動が行われ、ぶっくんの利用も増加しています。 学級カードを利用して、子どもたちと担任の先生が一緒になって学級の本を選んでいく様子が、 どこの学校でも見られるようになりました。
 二里小学校などでは、各学級にプラスチックの箱が用意され、それぞれのクラスに合った本を借りて 教室に置いています。
 今年4月からの小学校の利用の様子を、グラフで表してみます。


《利用者の声》
 何かにつけ利用させていただいている私にとって、伊万里市民図書館は、なくてはならぬ存在になっています。 ただ本館に出向く時間が、今の私には、とれないのが残念で、少しでも時間をみつけたいところです。
 でもありがたいことに、伊万里市民図書館には、つよい味方があるので、わたしのようなものには、 とてもうれしいのです。そう、『ぶっくん』の存在です。住んでいる地区や仕事場の近くへ、図書館から 来てくれるのです。こんなにうれしいことはありません。
 確かに、『ぶっくん』に載っている本の種類や冊数には、限度があり、本館のようにその場で、 ほしい本を手にする事ができない場合がありますが、「予約」という形で、そのほとんどが満たされ、 自分の希望するものを手にする事ができます。
 現在、学校図書館事務という立場で、新たにかかわりをもち、団体貸出しなどの利用をさせていただいています。 今、学校図書館の状況は厳しく、子どもの希望通りに本をそろえてやれるものでもなく、それを補う意味でも、 市民図書館の本を、大いに利用させていただいています。
 『ぶっくん』の来校は、子ども達も楽しみにしているもので、日頃、仕事等で忙しい家庭の子ども等、 本館へ行けない者には、とても助かっているのです。
 これからも、『ぶっくん』を通して、更に多くの本を貸していただき、大いに利用させていただくつもりです。
 そして、うれしいことに、小学校への『ぶっくん』の来校に加え、一校、又一校と、中学校へも 出向いていただけるようになり、親としても、うれしい限りです。(波多津町 古河恵子)


《夏休みの巡回について》
 夏休みの期間中、次の小学校や中学校、保育園などへの巡回が中止になります。 お近くにある他のステーションや本館をご利用ください。
(大川小学校・東山代小学校・山代東小学校・黒川小学校・山代西小学校・滝野小中学校・牧島小学校・ 波多津東小学校・南波多小学校・青嶺中学校・東陵中学校・久原保育園・里保育園・ 黒川幼稚園・波多津東幼稚園)

 図書館カードをお持ちでない方も、ぶっくんですぐに作ることができます。 (免許証や保険証などの身分証明書が必要です)どうぞご利用ください。
 これらのステーションの他にも、お盆期間だけ中止になる保育園などもあります。 詳しい巡回予定につきましては図書館へお尋ねください。


 多くの市民のみなさまに支えられて、「ぶっくん」は10周年を迎えることができました。 今後もさらにみなさんに喜んでいただけるよう、サービスの充実に努めていきたいと思います。
 これからも「ぶっくん」をよろしくお願いいたします。

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★3面(2)
いまりのカブトガニ

 「生きた化石」と言われるカブトガニ。伊万里湾はこのカブトガニの繁殖地としても全国での有名です。
 市民図書館では今年も「いまりのカブトガニ」と題して、カブトガニの生活についてのお話を聞いたり、 折り紙作りを行います。講師は、伊万里高校生物部顧問の若芝亮先生です。当日はカブトガニを会場に運び、 実際に近くで観察することもできます。また今年は、アリも特別参加。 滅多に見ることのできないアリの観察もできます。
 地元伊万里に縁のある生物に触れるチャンスです。
 ぜひ、夏休みの思い出に。親子でのご参加をお待ちしております。

  日時 8月11日(土曜日)
       午前10時~11時30分
  場所 市民図書館ホール

  申し込みは 市民図書館 TEL23-4646

当日参加も可能ですが、できるだけ事前にお申し込みください。

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★4面(1)
松山幸雄講演会

 「国際社会にどう生きるか」「グローバルな生き方を」といわれて久しい。
 講師の松山幸雄氏は、朝日新聞論説主幹を務めていた国際ジャーナリスト。 昨今では7月4日に開かれたシンポジューム「21世紀の日本の進路-講和・安保条約調印から50年」の コーディネーターをつとめるなど日本のそして日本人の進むべき道を直言する希有な人である。
 1976年度ボーン国際記者賞、第12回吉野作造賞。1978年度日本記者クラブ賞、1986年度石橋湛山賞受賞。 著書に「日本診断」 「ビフテキと茶碗蒸し」など多数。
 今回は伊万里学ゼミナールの公開講座でどなたでも参加でき無料です。
日時  8月19日(日)
     14時~15時30分
 場所  図書館ホール
 テーマ 「国際化時代と日本人」

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★4面(2)
夏休み特別おはなし会

 図書館では毎週土曜日の午後2時30分からおはなし会を行っています。 夏休みのおはなし会は特別にゲストを迎え、中国語と英語のおはなし会をします。

 ~中国語のおはなし会~
   8月4日(土)午後2時30分~
  おはなしをしてくださるのは
   伊万里市男女協働・国際交流課
       陳 延明 さん

 ~英語のおはなし会~
   8月11日(土)午後2時30分~
  おはなしをしてくださるのは
   伊万里市ALT
       CLEAR LEE さん

場所は、図書館登り窯のお部屋です。
楽しいおはなしを準備してみんなが来てくれるのを待っています。

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★4面(3)
夏休み工作会参加者募集

 小学校高学年・中学年のみなさん、壁づたいに回転しながら移動するシンプルなロボットを製作してみませんか。

  日時  8月19日(日)
       午後1時~4時
  場所  図書館洋会議室
  参加費 500円
  問い合わせ先
     川良 博 さん
  主催  伊万里アマチュア無線クラブ

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