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平成13年9月号

・生きがいはパステル画
・国際化時代の日本人 ―松山幸雄さん講演会―
・伊万里人の本棚
・としょかん体験記
・9月17日(月)~9月28日(金)まで蔵書点検のため休館します。
・伊万里の文学展
・伊万里のカブトガニ

★1面
生きがいはパステル画

 伊万里から車で約1時間、田平の町は、夏の日差しの中で静かなたたずまいを見せていた。 目指すは小崎免にあるサウンドギャラリー。そこでは「津田喜康パステル画展」が開かれていた。
 版画家として有名な津田さんが難病のパーキンソン病を患ったのは数年前のこと。 手が震え、細かい作業である版画が彫れなくなり、失意のどん底にあったという。
 そんな中、不自由な身体で何ができるかを模索して、生きがいをパステル画に見出した。 伊万里市民図書館から借りた「パステル画の描き方」も参考にした。 外に出かけるのが困難であるため、画材は、近くの漁師さんが持ってきてくれる海の幸、 そして、図書館から借りる「写真集」などであった。
 今回の画展の題名は、「海の生きものたち」。画材もサウンドペーパーやコルク、 水彩とソフトパステルとの併用など、発想も豊かで感動的だった。
 それと共にすばらしかったのは、「これも図書館から借りた資料を参考にしたのですよ」と、 作品を指さしながら語られる津田さんと奥様の笑顔であった。
 不自由な手で1点1点心を込めて描かれたであろう作品を拝見しながら、 1人の版画家が生きる力を見出す一助として図書館の存在があったということに対し、 筆者はうれしい気持ちで胸が一杯になった。
 帰りの車窓から見る伊万里の海はキラキラ輝いていて、まるで明るい未来が約束されているかのようだった。

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★2面
国際化時代の日本人 ―松山幸雄さん講演会―

 去る8月19日(日)、 国際ジャーナリストの松山幸雄さんの文化講演会が図書館ホールでありました。
 小泉総理の靖国神社参拝や教科書問題など、 何かと日本人や国家としてのこの国のあり方が論じられている昨今、 そうした時代の指針になるのではないかと考えて、 「国際化時代の日本人」という演題でお話しをしてもらいました。
 会場は客席が足らず、椅子を出しての盛況ぶりで、 お話の内容もアンケートにみるように、とても好評でした。 話術も素晴らしく、あっという間の2時間でしたが、 当日の模様はCATVでも放映されますから、是非ご覧いただきたいと思います。
 そんな訳で、講演会の報告と放映の宣伝を兼ねて、こんな話を取り上げてみました。

「松山さんがアメリカに単身 赴任された折りのこと。
半年ぶりに再会した奥さんと、ごく普通に再会を喜んだらしいのですが、 これを傍らから見ていたアメリカの友人が怪訝そうに言うには、
 『ミスター・マツヤマ、そんな風で君達、本当に大丈夫なのか?半年ぶりに再会したんだろう。 激しく抱き合うとか、愛の言葉を交わすとか、再会の喜びを表現しなくて、大丈夫なの?』と、 とても心配してくれたそうです。
 アメリカの友人にしてみれば、日本人の夫婦の愛情表現はとても淡泊で、心もとなく見えたそうです。
 ところが、そうして心配してくれたアメリカの友人はすでに数回離婚して、私達夫婦は円満で、 今日まで続いています。
 何事も大げさに身振り、手振りで表現し、言葉で確認しあわないと安心できない文化に生きるのは、 とても大変で、疲れるそうで、長きにわたり夫婦円満でいることはかえってストレスがかかるそうです。
 これが、アメリカで離婚が多い理由だそうです。」

といった具合で、軽妙洒脱な面白い話が尽きない、興味津々の講演会でした。


アンケートより

☆もっと堅い内容かと思いましたが、くだけた、分かりやすい内容で楽しく聴かせていただきました。 ユーモアのある 会話というのをぜひ家庭内で 子ども・孫とも話し合っていきたいと思いました。

☆グローバルで、ユーモアに満ち、内容のある話はたいへん味わえるものであった。

☆「国際化時代のまっただ中の日本人」のタイトルをつけたいお話で、楽しく聴くことができました。 ユーモアを解する人間として生きていけるように心がけたら、国際化もうまくいけそうです。

☆講師の分かりやすい話術で、思いや内容をじっくりと受け止めることができた。 国際化といいながら、負の文化を受け入れていることに不安を感じるし、日本人としてのいい文化まで忘れて、 横並びになってしまっている。個性を高く持って国際人として成長していきたい。 そんな国際認識を持ち合わせる素地を培うことができました。

☆ユーモアにあふれるお話の中にも、素晴らしいメッセージがあり、とても楽しく聴くことができました。 そうだなと同感するところがたくさんあり、自分でも考えさせられることがたくさんありました。

☆肩肘はらずに人間の資質をより良くしていくことが国際化時代に通用すること、 必須として「英語」が国際語として位置づけられていることが分かりました。 一方で偏屈な日本人・日本文化を主張する人(権力を持った人)がいますが、 松山さんのような考え方が大事だと思いました。

☆話術が巧みで、話の内容もしっかりした口調でユーモアを交えて語られ、とても楽しい講座でした。 マスコミの第一線で活躍されて、私達にメッセージを送って下さってありがとうございました。

☆久しぶりに心からよかったと思いました。視界がひらけた感じがしました。

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★3面(1)
伊万里人の本棚

 最近、伊万里の人によって書かれた本の出版が相次いでいます。 ぜひ手に取ってご覧ください。

「佐賀の童話」
   日本児童文学者協会/編 リブリオ出版
 佐賀県内の各地を舞台に書かれた子ども向けの話が19載っています。 その内、伊万里市関係の話は2つです。
 1つ目は、山代町の中村悠美子さんが書いた「佐代川にひびく猿笛」です。 佐代川・佐代姫神社など松浦佐代姫にまつわる伝説を、子ども達が調べて脚本を書き、 劇を演じるという話です。
 2つ目は、教育長の前田和茂さんが書いた「わんぱく大将のなみだ」です。 南波多町に健太というわんぱくな少年がいました。 戦争で疎開した一家の暮らしは決して楽ではなく、 健太が飼っていたブタが売られることになったのです。 わんぱくだが心のやさしい少年の話です。

「こだまの響き鳴りやまず」
     末次艶子/著
 著者の末次さんは15年間、ボランティア活動に携わってきた人です。 その間に、見たこと、聞いたこと、感じたことを、ボランティア情報誌「やぁ!お元気ですか」の巻頭に載せ、 多くの市民へメッセージとして送り続けてこられました。
 この本には「やぁ!お元気ですか」に掲載された数々の感動的な名文が収められています。 人はいかに生きるべきか、ボランティア活動とは何かを考えさせられます。

「伊万里の山河」
   諸岡 均/著
 伊万里郷土研究会誌「烏ン枕」に著者が投稿されたものをまとめた本です。 腰岳黒曜石の話・日本刀の話・伊万里川にかかる橋の話、等々。 身近な地名の中に、自然や歴史を感じることができる1冊です。
 大自然に接し、自然に親しむことで、石や生物・植物などの知識を智慧を、伊万里の自然から学びとれます。

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★3面(2)
としょかん体験記

 「自ら課題を見つけ、探求し解決する」総合的な学習の一環として行われている職場体験学習。 市民図書館では今年も、自ら希望した中学生が数名、図書館での仕事を体験しました。 また、今年は図書館にとって初めて高校生の職場体験学習もあり、 今後の進路を真剣に考えるきっかけになってくれればと願います。

 2日間、職場体験をして貴重な体験ができたのでよかったです。 「ぶっくん」に乗せてもらって、保育園などをまわり、担当の方が紙芝居や絵本を読んであげると、 子どもたちがとても喜んで楽しそうに話を聞いているのを見て、 みんな「ぶっくん」がくるのを楽しみにしているんだなと思いました。
 実際にデスクで返却や貸出もさせてもらいました。 なかなか慣れずにきちんとできなかったので迷惑をかけたと思います。
 普段は気づかなかった本の並びなど、いろんな話も聞けたのでよかったです。
 お客さんを相手にするので、とても緊張しました。
 この体験で学んだことをこれからいかせるようにしたいと思います。
(伊万里農林高校・下久保優香)


 私は、この職場体験を通じて、仕事の楽しさや大変さなどを知ることができたと思います。 例えば、「ぶっくん」に乗っていろいろな所に行くのは楽しかったですが、 ゴミを出しに行ったり、2階の本を整理するのは大変だったことです。 でもとても良い体験をさせていただいたと思います。 本当に図書館で働いている方は、毎日とても大変だと思いました。 普段何気なく利用している図書館の裏側は、 「利用者のために一生懸命仕事をしていらっしゃったのか。すごい!」とびっくりしました。 本当に楽しい体験でした。3日間どうもありがとうございました。
(伊万里中学校・杉山舞)

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★4面(1)
9月17日(月)~9月28日(金)まで蔵書点検のため休館します。

☆休館前にたくさんの本をお借りください。冊数に制限はありません。

☆図書の返却はブックポスト(駐車場側・子ども玄関側)にお願いします。
 なお、CDやビデオ、カセットテープは破損する可能性がありますのでご遠慮ください。

☆貸出期間の延長や、本のご予約、図書館資料に関するお問い合わせは、受け付け出来ない場合がございます。 ご了承ください。

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★4面(2)
伊万里の文学展

◇展示会 10月27日(土)~11月11日(日)
 ・内容 伊万里の文学碑めぐり地図
     句碑・歌碑の拓本

◇講演会 10月27日(土) 午後2時~4時
 ・講師 撫尾清明氏
     (九州龍谷短大名誉教授)(全日本川柳協会常任幹事)
     著書「ジュニア川柳英訳本」

 ・場所 市民図書館ホール

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★4面(3)
伊万里のカブトガニ

 「生きている化石」といわれるカブトガニを、子どもたちにもっと知ってもらおうと、 市民図書館では8月11日(土)、「伊万里のカブトガニ」を開催しました。
 講師は伊万里高校生物部顧問の若芝亮先生。10組、28名の親子が参加し、 カブトガニの生態についての話を興味深く聞いたり、実際にカブトガニに触れたりしました。 そして、伊万里高校生物部員の指導で、折り紙作り。 難しいながらも、子どもたちの熱心な姿が見受けられました。

 後半は、若芝先生が専門とされているアリについてのお話でした。 世界には約9000種、日本には約260種も存在するというアリの種類の多さには 参加された方のほとんどが驚かれている様子でした。 また、滅多に見ることのできない、珍しいアリを数種類、顕微鏡を使って観察しました。

 参加した子どもたちの中からは、たくさんの質問もあり、生物についてさらに興味を深めてくれたようです。

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