> トップページ > 伊万里市民図書館について > 広報 としょかん通信 > 平成13年10月号




平成13年10月号

・漱石山脈 ―漱石を生きる人
・11月3日(土)文化の日は開館します
・伊万里人の本棚
・黒澤学vol.12 黒澤明と幻の「トラ・トラ・トラ」
・図書館ホームページのアドレスが変わりました
・図書館フレンズ総会開催

★1面
漱石山脈 ―漱石を生きる人

 渋川玄耳〈朝日新聞社会部長〉行徳二郎〈漱石の書生〉古川常一郎〈外国語学校教授〉 牧瀬五一郎〈文部省参事官〉 鍋島桂二郎〈ベルギー公使〉
 これらの人はみな佐賀県人です。しかも、明治の文豪夏目漱石と深浅の差こそあれ接点のあった人達です。
 これまでに漱石についての研究や論集は世界中で数多く出されていますが、伊万里で漱石を読み、 佐賀県出身の同時代人に光をあてる学習会を、読書会「島の会」で行いました。 おそらく佐賀県内では初めての試みでしょう。1年半の長きに渡る学習会でした。

 漱石は、当代随一の作家でありながら終の住処でさえ借家。「明窓浄机、これが私の趣味である」といっています。 「彼も人なり我も人なり」は有名な言葉ですが、才能や毛並みで人を差別せず常に公平無私であった人です。 そして若い人には「真面目に考えよ 誠実に語れ 摯実に行え」と説きました。 金脈・人脈まみれの現代人にとっては耳の痛い話ですし、見習う必要がありそうです。
 このほど、その最終講義がありました。講師の元図書館長森田一雄氏は、 「漱石山脈とは、漱石の生き方を学ぶ人をもいう。 私達も漱石山脈のすそのあたりに小さな席を占めるチャンスがありそうです。」と結ばれました。
 そんな漱石の作品、あなたもひもといてみませんか。

 間もなく読書週間、今年のテーマは、「夢中!熱中!読書中!」です。

▼もどる
★2面(1)
11月3日(土)文化の日は開館します

伊万里の文学展
 ☆展示会
   10月27日(土)~11月11日(日)
 ☆講演会
  ・10月27日(土)午後2時
  ・講師  撫尾清明氏
  ・場所 市民図書館ホール

♪いすの木合唱団ガーデンコンサート♪
  ♪日時 10月27日(日)14時~14時30分
  ♪場所 市民図書館北の庭
  ♪秋にちなんだ歌をご一緒にいかがですか

子ども将棋大会
 ☆日時 11月3日(土)午前10時~
 ☆場所 伊万里市民図書館ホール
   ※当日までに図書館にお申し込みください。参加費無料。
  共催:伊万里市民図書館・日本将棋連盟伊万里支部

チャリティー古本市
  掘り出しものが見つかる!?探せば楽しい古本市です。
 ☆日時 11月3日(土)10:00~15:00
 ☆場所 図書館南の庭
  主催:図書館フレンズいまり

▼もどる
★2面(2)
伊万里人の本棚

「沢木サゝヨ日記」より
 明治39年生まれの沢木サゝヨさんは、94歳で亡くなるまで、松島町で独り暮らしをされていました。 一時期福島町の老人ホームに入所されていたこともありましたが、その頃も伊万里の自宅に戻られてからも、 掃除、洗濯、古着の手入れなど身の回りの事はもちろん、三味線や踊りの稽古など、 悠々自適の生活を謳歌していらっしゃったようです。例えば、

昭和60年5月25日付
「今日朝六時半おきて先ず薬飲む。朝食八時たべて、武田節おどりに行く。中食してから三時入浴。三味の稽古して…」

昭和61年10月23日付
「…今日大変良い天気。風も吹かず伊万里くんちも良かった。町はにぎわってるだろうか。…」

 日々の暮らしを慎ましく、しかししっかりと過ごす明治女性の生き方に、清々しさが感じられます。

「句集 蓮月」 田中美代子・田中杉秀子/著 伊万里津書版
 市内で製本印刷業を営む田中秀男(俳号杉秀子)氏が、昨年亡くなられた奥様の追悼のため、 合同句集を出されました。お2人は夫唱婦随で家業を営むとともに、家族で句作も楽しまれていました。 表題の《蓮月》は奥様の戒名「蓮月妙芳大姉」から取られたもの。

「夕支度袋につめて春の宵」
   平成四年十月ホトトギス初入選

「飛梅の格調という白さかな」
   太宰府天満宮観梅俳句大会選者特選

 残された句からは、温かくおおらかに、しかし凛と生きられた姿が偲ばれます。また杉秀子氏の句

「惜しまれてなほ惜しまれて牡丹散る」

「悲しみを思い出に代へ爽やかに」

には、限りなく深い愛情が込められています。

▼もどる
★3面
黒澤学vol.12 黒澤明と幻の「トラ・トラ・トラ」

 この夏の大作「パール・ハーバー」を観て、あまりの怪作ぶりに吃驚するとともに、 若いころ観た、黒澤が途中解任された「トラ・トラ・トラ!」を思い出し、 黒澤が作ったであろう幻の作品に思いを馳せた。 「トラ・トラ・トラ!」の他にも、黒澤には幻の作品といわれるものが沢山あって、 主なものを挙げると、

1.「白痴」の完全版
──上映時間間の余りの長さから、大幅カットの短縮版での上映となる。 この会社側の暴挙に激昂した黒澤の「同じ切るなら、フィルムを縦に切れ」は有名な言葉。

2.「東京オリンピック」の記録映画
──リーフェンシュタールの名作「民族の祭典」に伍すべく準備していた、 この国民行事の影像化も、莫大な経費のため企画の段階で中止の憂き目に会う。

3.「暴走機関車」
──衰弱する日本映画界では、おさまりきれなくなった黒澤の海外飛躍の第一段。 日米の意見の相違から延期となるが、後年コンチャロフスキーの手で作品化される。 しかし、黒澤は「作品の性質はまるで違う」と容認せず。

4.「トラ・トラ・トラ!」
──「史上最大の作戦」の大成功に味をしめた大物プロデューサーのザナックが、 2匹目のドジョウを狙ったもので、真珠湾攻撃をドキュメント風に描く大作。 日本側監督として黒澤に白羽の矢を立てるが、制作過程での齟齬から途中解任劇を生む。

といった具合で、作品が上映にこぎ着けるまで、多くの費用と利害が絡む映画制作にあっては、 こうした悲喜劇は避けがたいものといえる。
 しかし、そうであればある程、巨匠と呼ばれる人が望み叶わず日の目をみなかった幻の作品は、 ますます興味深いものに思える。
 黒澤が撮ったであろう「トラ・トラ・トラ!」に贅言すれば、黒澤だったら人物を充分に描き込むはずだから、 心ならずも開戦に踏み切らざるを得なかった良識的海軍軍人や戦争回避に挺身した当時の指導者たちの有り様を描いて、 きっと重厚で壮大なスペクタクルになっていただろうと思うのである。

▼もどる
★4面(2)
図書館ホームページのアドレスが変わりました

 市役所の独自ドメイン取得に伴い、図書館ホームページのアドレス(URL)メールアドレスが変わりました。 パソコンの「お気に入り」や、「ブックマーク」に登録されている場合は変更が必要になりますので、 よろしくお願いいたします。

 ★ホームページアドレス(URL)
http://www.imarilib.hachigamenet.ne.jp/

 http://www.library.city.imari.saga.jp/


 ★メールアドレス
info@imarilib.hachigamenet.ne.jp

 info@library.city.imari.saga.jp
(現在はlibrary@city.imari.lg.jpです。H17.4)



☆携帯電話(iモード)用のホームページができました

 新しく携帯電話用のホームページを公開しました。(NTT DoCoMo)のi-modeのみご利用いただけます) 開館時間・休館日や行事案内などを掲載しています。ドコモの携帯電話をお持ちの方はどうぞご利用ください。

★i-mode用アドレス(URL)
 http://www.library.city.imari.saga.jp/i/index.htm

※不明の点がございましたら、電話もしくはメールで図書館にお問い合わせください。

▼もどる
★4面(2)
図書館フレンズ総会開催

 9月30日(日)「図書館フレンズいまり」の平成13年度総会が図書館で開かれました。
この総会でこれまで代表をつとめられた井手淑子さんが退任され、新代表に水上廣子さんが就任されました。

~任期を終えて~   井手 淑子
 私は、2年間フレンズ代表として意義深く素敵な体験をさせていただきました。
 「図書館フレンズいまり」は、図書館を愛し育てる会としてスタートし、 図書館に足を運んで下さる皆様のご理解と協力により、多様で活発な活動がなされたと思っています。
 その活動のなかでも、めばえの日を祝うぜんざい会、誕生を祝う☆まつり、古本バザー等、 年々市民の参加が多くなり、フレンズ会員の大きな力となっています。 フレンズは、これからも図書館職員と交流をもちながら、活動をしてまいります。 今までのご協力に感謝し、深くお礼申し上げます。

▼もどる








- copyright(c) Imari Public Library All Right Reseaved. -