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平成13年11号
・第2回伊万里の文学展
  ~あなたも伊万里の文学碑をたずねてみませんか

・撫尾清明先生の講演を聴いて
・黒澤学vol.13 黒澤明と映画制作
・新たな一歩を… 図書館フレンズいまり
・歌声の聞こえる図書館 ガーデンコンサート 秋
・全国公共図書館奉仕部門研究集会に行ってきました
・原ゆたかさんとあそぼう!
・クリスマスおはなし会

★1面
第2回伊万里の文学展
 ~あなたも伊万里の文学碑をたずねてみませんか


 伊万里には森永杉洞老師という偉大な俳人がいました。 老師は、円通寺の住職でしたが俳句に造形が深く、高浜虚子に師事するかたわら、 昭和17年「伊万里ホトトギス会」を結成されました。 この間多くの人が老師に教えを請うて参集し、作句に勤しみました。 その土壌は老師亡き後も受け継がれ、地域から輝くような文化を 今もなお発進し続けています。 円通寺には、老師の句「はく僧と塵取る僧と時雨けり」の碑が キリリと建っています。

 このほど開催された「第2回伊万里の文学展」では、 こうした先人達の句碑や歌碑、芭蕉碑を多くの市民の方々に紹介をしようという こころみでした。
 市内には判っているだけで句碑35基、歌碑5基、芭蕉碑5基があります。
 文学展企画委員の方々がこれらの現地に出向き、写真を撮り、 地図上に場所を落とし、説明文を記述してパンフレットを作成してくださいました。 また、郷土研究会の方は立派な拓本を作成されました。 みんな手弁当でボランティアです。
 秋日和の1日、労作のパンフレットを片手に文学碑探訪はいかがでしょう。
 詩人の心に自身の心を添わせながら、伊万里のよさや人生の深みを 味わっていただけたら幸いです。(パンフレットは図書館にあります。)

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★2面(1)
撫尾清明先生の講演を聴いて

 第2回「伊万里の文学」展を記念し、その初日の10月27日、 佐賀の撫尾清明先生を講師に、わが市民図書館で講演会が開かれた。 題して、「ヨーロッパ人と日本人のユーモア―外国と日本の家庭のしつけ―」。
 オープニング・イヴェントの「いすの木合唱団」の清朗な響きの合唱に引き続き、 波多津中学校勤務時代の撫尾先生の同僚である小嶋一郎先生の、 率直軽妙に加えて滋味あふれる講師紹介があった。
 撫尾先生は講演の冒頭、「女声コーラスを聴いていたら感激で 頭のなかが真っ白になって、きょう話すことを全部忘れた」と言って 来聴者の皆さんを笑わせ、演題にこだわりなく自在に、 意義深い話をお進めになった。
 先生は、川柳作家と英文学者と宗教家という3つの顔を持つかたで、 今回の講演は、その三位一体が、飾り気なく鋭くしかも愉快に表現されたものだったと 言えよう。
 川柳作家・兼・英文学者という立場は、先生に、 おのずと比較文学と比較文化論の視野を与える。 先生のそれは、優れて広く遠い。
 芭蕉の「古池や」の句の英訳の話、 ご自分にとって日本短詩型文学翻訳の上の師であるドナルド・キーン先生の話、 「源氏物語」や川端康成の小説の名訳で知られる エドワード・サイデンステッカー先生の話、 ヨーロッパ人と日本人その彼我の宗教認識や道徳教育や死生観やマナーや 社会感覚の相違点の話、日常会話における英米人の感謝と気づかいの表現の話、 漫画的な笑いの「コミック」や知的な笑いの「ウィット」に対する人情的 さらには人を救う笑いである「ユーモア」の話、 ユーモア的知性とユーモア的人物の重要性の話などを具体的な例示でなさったあと、 最後に秀逸な現代川柳のかずかずをご紹介になって笑いを誘いつつ、 講演を了えられた。
 わたしは、有益で豊富な話題を拝聴しながら、先生のような複眼を備えた若者が、 これから1人でも多く育つことを秘かに祈った。

(伊万里の文学展企画委員・高田文利)

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★2面(2)
黒澤学vol.13 黒澤明と映画制作

 黒澤明は昭和18年の監督第1作「姿三四郎」から、 平成5年の遺作「まあだだよ」まで、合計30作を生んでいる。
 特に昭和40年の「赤ひげ」までは、完成に手間取った大作の「七人の侍」と 「赤ひげ」を除き、毎年1作のペースで制作している。
 世界配給が約束され、巨額の収益が見込まれるハリウッド系の巨匠達は、 数年に1作のゆっくりペースが可能だが、 収益性では問題にならない邦画の世界では、 いくら巨匠の黒澤監督といえども、年1作のペースで撮らざるを得なかったのだろう。
 同じ監督でもB級・C級ともなれば、上映メニューをこなすために、 限られた日数で撮り上げるのは、どこの国の映画制作でも同じ事情だから、 これは問題外。
 で、黒澤の1年1作のペースは、多いか少ないかの議論だが、 芸術家にはそれぞれ制作のテンポというものがあり、一概に言えないが、 一方に上映を楽しみにしている観客がいて、 黒澤監督はその期待に応えるべく1年1作のペースで制作し、 長きに渡って会社に利益をもたらしてきたことの方に、 私としては賛嘆を禁じえない。
 こうした制作密度の濃さは、夏目漱石の小説群と比肩すべき事蹟だろう。
 さらに、1年1作のペースがどんな成果をもたらしたかといえば、 黒澤映画を制作するたびに招集される俳優やスタッフの面々の固定化が、 より精鋭集団化を進め、極めてレベルの高い仕事を可能となしたことだろう。
 そして、作品のテーマや方法など、毎年毎年なるが故の変化やチャレンジが、 黒澤組と呼ばれる集団内で発生し、それらが相乗効果を生みながら、 「赤ひげ」まで一気に駆け登ったのだと思う。
 その意味では、黒澤映画集大成感のある「赤ひげ」以後、 「どですかでん」に始まるカラー作品は、制作テンポも落ちて、 緊迫もスピードもなくなり、黒澤の変化を感じさせる。 しかも、そこには黒澤最愛の俳優・三船敏郎がいないのである。

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★3面(1)
新たな一歩を… 図書館フレンズいまり

 「図書館フレンズいまり」平成13年度総会で、 新代表に水上廣子さんが就任されました。

~新代表就任にあたって~
      水上 廣子
 暗いニュースばかりのこの頃に、人の心の荒廃を嘆く声が多く聞かれます。 こんな時だからこそ大人はもちろん特に子ども達には、 良い本をたくさん読んで心を育てて欲しいと願っています。
 お陰様で、伊万里には立派な伊万里市民図書館があります。 この図書館はいろいろな機能をたくさん備えています。 皆様の利用の仕方ではいろいろな可能性を発揮してくれると思いますし、 皆様の知恵でどんなにでも有効に利用できるのではと思います。 また、今年からは「いすの木合唱団」もデビューして、 時には図書館に素敵な歌声が響きます。 次の世代を担う子ども達にはぜひ、この環境を生かして欲しいと思います。
 1人でも多くの方が図書館に足を運んで下さること、 できたら図書館を一緒に支えて下さる方が1人でも増えて下さったらと願いつつ、 図書館を応援していきたいと思っています。 皆様のご協力をよろしくお願い致します。

~ありがとうございます~
★9月18日、秋の日差しがまだ強い中、 図書館フレンズいまりのみなさんが駐車場のライン引きをしてくださいました。
 開館して6年目、うすくはげかけていたラインが真白によみがえりました。 ありがとうございました。

★図書館員のエプロンが変わったのに、みなさんお気づきでしょうか。 これは、図書館フレンズいまりのみなさんのご好意で図書館へいただいたものです。 お揃いのエプロンを身につけて、 これからも市民のみなさんに喜んでいただけるようなサービスを 心がけていきたいと思います。

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★3面(2)
歌声の聞こえる図書館 ガーデンコンサート 秋

 曇り空から薄日がさして風もなく気持ちのよい午後でした。 10月27日(土)午後1時20分から「ガーデンコンサート秋」を開きました。 図書館の南の庭に出て紅葉した花みずきの木を背に歌いはじめました。 客席として並べた白い椅子も、歌い進むうちに2時からの講演会にみえた方などで 満席となり、立って聴いている方も沢山いらっしゃいました。
 フォスターの「オールドブラックジョー・金髪のジェニー」 秋の歌として「さわると秋がさびしがる・小さな木の実」など7曲を歌いましたが、 「フォスターの曲なんて久しぶりに聞いてなつかしかったよ」と喜んで頂きました。
 どこからか歌声の聞こえる図書館…そしてその歌声がなつかしくて 美しい旋律と歌詞(ことば)であれば……。 このような思いから「図書館フレンズいまり」の歌好きな会員が集まり 歌いだしたのがはじまりです。 会の名は、子ども開架室の中央に立つ焼き物づくりにゆかりの深い 「いすの木」から名前をもらい「いすの木合唱団」としました。
 この次は12月25日(火)18時30分から、 佐賀大学の小林なほみ先生をお迎えしてクリスマスコンサートを開きます。 どうぞお出かけ下さい。(徳久美穂子)

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★4面(1)
全国公共図書館奉仕部門研究集会に行ってきました

全国公共図書館奉仕部門研究集会とは、 図書館の利用者に対して行われるサービスを全国の図書館員と 話し合いながら研究する集会のことです。
 初日の基調講演では、「情報を集める場所として図書館の存在が欠かせない。 しかし、図書館員の態度によって図書館から足が遠のくこともあり得る」 との厳しい内容が印象的でした。
 事例発表では、市役所職員や市議会議員向けに参考業務を行ったり、 「児童虐待」などのテーマに添った本の一覧を作成している図書館がありました。 また、図書館を使ったことがない町民に対し、 新しい図書館の良さをアピールするための様々な工夫をされた 図書館の事例もありました。
 対象や内容こそ違いますが、利用者に喜んでもらうことが 図書館のサービスであり、それには1つ1つの積み重ねが大切であることを 特に今回の研修で学びました。 これからは研修を活かして図書館サービスをしていきたいと思います。

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★4面(2)
ゾロリの作者 原ゆたかさんとあそぼう!

  ☆ 日時 12月15日(土)
   1回目 午後1時30分~
   2回目 午後3時30分~
  ☆ 場所 市民図書館ホール
  ☆ 持ってくる物
     ・えんぴつ、ペンなどの書く物
  ☆定員 35名(×2回)
  ☆完全申し込み制にします。くわしくは、市民図書館子どもデスクまでおたずねください。

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★4面(3)
クリスマスおはなし会

  ☆日時 12月8日(土)
      午後2時30分~
  ☆場所 市民図書館ホール
  ☆出し物
    ・エプロンシアター
    ・布タペストリー
    ・歌パネル    など
  ☆サンタさんの絵を書いて持ってきてね。プレゼントがもらえるかも…。

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