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平成13年12月号

・「わたしの先生は図書館だった-人づくりはまちづくりに思う-」
・手づくり布の絵本全国コンクール in 桐生
・伊万里市教育委員会表彰に岡田政昭氏
・子ども将棋教室終了
・一足早いプレゼント クリスマスおはなしかい
・池田龍雄講演会(お知らせ)
・年末・年始休館のお知らせ

★1面
「わたしの先生は図書館だった-人づくりはまちづくりに思う-」

 冬の日暮れは早いもの、陽のある内に外出したのに帰りは暗くなってしまいました。私は1人、カサカサと落葉が舞う暗い夜道を一歩一歩確かめるように歩いて、やっと図書館の前までたどり着きました。視界がパッと明るくなり、そこで目に入ったのは昼間とは全く違う夜の図書館の光景でした。

 目をこらすとあたたかくやわらかな光につつまれた館内にはたくさんの人がいました。ベビーカーを押している若い母親、子どもの手を引く父親、ちょっとスキップをするような足どりで父親の手にぶら下がる男の子、大きいバッグを肩にした女性、学生服の高校生、ダブダブズボンのヤングの子たち、背広姿の人、作業服の人、その中を忙しそうに歩く図書館員の姿、実に様々な人が夜の図書館に集まっていました。

 私はこの様子を見て、その場にしばらく足が釘づけになりました。グッとこみ上げてくるものさえ感じました。なんと知的でかつやさしい雰囲気でしょう。

 6年前、作家の井上ひさしさんはこの図書館の開架室に立って「私は足が震えました」とその時の感動を表現されました。その井上さんは若い頃、図書館の本を片っぱしから読まれたそうで、「私の先生は図書館だった」といい、1987年には山形県川西町に蔵書を寄贈し「図書館遅筆堂文庫」を開館されたのです。いまや日本を代表する作家井上さんの知の原点は図書館だったのです。

 ところで、日本の経済はバブル崩壊後、冷え切ってしまっています。それに伴って、自治体の財政も緊迫しています。このような時思い出すのは山本有三の戯曲としても有名になった「米百俵」の話です。

 明治の初め、越後の長岡藩は戦乱と火災で町はすっかり焼け野が原になり、藩の財政は困窮を極めていました。それを知って三根山藩からお見舞に米百俵が送られてきたのです。藩の大参事小林虎三郎は米を少しづつ分けるのではなく学校を建てたというのです。「学校を建て人物を養成するのはまどろっこしいようであるが、これが長岡を建て直す唯一の道だ」人づくりこそまちづくりだというのです。
 各自治体では間もなく来年度の予算査定が始まります。

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★2面
手づくり布の絵本全国コンクール in 桐生

 古くから織物の町として全国に知られている群馬県桐生市で「手づくり布の絵本全国コンクール」がありました。

 伊万里からはオープン参加という形で、2点を出品させてもらいました。
 1つは『花さき山』(縦70cm×横100cm)(原作 文・斎藤隆介 絵・滝平二郎)。この絵本に出会い感動して10年、布絵本にして子どもたちの前に出したいとあたためていました。斎藤さんの『花さき山』への思いを何度も読みかえし、かみしめ、また滝平さんのすばらしい絵を大事にしながら、古布や端布を活かし1年半をかけて精一杯製作した大型の布の絵本です。1998年に出来上がりましたが、今でも図書館の中で大活躍の作品の1つのようです。

 もう1つは『さよひめものがたり』(縦140cm×横157cm)。貫頭衣風打掛または「着物シアター」とでも言われる新しいタイプの作品です。これは2000年「子ども読書年」にあたり「子ども読書推進ネットワーク開発事業」(文部省)に取り組み出来上がったものです。先ず『伊万里のむかしばなし』を刊行し(松尾テイ姥や地元の方々にご協力いただいた)「テープ」「CD」を制作し(できるだけ地元の方の語りで収録した)「布衣装」として2001年9月にこの作品が誕生しました。これは主に古着を使い物語の雰囲気がでるようにと工夫しました。語り手が着てもよし、衣掛けにかけて語るもよし、いずれも伊万里のむかしばなしがこれから先消えることなく語りつがれていくことを願い作りました。

 11月10日(土)・11日(日)の2日にわたり、「布地は母親の肌につぐ第2の出合い」というキャッチフレーズのもと全国から60点余の力作が出品されていました。どれもすばらしく作品の1つ1つから温かみと熱意が伝わってきました。みんな思いは同じです。このように志を同じくする者が一堂に集まり、作品を通して交流できたことを何より嬉しく、すばらしいことだと思いました。

 伊万里市でも布の絵本の世界に挑戦する人が増え交流の輪が広がっていくことを願っています。

 昨年「子どもの読書・親たちの役割」という演題でご講演いただいた渡辺順子さん(今大会の指導・助言者)から「心と心を結ぶ布絵本」ということばをいただいて帰りましたが、本当に布の絵本は「心の絵本」だと、1つ1つの作品を手にしながら実感しました。

 桐生はやはり根っこに古い伝統文化のある街でした。

(てんとう虫の家・前山ノブ)
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★3面(1)
伊万里市教育委員会表彰に岡田政昭氏

 11月8日、伊万里市教育委員会表彰式が市役所でありました。

 これは各分野にわたり、伊万里市の教育の振興、発展に貢献した人に対して、市教育委員会が毎年表彰を行っているものです。

 式では岩永憲一良教育委員長から1人1人に表彰状が手渡されましたが、図書館関係では岡田政昭さんが受賞されました。

 岡田さんは昭和61年「図書館づくりをすすめる会」が発足してから9年間、平成7年「としょかんフレンズ伊万里」と名称が変わってから4年間代表を努められ、市民とともにつくる市民の図書館の牽引役を果たしてこられました。今日、伊万里市民図書館が市民と協働でつくり運営する図書館として注目される基礎を築いてこられたのです。

 岡田さんは受賞に際して「これは私1人がいただいた賞ではない。多くの市民の方、としょかんフレンズ伊万里の方々が汗を流してこられたことに対する賞だ」と語られました。

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★3面(2)
子ども将棋教室終了

 これまで毎月第2・第4土曜日に市民図書館で行われていた子ども将棋教室が、11月3日の大会を最後に終了することになりました。日本将棋連盟伊万里支部のご協力により約3年間にわたり、たくさんの子どもたちが将棋を覚え、楽しい教室にすることができました。

~講師の先生から~
 毎月第2、第4土曜日に子ども将棋教室の運営に携わり、子どもたちの元気さに圧倒されながらも、楽しい3年間でした。子ども達の集中力、吸収力は素晴らしいものがあります。佐賀県の小学生名人、中学生名人等を教室から輩出、伊万里の子ども教室もずいぶん有名になりました。特に、小学生王将戦佐賀県大会を2年連続伊万里で開催したことは特筆すべきことで、今後もこの伊万里から将棋の強い子がたくさん育ってくれることを楽しみにしています。(梶山博敏先生)

~講師の高校生より~
・この教室に来てくれた子どもたちが、これからも将棋を楽しんでくれたらいいなぁと思います。

・将棋教室が、子どもたちにとって将棋をする場所というだけではなく、友達作りの場ともなっていたのが非常に良かったと思います。

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★4面(1)
一足早いプレゼント クリスマスおはなしかい

 クリスマスが間近に迫った12月8日(土)、クリスマスおはなし会が、図書館ホールで行われました。

 これは、「おはなしキャラバン伊万里」の主催で、毎年この時期に開かれています。
 当日は、パネルシアターやエプロンシアター、OHCを使っての絵本の朗読など、盛りだくさんの内容で、約200名ほどの方が参加してくれ、会場は熱気が溢れていました。

 また、参加した子どもたちが、思いを込めて描いてきてくれたサンタさんの絵の展示も行われました。そのお礼に、会場に来てくれたサンタさんから子どもたちへプレゼントがありました。思わぬプレゼントに子どもたちは大喜びの様子でした。

 クリスマス当日は、みんなの願いが本物のサンタさんに届きますように…。

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★4面(2)
池田龍雄講演会

 女性セミナー公開講座を開催します。

 講師は伊万里市二里町出身の画家、池田龍雄さん。花田清輝や岡本太郎らのアヴァンギャルド芸術運動に参加し、文学や映画など、多くのジャンルと深く交わりながら一貫して美術の前衛として今日まで活躍されています。

 主な著書『絵画の距離』(創樹社)、『蜻蛉の夢』(海鳥社)、『芸術アヴァンギャルドの背中』(沖積社)など。

 このほど市民図書館に児童書と挿絵の原画を寄贈していただきました。講演会とあわせて原画展もおこないますので、ご覧下さい。

 どなたでも参加でき無料です。


《講演会》
  日時  平成14年1月27日(日)
       13時30分~15時30分
  場所  図書館ホール
  テーマ 「児童書とさし絵」

《原画展》
  期間  平成14年1月27日(日)~2月3日(日)
  場所  図書館企画展示室

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★4面(3)
年末・年始休館のお知らせ

 市民図書館の年末・年始の休館日をお知らせします。図書館の休館日は、

 12月28日(金)~1月3日(木)

 1月4日からは通常どおり開館します。

 また、《ぶっくん》の巡回も12月28日から1月3日まではお休みします。巡回の開始は来年1月4日からです。

 休館中の図書の返却は、ブックポストをご利用下さい。また、CD・ビデオ・カセットテープにつきましては、破損のおそれがありますので、ブックポストへの返却はご遠慮下さい。開館時に、デスクまでお返し下さい。

 休館中は何かとご迷惑をおかけします。来年も、今年以上にご利用下さいますようお願いいたします。

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