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・サイデンステッカーさん、文化講演会のお知らせ ・日本文学とサイデンステッカー ・赤ちゃんと保護者の幸せを願って…ブックスタート ・特別整理休館のため休館します ・夏休みは図書館へLet's go ! ・寄贈 ありがとうございます |
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この夏、世界的日本文学の研究家サイデンステッカーさんをお迎えし、文化講演会を開催します。 サイデンステッカーさんは「源氏物語」「蜻蛉日記」などの古典の他、谷崎潤一郎の「細雪」、川端康成の「雪国」「山の音」などの英訳をとおして、日本文学の精華を世界へ紹介された方です。 特に、川端康成のノーベル文学賞受賞は、サイデンステッカーさんの名訳なくしてはあり得なかっただろうと言われています。 では、サイデンステッカーさんがいかに優れた文学観賞眼を持っているかを紹介して、講演会への誘いとしたいと思います。 谷崎と川端の文学的相違に言及して曰く― 「谷崎が『源氏』を愛し、影響を受けたことはよく言われるが、それほど一般に認められてはいないけれど、川端と『源氏』のあいだには、谷崎の場合よりさらに深い親近感がある。どちらとも言葉数が少ないのだ。妙なことを言うと思われるかもしれない。 私の言う意味は、川端も紫式部も、限られた語彙を使って、非常に暗示にとんだ効果を上げているということだ。 谷崎の典型的な文章は水晶のごとく明晰で、だから容易に英語になる。この意味では翻訳していて退屈になりがちで、川端ほど面白くない。これに対して川端は、一つの表現に何重もの意味が込められているし、しかも言わんとしていることが特異、独特であるように思える。」 (「日本との50年戦争」より抜粋)
このような碩学の師がどのようなお話しをされるか、今から楽しみなことですが、講演の日程は以下のとおりです。 ★ 日時 平成14年 8月24日(土) 午後2時より ★ 場所 伊万里市民図書館ホール ★ 演題 「日本文壇との50年」 席に限りがありますので、定員になり次第締め切らせていただきます。 詳しくは、市民図書館までお問い合わせください。 ▼もどる |
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日本文学とサイデンステッカー サイデンスッテカー氏の功績の中で、特に有名なのが翻訳は不可能とも言われていた川端康成・谷崎潤一郎の翻訳と、源氏物語全訳を完成させたことだと言われています。 源氏物語と海外 日本古典文学の代表作を海外に紹介したのは、アーサー・ウェイリー氏。彼が翻訳した「源氏物語」は、当時イギリスの文学青年の間で流行になるほど評判をよびました。 源氏物語との出逢い 太平洋戦争が勃発。サイデンステッカー氏は米海軍の日本語学校に入学。文学に興味を持っていたクラスメイトのほとんどが「源氏物語」を読んでいることを知り、自分も初めて読みはじめたそうです。 翻訳を手掛ける しかし、日本文学を学べば学ぶほど、ウェイリー氏の翻訳に疑問を持つ所がでてきて、少しずつ自分で源氏の翻訳を手掛けはじめたそうです。 それでも最初は全文を手掛けるとまでは考えず、当時一番好きだった宇治十帖から翻訳をはじめられました。しかし、まわりの強い薦めもあり、全訳を決意されたそうですが…。 10数年の歳月を経て 完成したサイデンステッカー訳「源氏物語」は高い評判をよび、広く読みつづけられています。 川端康成との出逢い 谷崎や三島は作品を読み興味を持ったそうですが、川端作品と出逢うきっかけは、実際の川端康成にあう機会があり、その時、氏の人柄にとてもひかれたので、作品も読んでみようと思われたのだそうです。 川端文学の魅力 サイデンステッカー氏は、川端の小説の魅力は、登場人物と日本的な小説形式だと述べられています。 「川端氏の小説では人物が生きている。自らの創造した人物から距離を保つという、日本の小説家の多くが果たし得ない所を氏は見事にやってのける・・・ ~現代日本作家論より~」 「雪国」の翻訳 先に紹介した川端文学の二つの特色をもつ「雪国」に大変な魅力を感じ、翻訳を手掛けられたそうです。しかし、「すぐれた文体は常に翻訳困難である」と自身も述べられたように、川端の文章は大変翻訳が難しく、特に長編ではこの「雪国」が一番難しかったそうです。 そんな苦労の末翻訳された「雪国」は海外で高い評価を得て、このことが、川端康成のノーベル文学賞受賞にむすびついたのでした。 「源氏物語」や川端康成の他に、谷崎潤一郎をはじめ、三島由紀夫や井上靖の作品の翻訳を手掛けられました。 また、東京 特に下町には強い愛着を持たれ、日本では湯島に居を定めておられます。サイデンステッカー氏著作の代表作ともいえる「東京 下町・山の手」は、アメリカ人筆者の手による下町文化論というユニークながらも大変読み応えのある作品です。 講演前に、サイデンステッカー氏の著作と日本文学の一読をおすすめします。 E・G・サイデンステッカー(日本文学研究家) 1921年米国生まれ。海兵隊付情報将校として硫黄島、ハワイを経て戦後佐世保に勤務。帰国後コロンビア大で国際関係論を学び、エール大・ハーバード大で日本研究。47年国務省海外勤務部門に入り、48年日本へ配属されるが、50年辞職。その後は東大大学院で平安朝文学を研究「蜻蛉日記」を英訳。卒業後は上智大で教鞭をとりながら翻訳家として活躍。62年帰国。英訳書に「細雪」「雪国」「千羽鶴」「源氏物語(全訳)」など。また批評家、エッセイストとしても高い評価を経ており、代表作は「現代日本作家論」「東京下町山の手」などがある。 -「現代外国人名録」より-
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赤ちゃんと保護者の幸せを願って…ブックスタート ブックスタートって何でしょう。 「おはなしキャラバン」では、ブックスタートについての勉強会を6月15日、図書館ホールで開きました。講師はNPOブックスタート支援センターの佐藤いづみさん。以下は佐藤さんの話です。 「赤ちゃんが成長するとき、たくさんの語りかけをすることは、愛情そのものである肉声が体の中に入っていくことです。 ブックスタートは本を介して、保護者が赤ちゃんに語りかけていこうというものです。 しかも、生まれてきた全ての赤ちゃんに。 溢れる語りかけの中で育った赤ちゃんは、人を愛することを知り、自分も大切にすることができるのです。赤ちゃんだけではありません。保護者も赤ちゃんと向かい合い語りかける、ゆったりとした時間を持ってほしいというものです。つまり、赤ちゃんと保護者の両方の幸せを願うものなのです。 ですから、Share Books Wish Your Babyともいわれています。 長じても保護者の声が、体の中に残っていたら、それが子どもの自信や支えになるはずです。全国では200以上の自治体でブックスタートが始まっています」 笑顔のさわやかな佐藤さんは、次の日からブックスタート発祥の地イギリスへ取材に行くということでした。新しい報告がまた聞けるでしょう。 ~参加者のみなさんからたくさんの声をいただきました。
★本を読んであげるってステキですね。これなら私にもできます。伊万里市でもぜひ意識を高めてスタートさせてください。 ★青少年の犯罪を毎日のように耳にする時代ですが、ブックスタートの実施がきっかけになって、 地域全体で子ども達の成長を見守っていける環境ができたらと思っています。 ★もう一度赤ちゃん欲しいわ。 ★ブックスタートが広がっていくことで、日本中の心優しい大人や子どもが育っていくでしょう。昨今の痛ましい事件が無くなることを願い、心の教育をもっと重視していきたいものです。 ★まずは大人が本を好きになること。すると子どもにも伝わりますね。親から子へ、子から孫へ孫から曾孫までずっと。 ★ブックスタートは子どもと本を繋ぐのみでなく、むしろ子どもと他の人々との関わりを重視したものであることがわかり盛り上がって ほしいと思いました。私の母は20年以上も地域の文庫でボランティアを続けており、この図書館へも見学にきました。とても素晴らしい図書館だと聞いておりましたが、思いがけず伊万里市民になり図書館を利用できることをうれしく思っております。 ★伊万里市でも一日も早く実施してほしい。図書館でもブックスタートお薦めの絵本コーナーを準備してほしい。 ★言葉とは言霊と言われるように、優しくて丁寧な言葉は心に響くものですね。 ▼もどる |
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特別整理休館のため休館します ~期間 9月15日(日)~9月27日(金)~ 蔵書点検(資料の状況把握作業)や書架の整理など、日常の業務の間ではできない作業をいたします。そのため、本の貸出、貸出期間の延長や資料の予約、資料に関するお問い合せは受付できない場合がございます。ご了承ください。 ■図書の返却はブックポスト(駐車場側・子供玄関側)にお願いします。 なお、CDやビデオ、カセットテープは破損するおそれがありますので、ご遠慮ください。 □ 自動車図書館「ぶっくん」は通常の巡回をいたしますのでご利用ください。 ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をおねがいします。 ▼もどる |
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夏休みは図書館へLet's go ! ★つくろう!せかいで1つのたからもの としょかんボランティア「てんとう虫の家」の方々といっしょにランチョンマットをつくってみませんか? とき 7月24日・31日・8月7日(毎週水曜日) 午後1時~3時30分 ところ 市民図書館 創作室 参加費 こども一人 500円 募集人 親子5組程度 ★パソコンおやこきょうしつ インターネットのつかい方やじょうほうのさがし方、としょかんのホームページのつかい方などを学んでみませんか? ★8月に10回おこないます。(1回4組までのぼしゅう) ★ 小学生とそのほご者がたいしょうです。 ★ていいんになったらしめきります。 ~問い合わせ・もうしこみ~ 市民図書館 TEL 23-4646 FAX 22-3231 ▼もどる |
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寄贈 ありがとうございます (敬称略) ・西野 豊 ・陣内 由紀子 ・松本 信代 ・山口 浩喜 ・金子 信二 ・森田 一雄 ・吉村 隆次 ・八田 寛 ・田中 秀明 ・立石 順子 ・徳田 孝三郎 ・小畑 英郎 ・トラピスト修道院 ・肥前陶磁商工協同組合 ▼もどる |