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平成15年秋号
・夏祭りでおはなしかい
・たのしかったよ!「おはなし運動会」 平成15年9月7日
・「図書館実習を終えて」 滝野中学校 田島春己先生
・特別整理休館日のおしらせ
・寄贈 ありがとうございます
・図書館歌壇 短歌教室

★ 1面
夏祭りでおはなしかい

 9月1日は二里町の金武神社の夏祭りでした。 この日、図書館ボランティアの方々が「花さき山」の話を披露するという誘いを受け、出かけました。
 神社は国道から山手にちょっと入った所にありました。参道には雪洞が灯り神社は老若男女で一杯。手に手に団扇を持ち、子どもたちはゆかたを着せてもらい、夜店も並んでお祭りムードが盛り上がっていました。

 しばらくすると、自作自演の演芸大会が始まりました。保育園児も小学生も大人も、歌って踊って楽しそうでした。地区の人々はみんな顔見知り、名前で呼び合い、日々助け合って暮らしている、昔ながらの結いの心を垣間見た気がしました。そんな雰囲気の中で「花さき山」が始まりました。迫力あふれるタペストリーと情感溢れるお話に会場から「オー」という歓声が上がります。

 神社のお祭りで、図書館ボランティアの方がお話し会をするなんて前代未聞のことですが、それにはこうした訳がありました。学校が週休2日になってから、この地区に住むTさんとその仲間は、地区公民館で子どもたちを集めて、お話し会を続けているのです。
 市民図書館まで毎週出かけて来ることができない、遠い所に住んでいる子どもたちへも、こうした善意の人々が読書への橋渡しをしてくれているのだと熱いものがこみ上げてきました。それが夏祭りでのお話し会へとつながっていたのです。

 毎年、日本図書館協会から「日本の図書館」という統計書が発行されます。これによると伊万里市民図書館の年間貸出点数は、同規模の71自治体中8位と上位にランクされていました。 とても喜ばしいことです。しかし貸出の数字には表れないTさんたちのような地道な活動が各地で行われ、中身の濃い読書が市民の間に根付いていることの方が、より大きい意味があるような気がいたします。さわやかで品格があって、なおかついきいきとした図書館は、市民1人1人の生き方の反映でもあります。

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★ 2面
たのしかったよ!「おはなし運動会」 平成15年9月7日

 福岡から『おはなしの達人』富原美智子さんをお招きして、「おはなし」をしていただきました。同時に伊万里の子どもたちが「おはなし」を3つ発表しました。
 富原さんには今年の2月にも図書館でおはなし会と講演会をしていただきましたが、もっともっと「おはなし」を聞きたいと言うことで再度足を運んでいただいた訳です。今回は一緒に「おはなし」の活動をされている友達2人も同行され、1人ではできないペープサートや大型紙芝居、そしてブラックシアターも登場しました。工夫をした小道具を使ったおはなしや素ばなしなど、子どもだけでなく大人までもが夢中になりました。素ばなしの間にはちょっとした手遊びもあり、あっという間に時間が過ぎていきました。
 今回「おはなし」を演じてくれた子どもたちと、会場で聞いていた方に感想をお聞きしましたので、ここに紹介します。


★小学校で朝読み聞かせをしているので、その参考になればと思い、参加しました。
 富原さんのやさしい声の素ばなしに聞きほれました。私も短いものから挑戦しようかなと思いました。
 また、子どもたちがブラックシアターを見て、「わー、きれい!」と歓声を上げていました。本当に綺麗でした。
大川内 幸さん(大坪町)

★うさぎの本でパタパタとひらいているところがおもしろかった。
 のっぽくん、ちびくんで、かいてんの本がおもしろかった。
 まあちゃんのながいかみで長いかみで二まいになったところでおもしろかった。
(大坪小2年 神崎香穂)

わたしたちが演じました!
①エプロンシアター「とんでったむぎわらぼうし」
 今日読書会の発表がありました。おきゃくさまが多くてさいしょはドキドキしていました。けど、あとからなれてきてドキドキしなくなりました。
 エプロンシアターでにんぎょうをうごかすのがむずかしかったです。一番むずかしかったのは、ボウシをとばすところでした。(二里小3年 長谷川詩織)

②パネルシアター「たまごがころんあれあれ!」
 きんちょうしたけどみんなが笑ってくれてよかったです。みんなで作ったパネルもきれいだねとほめてもらいうれしかったです。(大坪小6年 立石若菜)

③ペープサート「ねずみのすもう」
 今日は、練習の時にはそろわなかった人形の動きと声がそろっていて、今までで一番よくできていたと思いました。見物してくれた人も楽しそうに見てくださったのでよかったです。(立花小6年 野口 舞)

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★ 3面(1)
「図書館実習を終えて」
 滝野中学校 田島春己先生


 「図書館に行こうか?」「僕も行く。」
 これは、恒例となったわが家の週末の会話である。身近な図書館のオープンで本に接する機会がぐっと増え、息子は読書が大好きになった。帰りのバックの中は、抱え切れないほどの本の山である。最近よく見られる光景ではないだろうか。たくさんの本を無償で貸して頂き本当にありがたいことである。このようなサービスを提供していただく市と図書館には感謝以外に言葉が見当たらない。
 今回、図書館での研修の機会を得た。利用者の立場の時には気にも留めなかったが、体験を通して思いを新たにすることが幾つもあった。市民図書館は住民へのサービスを第一にする。ゆえに、限られた予算と人員で如何に、来館者に満足度の高いものにしていくのかが問われる。この実現のために館長を中心に職員が一丸となって知恵をしぼり、細心の注意を払い、誠意をもって対応される姿に感銘を覚えた。来館者は老若男女すべてがお客様である。市の事業の中で、最も市民に身近に感じられ、最もサービスが行き届き、最も期待されているものであると思う。
 最後になったが利用者として、表には出て来ない職員のご苦労・努力に対し、「ごくろうさまです」のことばを贈りたい。

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★ 3面(2)・4面(1)
新しい図書館の風が吹き始める 熊本県益城町

 「私たちの町にも図書館がほしいねー。」そんなお母さんたちの声が集まり「益城町に図書館をつくろう会」が発足したのは、今年の2月でした。
 熊本市の東部に位置し、熊本空港、高速道路益城空港インターチェンジを有し、人口3万2千人余りの益城町には、現在、公民館に一教室程の図書館があるだけです。なんとか住民の1人として図書館づくりへの思いを伝えることができないかと考えた末、会の発足へと進んでいきました。

 友人の紹介で「図書館フレンズ」メンバーの盛さんと出会い、まず会の発起人だけで、今年の1月に見学に伺いました。その時の盛さんの「図書館をつくらせようというのではなく、自分たちもしっかり学んで提言して、相互に補完し、協働でつくりあげることです。」とのお話しにすっかり感動しました。また、伊万里市民図書館が平成13年に発行した「私たちの図書館は」という赤い冊子を読み、犬塚館長の「楽しみの為の読書だけではない、つまり市民の学習や生き方も支え、子どもたちの未来を支える図書館を目指したい」ということばに、これこそ私たちの考えていることだと喜び合いました。そして、この伊万里市民図書館を多くの益城町民のみなさんに見ていただき、体験していただいて、その心地よさを感じてほしいという思いを持ったのです。

 その念願の見学ツアーが8月20日、大型バス1台を貸し切って実現しました。総勢47名、5歳から60代まで、様々な年齢の方々に参加していただきました。たっぷり1日。まず、図書館の説明をホールで聞き、その後見学。それから、それぞれがお気に入りの場所で自分たちの好きなようにゆっくりと過ごしました。なんと贅沢な時間を過ごしたことでしょう。帰りのバスの中では、全員が感動の思いでいっぱいでした。「まだいたかった」という子どもたち、「図書館が息をして、生きてるって感じ」「利用している人たちの顔が生き生きと幸せに見えた」「いろんな年代の人が利用出来るという感じがする」「特に十代の若者のコーナーがいいと思った。居場所があるという感じ」などなど話はつきませんでした。本当にこのツアーの計画をしてよかったなぁと思いました。

 どの町にも予算や事情があって、理想の図書館を作るのは難しいと思うし、自分たちの思い通りにいかないからといって行政に文句を言っても仕方のないことです。今回のツアーの目的は同じような図書館がほしいと呼びかける為のものではありません。図書館に関わっている人たちの思いを聞き、実際に自分たちの五感で味わって、それをそれぞれの立場で周りの人たちと共有し、自分たちの図書館ができていく事が大切だと思います。この見学ツアーまでに多くの方々と出会い、素晴らしい経験をさせていただきました。館長さんの言葉の中にあった「プロセスの大切さ」を多くの方々との出会いで感じています。

 最後になりましたが快く私たちを受け入れてくださいました館長さんはじめ、盛さん、図書館フレンズのみなさま、職員のみなさまに心より感謝申し上げます。

「益城町に図書館をつくろう会」代表 森下優子

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★ 4面(2)
寄贈 ありがとうございます
敬称略

・久保秀樹
・三上和利
・古河恵子
・山下徳夫
・有浦定幸
・古賀雅子
・金崎洋典
・金嶽 博
・古川光子
・山口真由美

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★4面(3)
図書館歌壇 俳句教室 講師:小嶋一郎

 打つ雨を払ふワイパーの向う見てアクセル踏めり「信号は青」
古川光子

 長梅雨を倦むわれの眼にさやかなりとき季の手品師苑の捻子花
大山真美

 幼子の伸ばす夢にもつなぐもの夕顔の蔓そよ戦ぐを見れば
山口勝利

 学年が進むにつれてだらけゐるラヂオ体操の現実ぞこれ
古賀直子

 うんか浮塵子の群れ襲ふしお塩辛から蜻蛉の威声がするはずなけど耳をそば立つ
山口よし子

 剪定のハサミの音が冴えわたり梅雨の曇りの鬱散じたり
山口良子

 集ふ者みな体調をかこちつつ次第に戻る「お下げ」時代に
菊池尚子

 目を病めばラヂオに頼る日の長しつひつひ本に手が伸びてゆく
山下啓子

 長かりし梅雨がけふ明く一斉に鳴く油蝉百ぴきはゐむ
古賀静子

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