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平成20年 秋号

 
(今月の記事)
◆ 子どもの読書推進と家庭力
◆ 図書館で職場体験~ぼくらの知らない図書館の仕事~
◆ 6万人のブックリレー
◆ 特別整理休館日のお知らせ
◆ 10月23日(木)と11月3日(月・祝)は開館します
◆ 寄贈ありがとうございます


★ 1面
子どもの読推進と家庭力

 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(第2次)が、平成20年3月に閣議決定された後、国会に報告されました。以前から子どもの読書離れが危惧され、平成13年には「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行され、翌年には子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的な取り組みについての「第1次基本計画」が公表されております。
 今回の「第2次基本計画」の中では、「第1次基本計画」の成果として、公共図書館での児童書の貸出冊数の増加と児童の帯出者数の増加、全校一斉の読書活動を行う学校の増加を挙げています。一方で、小・中・高と学校段階が進むにつれ読書離れが進むこと、取組について地域間の差が顕著であることなどが挙げられています。また、「第2次基本計画」では、あらたに“家庭における子どもの読書活動の推進”をあげ、保護者が子どもの読書活動の機会をつくり、読書を習慣化させる役割を果たしていくことが非常に大事であること、保護者に対して読書活動の重要性について理解を促すこと、を揚げています。
 さて、家庭の教育力の低下が叫ばれるようになってから随分たちますが、近頃、学校では「いじめ」が再び問題化しており、また20代、30代の大人による無差別殺人事件が連続して起きるなど、相手への思いやりがなく、自分中心の考えをそのまま行動に移す人が増えてきたように感じます。この心や精神の未成熟はどこから来るものなのでしょうか。家庭教育力の向上を目的として、「心の教育」の実践や「生きる力」を育む取組がおこなわれてきています。また、先の「子どもの読書活動の推進に関する法律」には、“子どもの読書活動は、感性を磨き、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの”と規定しています。
 教育学者の七田眞(しちだ まこと)氏は、その著書『子どもの脳は6歳までにゆっくり育てなさい』のなかで、幼児教育、早期教育の大切さについて述べられています。生まれてから親が子どもに豊かな愛情をもって、言葉をたくさんかけて育てることがいちばん大切であり、そうすることによって、環境から刺激を受けた脳は、容易にその構造を変えていき、大きく発達していくと書かれています。早い時期に、このような教育を受けた子どもは、人間として成長していくための基礎がここで創られ、そのことが、たくましさを持った子どもに育っていくとのこと。言葉かけが、年齢を経るに伴い、本の読み聞かせや自分で行う読書に繋がっていくことは言うまでもありません。
 伊万里市は、市の子どもの読書活動推進計画を策定し、平成16年度から5ヶ年を実施期間とし、関係機関等のご理解とご協力をいただきながらさまざまな取組を実施してきました。今年度はその最終年度であり、計画の見直し等子どもの読書活動を推進するための、更なる環境づくりを行っていきたいと考えています。


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★ 2面
図書館で職場体験~ぼくらの知らない図書館の仕事~

 この夏、市民図書館には19名の中・高・大学生の就業体験と図書館実習を受け入れました。酷暑の中、緊張した面持ちで、みんな書架整理や貸出・返却に頑張っていました。
 その中から、体験の感想を紹介します。

★佐賀県立盲学校 高等部普通科
  井上 倫久君  (H20・7・31~8・1))

 長年この市民図書館を利用しているが、今回の就業体験を通じて、僕の知らないことがたくさんあった。
 図書館の職員の方の仕事の楽しさや大変さなどを身近に体験することができた。また、2階にも初めて上がり、本の多さにとても驚いた。返却カウンターの体験もし、そのしごとの忙しさをおおいに感じた。とても充実した2日間だった。
 これからもこの市民図書館をどんどん利用し、いろいろな本を読んでいきたい。この2日間、ありがとうございました。これからも体に気を付けて仕事を頑張って下さい。
 僕も学校生活を頑張ります。

☆伊万里農林高校 生物生産科
  鈴木 勇生君  (H20・8・26~8・28)

 図書館で体験させてもらって、図書館で働いている人が、本の整理やカウンターをするだけではなく、掃除をしたり、重い本の運び出しなどの疲れるような仕事をしているということを知りました。
 他に、図書館はいたずらにもきちんと対応していて、借りる方に対して間違いがないようにする仕事も体験させていただきました。
 この図書館での体験で、私のイメージよりもカウンターや裏方の仕事が忙しく、それなのに利用者にそれを感じさせないというのがすごいと思いました。


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★ 3面
6万人のブックリレー   № 12,13/60000

 心に残る一冊や最近読んで是非他の人にも薦めたいと思う本を紹介していただく企画です。
 友人の輪によって、次々と伊万里市6万人のブックリレーが広がっていきます。

「落日の鷹」     滝口 康彦/著    講談社
 「落日の鷹」は、高校生のとき最大の衝撃を受けた本でした。
 竜造寺家から鍋島家の佐賀藩への世の移ろい。
 華やかな勝者になって創業をはじめるより、冷静・聡明な敗者として自他を制御し、静かに(流血・混乱を最小限に)自分の帰属集団の幕をおろす(理解されず、孤独に)ことのほうがずっと難しい。毀誉褒貶を超越、凛とした敗者、多久長門を思います。
 浅学で、この小説の背景になった厳密な史実は知りません。主人公の心情も含めて、異論反論もあるでしょう。
 私見(偏見)ですが「落日の鷹」は山本周五郎さんの「樅の木は残った」と同種の愛好・熱狂と敬遠・嫌悪を・・人によってそれぞれ呼びおこすものだと思います。
 私は前者です。
司馬遼太郎さんの「最後の将軍」に通じる敗者の美学が漂います。

                           (松島町  中村智子さん)


「幻夜」     東野 圭吾/著    集英社
 東野圭吾の作品はおもしろい。
 夢中で、先へ先へとページをめくってしまう。
東野さんは電気工学科を卒業されて、小説家になられているのにも興味を持った。
 理系の才能だからこそミステリーは書けるのだろうか?
 何重にもからんだ事柄が、いつのまにか最後にはパッと解けて手品のようだ。
テレビドラマ化された「白夜行」は重くて、つらい内容だったが、次回が待たれるほど引き込まれた。
 「幻夜」は「白夜行」の第2部だという。
大都会で、したたかに生き、夢をかなえていく女性を描いている。
予想外の結末は、「なんで!」と言いたくなる。
また、「幻夜」の続きを待っている。 
                         (松島町  杉元 まり子さん)



次は二里町の渡辺きよめさんです。

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★ 4面(1)
特別整理休館日のおしらせ
10月6日(月)から10月16日(木)まで特別整理のため休館いたします

蔵書点検(資料の状況把握作業)や書架の整理などを上記の期間に行います。これは行方不明の資料を捜索したり、より利用しやすい配架を構成するための作業です。そのために、この期間は資料の貸出・予約や貸出期間の延長、また資料に関するお問い合わせには対応できない場合がございますのでご了承ください。

◆図書や雑誌の返却は「本のポスト」をご利用ください。駐車場側と子ども玄関横
の2ヶ所に設置されています。なお、CDやビデオ・カセットなどの視聴覚資料
は破損するおそれがありますので、特別整理休館後に直接窓口へお持ちください。
◆自動車図書館「ぶっくん」は通常どおり巡回します。

市民のみなさんにはご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。


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★ 4面(2)
10/23(木)と11/3(月・祝)は開館します。

 10月は上記のように蔵書点検をおこないますので、第四木曜日の館内整理日である10月23日を特別に開館します。
 また、11月3日は月曜日となりますが、「文化の日特別開館」となります。古本市などを予定しております。
 みなさんおそろいでご来館ください。


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★ 4面(3)
寄贈 ありがとうございます
             (敬称略)
・鶴田雅典
・岩田健治
・岩橋 誠
・福島芳孝
・坂本 諭
・西山智久
・山口一生
・樋渡たみ子
・諸石昭寿


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