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平成28年 新春号 (第189号)

・公立図書館に望むもの
・社会の変化とこれからの図書館の姿とは?
・本の福袋 人気です
・さあ、みんなで図書館をはじめましょう
・図書館フレンズいまり主催 図書館めばえの日 ぜんざい会

・伊万里市開館開館20周年記念 図書館伊万里塾連続講座 第5回
 家読推進講演会
・図書館員おすすめの本
・利用状況(10月・11月分)
★ 1面
公立図書館に望むもの  
     伊万里市教育委員会 教育部長 前田和也


 1988年、メディア良化委員会が発足し、公序良俗を乱し人権を侵害する創作物はその特務機関であるメディア良化隊による取り締まりが行われ、これを妨害する者への武力制圧が始まった。この公権力の弾圧に対し、公共図書館は、その役割と本の自由を守るべく、「図書館の自由に関する宣言」を基本として図書館の自由法を制定し、やがて自ら武装した図書隊による防衛制度を確立していく・・
 これは、有川浩のSF小説『図書館戦争』の中の話です。ですが、この小説に出てくる「図書館の自由に関する宣言」は、日本図書館協会の綱領の柱として現実に存在します。
 この宣言文の主要部分に、『図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする』『図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る』というのがあります。とても思想的な宣言文ですが、ここには利用者の責任や義務といったものは何も示されていません。
 また、図書館法では、『公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない』と規定しています。この無料の原則は、公立図書館の運営経費は全て税で賄うことを謳っているわけで、つまり、公立図書館の利用者の利益や自由は、成人のそれですら、大多数の市民の負担の上に成り立っているわけです。
 この無料の原則は、子どもにとってはとても重要なものです。
 公立図書館の重要な役割として望むのは、子どもの読書活動を通した教育に力を注ぐことです。子どもの読書活動の推進に関する法律の基本理念には『子どもの読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである』とし、『すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない』としています。
 伊万里市では、子どもの育成のため、また読書環境づくりのために、9年前より家読(うちどく)を展開しており、現在各地で様々な活動が行われていますので、これからが楽しみです。


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★ 2面
図書館伊万里塾 第3回
 社会の変化とこれからの図書館の姿とは?

 12月20日(日)、著書の『つながる図書館』(筑摩書房)で変化する図書館の姿を紹介されたジャーナリストの猪谷千香さんをお迎えして、「次世代に生き残る図書館とは?」をテーマに、図書館伊万里塾第3回を開催しました。
 猪谷さんは、現在も各地の図書館で取材を続けられており、それぞれの地域の実情に沿った特色ある活動を紹介されました。現在、図書館や書店は厳しい社会状況の中に置かれています。
 そんな図書館で求められている役割の一つとして、家庭や、職場・学校以外の「サードプレイス(第3の場)」として市民がくつろぎ、また活動によって地域を活性化させる機能があることを挙げられました。
 日本でもツイッターやフェイスブックなどSNS(ソーシャルネットワークサービス)が普及し、情報発信の方法が変化し続けています。公立図書館においても使い方しだいで、効果的に多くの方へ発信できることを提案されました。
 最後に、これからの図書館は、「知の拠点」としての役割を果たし、孤立することなく外部と連携していくこと、また「地域の人たちと協働し、図書館の活動を広げていくことが期待される」と語られた言葉が印象的でした。変化し成長し続ける図書館。伊万里市民図書館が、この先向かう道とはどこなのでしょうか。これからも市民のみなさんと、共に考えていきたいと思います。




本の福袋 人気です

 初めて取り組み好評だった昨年度に引き続き、今年度も本の福袋を実施しました。本の福袋とは、図書館員がお薦めする本をテーマにそって数冊選び、何が入っているか見えないよう袋に入れて貸し出すものです。新年の読み始めに楽しんでもらうため今年度は12月18日からのスタートとなりました。毎日たくさんの方が足を止め、好みのテーマの福袋を吟味されていました。その結果、当初予定していた80セットに急遽追加をして、97セット(合計370冊)ものお薦め本が手に取られました。
 福袋を利用した方からは、「日頃読まない本を読むいい機会」、「こんな本もあるんだ」、「冬の夜長に最適だった」など嬉しい感想や、中には次に読みたいテーマのリクエストもありました。
 次回も本と一緒に、みなさんに“福”をお届けできるよう館員一同努めていきたいと思います。


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★ 3面
さあ、みんなで図書館をはじめましょう

 平成7年7月七夕の日、「子どもからお年寄りまで、暮らしに身近な図書館が市街地に欲しい」との待望の夢が叶い、私達の伊万里市民図書館が開館、スタートしました。あれから20年、「図書館フレンズいまり」(「図書館づくりをすすめる会」8年余の活動が母体)も図書館と共にお陰様で20年の歩みを重ねてまいりました。
 1歳の誕生会「図書館☆まつり」の日に、めでたく20歳になったら、成人式のお祝いを皆で楽しく盛大にやろうと申し合わせており、昨年4月より1年間かけて喜びを皆で分かち合うべく、図書館との市民協働により、20周年記念事業が計画・実施されたところです。
 4月『もしドラ』の岩崎夏海さん講演会。6月映画『じんじん』上映会。9月「絵本と介護」藤原佳典さん講演会。図書館案内しおりや20周年記念誌の作成(近日発行予定)。その他5回の「図書館伊万里塾」公開講座が実施され、多くの会員が参加しました。
 新しい時代を見据え、これからの図書館を学びながら、映画会では20周年記念文庫として絵本127冊を寄贈いたしました。すすめる会と初代、2代とフレンズ代表を務めた関係で、光栄にも実行委員長を仰せつかり、皆様のご支援とご協力により楽しくお祝いが出来ましたことを、心よりお礼申し上げます。
 毎年2月に恒例のぜんざい会は、平成6年2月、設計者に説明を受け、更地を市民200名で歩きながら、夢を膨らませた大切なめばえの日です。
 しかし開館までの歩みはいつでも順風ばかりでなく、人との出会い、多くの人の熱い想い、時運にも恵まれていました。改めて、30年前から井戸を掘ってくれた先人に感謝したいと思います。私達の図書館は、今では全国版で取り上げられ、視察も絶えません。「全国の図書館でみんなの期待の星」との嬉しい評価もいただいています。
 情報化の新しい時代、図書館は、どうしたら次世代へと生き残れるのか?
 開館時の理念「伊万里をつくり 市民とともに そだつ市民の図書館」「図書館は帆・市民は風」を大切に、これからも素敵な図書館を楽しみながら応援し、共に成長できればと願っています。 2016年新たなスタートです。さあ、みんなで図書館をはじめましょう!

(図書館フレンズいまり 20周年記念事業実行委員長  岡田政昭)



図書館フレンズいまり主催
図書館めばえの日 ぜんざい会

 平成6年2月26日、現在の図書館の起工式が行われました。この時、図書館の完成を心待ちにしていた大勢の市民と関係者が集い、手作りのぜんざいでお祝いをしたのが「図書館めばえの日」の始まりです。今年も図書館フレンズいまりから来館者へぜんざいがふるまわれます。
 当日は古本市やいすの木コンサートも開催されますので、皆さんぜひお出かけください。

日時:2月28日(日) 11:00から(先着300名分)
場所:市民図書館 ホール

※古本市は10:00~14:00に開催
※いすの木合唱団のコンサートは11:40頃から

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★ 4面(1)
伊万里市民図書館 開館20周年記念 
図書館伊万里塾連続講座 第5回 家読推進講演会


■講師:勝山浩司さん(東京芸術大学 理事・副学長・事務局長)
■演題:「子どもの読書活動の推進について」
■日時:平成28年2月7日(日) 午後1時30分~
■場所:伊万里市民図書館 ホール
 ※事前申し込みは必要ありません
■入場無料

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★ 4面(2)
図書館員おすすめの本

『テロリストの息子』  ザック・エブラヒム+ジャフ・ジャイル/著  朝日出版社

 イスラム過激派が起こした、昨年のフランスでのテロ事件には世界中に衝撃が走りました。被害者の家族たちの悲しみは計り知れません。
 しかし、テロリストたちにも家族があるのです。平凡だった自分の家族がテロを企てたとしたら。
 この本の著者の父親は、米国でテロを実行し服役。その刑務所の中から仲間と共に世界貿易センタービル爆破の計画に荷担しました。
 父親がテロリストということで幼い頃から疑われ、苦労や悩みを抱えてきた著者はどうやって、父親の呪縛から解放されていったのでしょうか。平和について考えさせられる1冊です。
(A.U)


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★ 4面(3)
利用状況(平成27年10月・11月)
伊万里市民図書館利用点数
(月別)
10月
(開館:20日)
11月
(開館:24日)
市民図書館(公民館含む) 22,287点 26,820点
自動車図書館(ぶっくん) 14,097点 11,823点
全館合計 36,384点 38,643点

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