> トップページ > 伊万里市民図書館について > 広報 としょかん通信 > 平成28年春号




平成28年 春号 (第190号)

・歌声が流れ・おはなしがこだまする図書館風景
・図書館伊万里塾第4回 20周年新たなスタート
・図書館伊万里塾第5回 子どもに大切な読書活動
・いまりっ子文庫に新しい絵本う
・「図書館めばえの日」 ぜんざい会
・読み語りのスキルアップ

・4月23日から5月12日 こども読書週間 ほか
・寄附 寄贈ありがとうございます
・利用状況(12月・1月分)
★ 1面
歌声が流れ・おはなしがこだまする図書館風景

 過ぎし日々を振り返りますと、三十年余り前に図書館が欲しいという一握りの市民の思いが、十年ほどの長い冬を経て芽吹き、今では二十歳の成木になりました。
 開館前の森田一雄館長の発案により、平成3年、「ぶっくん」が走り出し、私も平成4年にわずか3人の旧図書館に着任しました。何より本が好きという以外は、何の知識もない建設準備室長でしたので、一人で釈迦力になるよりは、みんなで図書館を学ぼうと思い立ちました。
 市民と行政が学びながら考える、伊万里学方式の図書館づくりの始まりです。その過程で、様々な人との出会いがありました。市の基本計画をお願いした菅原峻さんは、設計協議に加わっていただき、高齢化を見据え滞在型図書館を提案されました。設計者の寺田芳朗さんは、伊万里を引き受けたのは、市民運動があったからと断言。敷地内の竣工銘盤に協議に参加した市民の名前を残しています。一寸先は闇といいますが、何より辛かったのは開館前の市長選後に森田館長が退任された衝撃です。その逆風の中、なんとか司書を確保し、開館にこぎつけることが出来ました。逆に嬉しかったのは、引っ越しの時に200人の市民が手伝ってくれたことや日本図書館協会建築賞を受賞したことでしょうか。少女の横顔の描かれたこのトロフィーは、今はみなさんと語り合うことのできる館長室に飾っています。
 平成7年七夕開館。記念講演は、誰よりこの図書館を見せたかった井上ひさしさんを呼びました。あれから20年、開館当初の目標であった「成長する市民の図書館」は、どれだけ実現できたでしょうか。それを知るために昨年は原点に帰り5回の図書館伊万里塾を開きました。
 平成22年に私は全国公募で館長になりましたが、犬塚前館長の活躍を期待して、駐車場にその名と同じ「まゆみ」の木を植えたのは、いつだったでしょうか。開館時に植えられたアメリカ花水木は、秋に真紅の紅葉に変わります。北の庭では、古文書指導や新聞切抜きをしてくれた前山博先生の白梅が、枝一杯に実を付け、南の庭には、杉原豊樹先生のしだれ桜が、春の香りを届けてくれます。いすの木合唱団の歌声が流れ、キャラバンのおはなしがこだまする図書館風景。
 私にとって「本(人)と人の出会い・人の心が豊かになり・文化の花が咲く広場」です。図書館は誰のものか。それはその名に刻むことができました。
 これからまた、幾星霜が過ぎていくでしょう。「子や孫のため図書館が欲しい」という原点を忘れず、司書の熱意と市民の熱い心に期待します。どうぞ新たな風を送り続けてください。
「ボン・ヴォヤージ」そして「グッド・バイ」            

(館長 古瀬義孝)

▼もどる


★ 2面
図書館伊万里塾 第4回  20周年新たなスタート

 福岡県苅田町立図書館で貸出日本一を達成され、滋賀県能登川町立図書館(現東近江市立能登川図書館)の設立運営に携わり、近年では平戸市新図書館策定委員会委員長を務めるなど、図書館界で素晴らしい実績を残されている才津原哲弘さんを講師に迎え、1月23日(土)に図書館伊万里塾第4回を開催しました。
 図書館がタダの貸本屋ではなく、本物の図書館になるために何が重要であるか、また、図書館を設置し、運営をする中で望ましい基準はどのようなものかなど、才津原さん自身の経験やこれまでに集めた情報を基に、見えてきた図書館の在り方について話されました。
 また、図書館を利用する人に対しては、「読みたい資料を取り寄せてもらうよう依頼する、調べたい事があったらレファレンスに相談する等、図書館をどんどん利用してほしい。そうすることでその図書館の現状を認識することができます。自分たちにとってのあるべき図書館の姿を、市民としての『ものさし』を持って見出してほしい。」と提言されました。
 「各地にはいろいろな図書館があり、その中でもトップと言われる図書館がある。しかし、そのいま在る位置こそが、その図書館のスタートラインである。」と才津原さん。その言葉を受け、市民図書館は20周年を迎え、新たなスタートラインに立ち、市民が親しみやすく喜びや幸福感を得られるよう、市民に寄り添った図書館であるために、さらに歩を進めなければならないと実感しました。




図書館伊万里塾第5回 子どもに大切な読書活動

 2月7日(日)、オープニングとして、いすの木合唱団による家読テーマソング『こころつないで -read and talk-』の合唱が会場に響きわたり、とても和んだ雰囲気の中で講演会が始まりました。
 図書館伊万里塾の最終回は、東京学芸大学副学長の勝山浩司さんに埼玉県からお越しいただき、「子どもの読書活動の推進について」と題してご講演いただきました。勝山さんは、文部科学省教育財政室長の時に学校図書整備計画や教材整備計画策定に携わり、青少年課長の時には「子ども読書の日」の普及など読書活動の推進に力を尽くしてきた方です。
 子どもたちが自ら課題をみつけ、主体的に行動し、たくましく生きるためには、読書活動が必要なこと、そのために国が取り組んでいる施策について、ユーモアを交え、分かりやすくていねいにお話してくださいました。参加された方からは、「家読を頑張りたい。」「孫だけでなく近所の子にも昔話を読んであげようと思った。」「時間のある時にしか読み聞かせをしていなかったが、もっと読んであげようと思った。」「学校での読書活動の大切さがわかった。」とそれぞれの立場から、前向きな感想がありました。


▼もどる

★ 3面
いまりっ子文庫に新しい絵本

 2月25日(木)、今年も古伊万里ライオンズクラブから絵本の寄贈を受けました。
 このクラブは毎月1回、10名前後の会員が草刈機を持参して、図書館の駐車場や庭の草刈り作業に汗を流されています。また、北の庭や駐車場にツツジを植栽したりと、環境・美化にも一役買っています。
 3年前にクラブ創立10周年を記念して、本棚とセットで新しい絵本を寄附されて、それ以降毎年、約50冊の絵本を贈られています。今年は人気のある絵本だけでなく、昔話にも親しんでもらえるよう、『きんたろう』や『うらしまたろう』などの長く読み継がれている絵本も含まれています。図書館の中央に立っているイスノキの側に「いまりっ子文庫」の本棚がありますので、どんな絵本が並んでいるかぜひ見に来てください。




「図書館めばえの日」ぜんざい会

 恒例のぜんざい会が2月28日(日)11時より図書館ホールで開催されました。
当日は、フレンズ役員が各自であずきを炊いて、持ち寄り300食のぜんざいを準備します。会場となるホールでは、各テーブルに花が飾られ図書館専属である、いすの木合唱団による春のメドレーやおはなしキャラバンとのコラボで「うれしいひなまつり」など歌いました。
 このぜんざい会は、平成6年2月26日図書館建設過程での起工式の時「図書館づくりをすすめる会」がぜんざいを振る舞い、お祝いしたのが始まりです。今年は21回目となりました。まだ行ったことがないという方、ぜひ来年は、いらしてください。

(図書館フレンズいまり 斉藤)



読み語りのスキルアップ

 2月14日(日)に立花公民館でNHKアナウンサーである山田敦子さんを講師に迎え、読み語りボランティアの技術向上を目的とした講習会を行いました。会場には60名近くの参加者が集まり、関心の高さが伺えました。講義では、朗読と読み語りの違いや声の使い方など、実際に声を出して文章を読みながら解説されました。生で伝わってくるアナウンサーの声に聞き入るひと時もありました。

<参加者の感想>
■初心者にも分かりやすい講義だった。時間があれば、自分の読み語りを聞いてもらい、直接指導を受けてみたかった。参加して分かったが、市内でたくさんグループがあるので、お互いの交流をしながら技術の向上を図れる機会がほしいと感じた。

■朗読と読み語りが違うことを教えられました。普段の自分の声で絵本を読み、話を相手に届けるのが良いのだと分かりました。また、方言は良い文化と言われたので、おはなしの中に盛り込んでみようと思いました。
 メンバー同士で読んでいる姿を見て、学び合うことも必要だと感じました。とても勉強になった研修会でした。

▼もどる

★ 4面(1)
4月23日~5月12日 こどもの読書週間(2016年・第58回)
 「四角い本に まあるい心」


 「子どもたちにもっと本を、子どもたちにもっと本を読む場所を」との願いから、「こどもの読書週間」は1959年(昭和34年)に誕生しました。
 幼少のときから本に親しみ、読書の喜びや楽しみを知り、ものごとを正しく判断する力をつけておくことは、子どもたちにとってとても大切な事です。子どもに読書を勧めるだけでなく、大人にとっても子どもの読書の大切さを考えてみませんか。



家族で家読)をしませんか


 伊万里市は家庭ふれあい読書の「家読(うちどく)」に取り組んでいます。
 波多津町、松浦町、黒川町、大坪地区の4つの地区では、すでに家読フェスティバルを開催して、家庭・学校・地域での取り組みを始めています。
 本を読んで、家族で会話するきっかけを作り出す家読は、子どもだけでなく、大人も読書を楽しんだり、子どもと一緒の時間を共有することがポイントとなります。皆さんもぜひ家読にチャレンジしてみてください。

■家読川柳コンテスト 入賞作品
 「うちどくは わが家にとって 一つの輪」



4月30日は 図書館記念日

 昭和25年4月30日、画期的な文化立法である図書館法が公布され、それを契機として日本の図書館活動は新しく生まれ変わりました。
 サービスとしての公共図書館の機能が明らかにされ、無料の原則がうちたてられ、わが国は、真の意味での近代的な公共図書館の時代をむかえたのです。

▼もどる

★ 4面(2)
寄附・寄贈ありがとうございます(敬称略・順不同)

森永太一郎翁顕彰会
古伊万里ライオンズクラブ
松尾忠道(二里町)
福祉喫茶あおぞら
南里 和子(二里町)
牧瀬 重敏(大坪町)
川久保 恵美子(松浦町)

ほか市内、市外の皆様から、たくさんのご寄附、ご寄贈をいただきました。


▼もどる

★ 4面(3)
利用状況(平成27年12月・28年1月)
伊万里市民図書館利用点数
(月別)
12月
(開館:20日)
1月
(開館:24日)
市民図書館(公民館含む) 26,592点 26,281点
自動車図書館(ぶっくん) 12,812点 11,158点
全館合計 39,404点 37,439点

▼もどる








- copyright(c) Imari Public Library All Right Reseaved. -