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No.330 平成17年4月


『14歳からの仕事道』
『福祉車両ガイドブック2006年度版』
玄田 有史/著  理論社

 社会現象としてニートが問題になり始めています。この本は、『ニート-フリーターでもなく失業者でもなく』の著者でもある玄田有史氏の二作目です。どうすればみんながハッピーに仕事をすることができるかを考える「労働経済学」を専門とする著者。仕事について、不安と希望に揺れ続ける若い人たちへ、やさしく語りかけています。

(K.K)
フォーバイフォーバガジン社

 バリアフリーやユニバーサルデザインの製品が多くなってきていますが、車も例外ではありません。一般に福祉車両と呼ばれていますが、各メーカーが様々な種類の車を販売しています。この本には最新の技術を盛り込んだ新車の特徴や、現在発売されている福祉車両のカタログが掲載されています。最近では体の不自由な方だけでなく、妊婦や高齢の方を対象としたものまで開発されていますので、福祉車両を選ぶ際には、参考にしたい本です。
(K.S)
『メディアとしての紙芝居』 『歴史のかたち-モノ語り日本史』
鈴木 常勝/著  久山社

 子どもから大人まで楽しめる紙芝居。起こりは1930(昭和5)年、「魔法の御殿」という作品が最初とされる。当時は不況の波の中、紙芝居によって人々は一時の至福を味わっていた。しかし、一方では紙芝居批判の声が高まり、警察の取り締まりや検閲、さらに日中戦争の影響で思想教育の一端を担うことになる。
 娯楽性、教育教材、国策宣伝など様々な意味をもった紙芝居の歴史を、現在でも各地で紙芝居を実演している紙芝居屋鈴木常勝が描いている。

(Y.O)
読売新聞大阪本社/編 淡交社

 瀬戸内海に浮かぶ小豆島。壺井榮の『二十四の瞳』の舞台ともなった島だ。ここに2,850個に及ぶ巨石が今も残っている。大阪城の石垣になれなかった「残念石」たちだ。「信長のマント」「西行の桜」「二十六聖人の骨」「巴御前の長刀」。時代を超えてきたモノ達を通して、秘められた物語に思いを馳せてみる。そこに時代の息吹や、これらのモノをとりまく人々の喜び、哀しみが見えてくるかもしれない。司馬遼太郎著『城塞』、津本陽著『下天は夢か』など、各時代をモデルとした文学作品も紹介されている。

(M.H)
『アスリート・コーチングBOOK
日本一の指導者に聞いたコーチング術』
『今生のいまが倖せ……
母・鈴木真砂女』
高畑 好秀/監修 岡田 武史/ほか  池田書店

 トップアスリートのコーチ達は、いったいどんなコーチング術を使っているのか、現在活躍中のコーチ陣が応えてくれます。
 例えば古賀稔彦コーチ。佐賀県出身で柔道金メダルを獲得、さらにコーチとしても見事金メダルを獲得したそのコーチングとは?悩みを考えさせるためには、まず「どうしたの」と聞くことが第一歩。また成長した分、その成長振りを教えてあげることで、次につながるなど、そのコーチング術は、子育てにも共通して言えることばかりです。参考にしたいコーチ陣が勢ぞろいですので、スポーツ界だけでなく幅広く活用したい本です。

(S.S)
本山 可久子/著 講談社

 2003年に亡くなった俳人・鈴木真砂女。この本は、真砂女のひとり娘である女優・本山可久子が、その俳句に込められた芸術性と人間性について、自らが選んだ句とともに語っている。
 老舗旅館の三女に生まれ、二度の結婚と離婚、そして道ならぬ恋に身を焦がした真砂女。後には銀座で小料理屋「卯波」の女将となり、波瀾万丈の人生を歩んだ奔放な女性であった。だが、幼い頃から母子の縁が薄かったという著者の目に映る真砂女は、途方もないほど素直で可愛らしい、一人の女性であった。
 自分を残していった母への複雑な思い、そして計り知れないほど深い愛情を感じる一冊です。

(Y.K)








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