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No.331 平成17年4月


『現実入門
ほんとにみんなこんなことを?』
『旭山動物園物語』
穂村 弘/著  光文社

 歌人・エッセイストである著者は、42歳の自称「人生経験値の低い男」。立派な会社員でありながら、海外旅行も、一人暮らしも、結婚もしたことがなく、むしろそういった「現実」に、真っ正面から対峙することを、ことごとく避け続けてきた。
 この本は、そんな著者が、美人編集者サクマさんとともに、さまざまな現実に挑む体験エッセイです。初めての献血、合コン、そして部屋探し、ブライダル・フェスタ、プロポーズまで?!まるで燃えさかるストーブのように、触れることさえ恐ろしかった現実世界に立ち向かい、著者の人生経験値はどのように上がるのでしょうか。

 (Y.K)
古舘 謙二/文  樹立社

 日本最北の動物園。北海道の旭山動物園が今熱い!!人口36万人の旭川市にあって、何と2004年の7月・8月の入園者数が東京の上野動物園を抜いて日本一になったのです。
 冬の寒い日にはダイヤモンドダストが舞う極寒の地だからこそできる、キングペンギンたちの散歩、ホッキョクグマとにらめっこができる水槽など、動物たちの気持ちになった、入園客の目線に立った「見える仕掛け」が人気を呼んでいます。レジャーの多様化で落ち込んだ入園者数を19人の職員たちの自由な発想と努力で、盛り上げていった記録が、たくさんの写真と共に綴られています。
 (K.K)
『ビトウィン』 『空耳アワワ』
川上 建一/著  集英社

 くる日もくる日もつり、つり、つりのつり三昧。そしてたまには日曜大工。仕事は全く後回しの人生。超がつくほどの貧乏生活だけれど、なんと心豊かな毎日なのだろうかー。愛する家族に囲まれて、気の合う仲間達に恵まれ、そして、大自然の恩恵を受けて生活する。そこには、目には見えないけれど大切であたたかな空気が確かに存在しているのです。坪田穣二文学賞受賞作家のスローライフエッセイです。

 (Y.M)
阿川 佐和子/著  中央公論新社

 怒っては反省する、そして同じような事にまた憤慨し、反省する。反省を忘れ、新たな気持ちで憤慨し、反省する。これが私の生き方と、思い知ったという佐和子さん。
 失敗したこと、泣いたこと、後悔したこと、哀しいこと。マイナスとみなした過去の出来事は、時が経てばいつか必ずプラスになる。そう信じているという佐和子さんが語る、痛快エッセイです。

 (T.M)
『バーコード革命』 『ガンに生かされて』
デザインバーコード社/編
アーティストハウス


 今や商品の流通、販売に欠かせないバーコード。でも片隅にあって、縦線と数字だけの無機質で地味な存在。そんなイメージを大きく変える、楽しいバーコードが生まれました。最低限必要な読み取り部分は、本当はほんのわずか。そこで残りの部分を、遊び心のあるデザインにする。すると不思議なことに堂々と商品をアピールする、パワフルな存在に変身。
 最近バーコードは、もっと多量の情報が盛り込める、2次元コードやRFIDなどに変わりつつあります。でも、柔軟な発想で新しい付加価値をつける、そんな考え方、参考にしたいですね。

 (M.H)
飯島 夏樹/著  新潮社


 2002年5月、肝細胞ガンと診断、翌年肝移植。二度の大手術と治療にもかかわらず悪化。二年後、余命宣告を受けた著者は「生かされている」ことを体感し、執筆活動に生きがいを見いだします。
 著者飯島夏樹さんは、日本人で唯一、8年間ワールドカップに出場したプロウィンドサーファーでした。最後の場所として、慣れ親しんだハワイに家族と共に移住します。38歳という若さで走り抜けた著者が、200日余り、綴り続けた言葉をまとめた一冊です。

 (T.M)








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