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No.332 平成17年5月


『映画道楽』
『ザ・ピルグリム』
鈴木 敏夫/著 ぴあ

 著者は「ハウルの動く城」や「千と千尋の神隠し」などで知られるスタジオジブリのプロデュ-サ-です。本書は「映画体験記」から「映画製作編」「映画宣伝編」「映画企画編」の4部構成で、映画つくりのノウハウや一連の宮崎アニメの製作秘話などを興味深く綴っています。
 「魔女の宅急便」の宣伝ポスタ-では、魔女がホウキに乗って飛んでいる絵柄を避け、敢えて主人公である13歳の魔女がパン屋で一人座っているビジュアルイメ-ジを彼は選びました。「この映画は普通の一人の娘の話です」と伝えるためです。 映画に興味がある方には、お薦めの一冊です。

 (F.T)
島村 洋子/著 中央公論新社

 お遍路ツア-に参加した真人は、突然キリンを見つけてしまった。あれは確かにキリンだった。それを確かめようと、夢中で走った先には、やはりキリンがいた。どうやら傍らにいる女の人が動物園から連れ出したらしく、今テレビで話題になっているらしい。直人はツア-から抜け出し、キリンに付き添うことにしたのだが・・・。
 直人、女の人、キリン。直人をツア-に出している間に離婚を進めようとする母。トラックで荷物を運ぶ途中にキリンを見つけ、テレパシ-を感じてしまった清志。逃げる者、追う者、キリンに導かれた者たちが、自分の旅を続けていく。それぞれが向かう、その旅の行方とは?

 (S.S)
『Jポップとは何か』 『優しい音楽』
鳥賀陽 弘道/著 岩波書店

 日本の音楽市場は、1988年より日本のポップスがJ-POPと言われはじめてから伸び始め、1990年代に入るとミリオンセラ-が続き、市場は急成長をとげました。そして、現代ありとあらゆる場所やいろいろな方法を使い日常的に「音楽を聞く」という行為を楽しんでいる私達日本人。世界第2の音楽消費国であり、巨大市場となったJ-POPの成り立ちから現在まで、その成長の過程を追った一冊です。

 (A.I)
瀬尾 まいこ/著 双葉社

 『卵の緒』や『図書館の神様』などで注目を浴びている著者が描く、3つの短編集です。表題作の「優しい音楽」は、サラリーマンのタケルと、彼に駅で突然声をかけてきた女の子千波、二人の物語。交際を始めたのに、なかなか家族に紹介してくれない千波に、タケルは不思議な思いを抱くのですが…。
 心の中にすうっと風が通っていくような、そんなやさしい読後感の素敵な1冊です。

 (Y.K)
『フィトンチッドってなに?』 『ムラセ係長、雨水で世直し!』
谷田貝 光克/著
第一プランニングセンタ-


 森林浴の清々しさは、誰もが経験したことがあるでしょう。なぜ、森に行けば空気が澄んでいるのか?植物の知られざる働きのおかげなのです。しょうぶをお風呂に入れたり、除虫菊から蚊取り線香を作ったり、昔からたくさんの知恵がありました。アロマテラピ-による、ストレス解消・健康増進。自然の恵みである空気中の二酸化炭素と光エネルギ-から作られる植物が地球の環境を害せずに行うカ-ボンニュ-トラル(炭素循環)が注目されています。
 科学の進歩とともに今までは知られていなかった植物の魅力ある働きが次々に見つけ出されています。

 (K.K)
秋山 眞芸実/著 岩波書店

 ドクトル雨水こと村瀬誠は、東京都墨田区環境保全課の係長。彼は、1976年、墨田区の環境衛生監視員となった。以来、水の問題を通して、役所や地域の垣根を飛び越え町づくりに関わっている。また彼の薦める「雨水利用技術」は国技館を始め、今では全国的に採用されている。
 しかし、彼の活躍の背景には、役所の仲間を始め、地域の人々、技術者、記者など多くの協力者の存在がある。彼らが最終的に目指すのは水循環の再生、循環型社会の形成であり、雨水利用はその一環。そのためにムラセ係長は今日も西や東へ飛び回り続けている。

 (M.H)








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