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No.333 平成17年5月


『保育園民営化を考える』
『専門馬鹿と馬鹿専門 つむじ先生の教育論』
汐見稔幸、近藤幹生、普光院亜紀/著  岩波書店

 世の中には警察署や役所や学校など、利用する人が負担する対価だけでは経営できないけれど、社会的には必要な施設があります。2003年9月に地方自治法が改正され、このような「公の施設」の経営に、民間会社やNPO法人も参加できるようになりました。
 今急速に進めらる、保育園の民営化について「委託」「移管」「公営」のメリット・デメリットを比較しながら、保育の主役である子どもが「良い環境の中で育てられる」ために、何が大切か、また地域、自治体、保育所三者が連携し、自分たちの地域づくりを進めてほしいと述べられています。

 (M.H)
なだいなだ/著 筑摩書房

 75歳精神科医のなだいなださん。
 自分のことをつむじ曲がりのつむじ先生と呼び、世の中をちょっと違った角度から眺めています。
 「かつて社会には賢者もいれば愚者もいた。けれど今は、利口と呼ばれる専門馬鹿と、馬鹿と呼ばれる馬鹿専門しかいなくなった。専門馬鹿はその専門から外れると全く生活能力がない。専門馬鹿を大量に作り出したのは、センター試験の制度で文科省の責任だ。」とユニークな教育論を展開しています。
 馬鹿のすすめ、つむじ曲がりのすすめ、目からうろこの一冊です。

 (K.K)
『子どもはぜんぜん、悪くない』 『アレ何?大事典』
佐藤弘道/著 講談社

 NHK『おかあさんといっしょ』で、12年間も体操のお兄さんとして、絶大な人気を得ていた弘道おにいさん。
 卒業してから語る、子どもとは、大人とは、そして家族のあり方とは・・・。
 子どもを巡る社会や環境は変化してしまい、《現代の子ども批判》をする大人たち。番組を通して15万人もの子どもと向き合ってきた著者が、だからこそもっと大人ががんばらなきゃと、エールを送っています。

 (Y.M)
佐々木正孝/著 篠崎晃一/監修
小学館


 わたしたちの身の回りには、日常の中でいつも使っていながら、名前を知らないものがあふれています。例えばソックスを止めてある小さな金属クリップ、あるいはカレーを入れる舟型の器など、いったいアレって何ていうの?ちなみに答えは「ソクパス」と「グレイビーボート」です。
 知らなくても困らないけれど、知っているとちょっと得した気分になれる、日常の「アレ何?」を解決します。

 (Y.K)
『いつも旅のなか』 『養生のお手本』
角田光代/著
アクセス・パブリッシング


 『対岸の彼女』で直木賞を受賞した著者の旅のエッセイです。
 これまで30ヶ国以上を旅してきましたが、大抵は計画を立てずに一人でデイパックを背負って出かけるそうです。だからと言って旅慣れているという訳ではなく、毎回「大丈夫なんだろうか…」と不安に押しつぶされそうになり、行く前から心も体もへとへとになってしまうそうです。
 それでも、どうしても行きたい、どうしても見たいという思いを諦めきれずに、自分を励ましながら飛行機に乗ります。そんな思いで訪れたあちこちでのエピソードをこの本で楽しんでください。

 (N.K)
出久根達郎/著 清流出版

 誰しも年を重ねるごとに自分の体を気遣い、健康を意識していく。いつしか自分の健康法にこだわりを持ち、それを実践していくのは、ある種その人の生き方を表わしているとも言えよう。
 この本には、著者がいろいろな本を読むうちに知った作家や芸術家、また歴史に名を残す人々の「養生法」が72例挙げられている。かの大隈重信は『長寿は努力してかちとるもの』と説いており、精神的健康法として五ケ条を課していたらしい。
 押し付けがましい養生訓も著者のユーモアある文章によって、親しみあふれる一冊となっている。

 (Y.O)








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