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No.335 平成17年6月


『美人の日本語』 『台所目録』
山下景子/著    幻冬舎

 美人といっても、もちろん容姿のことではありません。美しい言葉を用いる、美しい心を持つ人のことです。
 一日一語、口にするだけで綺麗になれる365の言葉。愛逢月・待宵・月鈴子・・・。思わず誰かに教えたくなる、素敵な日本語がたくさん詰まっています。
 本を手に取ったら、まず、好きなページを開いてください。そこにある言葉は、すでに知っているものかもしれません。しかし、きっとあなたの心を少しだけ豊かにし、少しだけ美しくしてくれることと思います。

 (T.I)
根本きこ 地球丸

 鎌倉でカフェを営み、またフードコーディネーターとして活躍中の著者が、長年愛用してきた台所器具の数々を紹介。道具たちとの出会いや、毎日の中でどんなに頼もしく活躍するのかを、道具たちへの素朴な愛情を込め語ります。
 包容力に満ちたアルマイトのやかん、使い込まれて飴色になり、ひとまわり小さくなってしまった竹べら、アジアを旅して出会った包丁、食卓を彩る様々な食器など。毎日の暮らしにしっかりと根付き、使い込まれていく道具たちは、だからこそ、その味わいを増し、ますます道具としての美しさを見せるのです。

 (Y.K)
『くうねるところすむところ』 『団塊が電車を降りる日』
平 安寿子著  文藝春秋

 30にして、人生どん詰まりの主人公・梨央。恋愛も仕事も中途半端で、なにもかもがイヤ。そんなとき、一目惚れしてしまったとび職をおいかけて、建設業界に飛び込んだ!その工務店では、亭主に逃げられた女社長がぶち切れ寸前。リストラに、客からのクレームと大騒ぎ。
 必死にならないとなにも得られない。明日を生きる手がかりを、悪戦苦闘しながら、必死でさぐる主人公たちにエールを送りたくなる、一冊です。

 (Y.M)
辻中 俊樹編著 東急エージェンシー

 著者の辻中さんも昭和28年生まれの団塊の世代です。戦後すぐに起こったベビーブームの世代は、今から定年退職の時期を向かえていきます。
 子育ての時代に思い描いていた定年後の生活と、現実のギャップにとまどう男性達。著者は問題なのは、メディアでよく取り上げられる健康と年金の2つではなく、心のあり方なのだと結論を出しています。これから定年を迎える人たちに必読の一冊です。

 (K.K)
『母への詫び状―新田次郎、藤原ていの娘に生まれてー』 『翼は翼なんだから』
藤原咲子/著  山と渓谷社

 母のベストセラー作品『流れる星は生きている』のサキコちゃん。このモデルが自分である事が、長い間作者の呪縛となっていた。母は折に触れ『苦労して咲子を連れて帰ってきたのだよ』と、涙声で訴える。だが私は作品の中に、「咲子を犠牲にして、二人の兄達を生かす」という、母の心の迷いを見つけてしまう。成人してもこの疑念は消えず、母への不信は残った。そして引き揚げの時に見た北極星の記憶が、たびたび私を不安に陥れた。しかし昨年、実家で私達兄妹のために残された初版本、そこに記された母の自筆を見た時、私が長い間母に対して抱いていたわだかまりが溶けていく。作者の揺れ動く魂の記録。

 (M.H)
杉森 津久美/著  日本テレビ

 昨年10月にTVで放映され、大変評判となったドラマ「たったひとつのたからもの」。原作は、ダウン症という障害を持って生まれ我が子との6年間を綴ったお話でした。
 このドラマで、主人公の秋雪くんとして登場した翼くんも、ダウン症という障害を持ってっている男の子でした。
 一人の子役として、りっぱに秋雪くんを演じきった翼くん。その撮影での奮闘ぶりや普段の生活の様子が描かれています。いつも元気いっぱい。がんばりやの翼くんと家族の毎日を、のぞいてみませんか?

 (A.I)








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