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No.340 平成17年9月


『ジーニアス・ファクトリー』 『どうぶつ友情辞典』
デイヴィッド・プロッツ/著
酒井泰介/訳 早川書房


  すぐれた才能を持つ親からは、すぐれた才能を持つ子供が生まれる。人類繁栄のためには才能あふれる血だけを残さないといけない…。そんな優生学といわれる考えを実証しようとした一つの精子バンクがアメリカに存在していました。
 「天才の遺伝子を後世に」という名のもとに誕生した精子バンクから生まれた子供達は本当に天才だったのでしょうか?子供や親達はどのような人生を歩んできているのでしょうか?一つの精子バンクの誕生から終焉、その後を追うことで、現在の生殖医療についても考えさせられる…興味深い一冊です。

 (A.I)
あべ弘士/著 クレヨンハウス

 北海道の旭山動物園は、昨年7,8月の月間入園者数が全国一となり、独自の展示方法で話題を集めています。
 この本は、その動物園で飼育係として働いていた絵本作家が書いたものです。
 いろいろな動物ごとに、関連することわざや動物園での出来事、また、動物の以外な一面など、多くの動物に触れてきたからこそ書けることがたくさん詰まった一冊です。
 著者の描く存在感のある'生きた'動物たちの世界をご一読ください。

 (R.K)
『私の座標軸―憲法のいま②―』 『雁と雁の子―父・水上勉との日々―』
小森陽一/編・著 かもがわ出版

 この本を読んで私は目から鱗が落ちたような気がした。憲法は『私たち国民が守らなければならない最高法規』だと考えていた。けれども憲法(=国民が国家に命令すること)、法律(=国家が国民に命令すること)であり、常に憲法が法律に優越すると述べられている。憲法には国民主権、人権尊重、永久平和という三つの原理がある。しかし私たち一人一人が国家の在り方について考え、見守り、時には行動を起こさなければ、この原理は守れないのだと感じた。

 (M.H)
窪島誠一郎/著 平凡社

  父・水上勉、子・窪島誠一郎。戦時中に生き別れ他家で育てられ、戦後三十余年経って親子としてめぐりあいました。
 僥倖と呼べるかはわからないが、父の葬儀後、ようやく自分を捨てた人への愛憎が消え父子が一つになれたと知った時、自分の戦後の終りをむかえたという著者。自分が一人前の人間にそだつまで長生きしてもらいたかったと語る子から父への思いがつまった一冊です。

 (T.M)
『天命』 『千日紅の恋人』
五木 寛之/著 東京書籍

 これまで「生きること」をテーマにして数冊の本を書いている著者が、本書では「死」について正面から考えています。
 幸福な一生とは、一体どういうものだろうか。幸せな死に方のできる人生。日常つねに「死」と慣れ親しんで、「ナームアミータ(天命に帰依します)」と天に感謝しつつ旅立つ。こんな安らかな最後を迎えることができるなら、それが幸福な一生と言えるのではないかと五木さんは語っています。
 死に向かって毎日を漫然と生きている私にとっては、背筋をシャンと伸ばしてくれるような言葉が満載の一冊でした。

 (K.K)
帚木蓬生/著 新潮社

 父が遺した古いアパート「扇荘」を管理する時子。老人介護のパートをしながら家賃の集金や、住人のトラブル処理にと気丈に対応する毎日だったのだが・・・。
 そんな時子の前に現れた201号室の新住人。誠実で優しくて、いつしか家賃の集金にいくのが、楽しみになってきた。
 忘れていたときめきや、切なく揺れる想いを描いた大人のための純粋なラブ・ストーリー。千日紅の花言葉は「不滅の愛」です。

 (Y.M)








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