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No.342 平成17年10月


『隠居学』 『大江戸の姫さま
 ~ペットからお輿入れまで~』
加藤 秀俊/著  講談社

 長年社会学者として第一線で活躍してきた著者が、はれて全ての公務から解放されて、あこがれの「隠居」生活を心ゆくまで楽しんでいる様が、この本からは伺える。
 よく言えば好奇心、悪く言えば野次馬根性旺盛な著者のこと。ケータイ電話の話に始まり、狸や狐の話へ、果ては猿回しや猿芝居から、サルも人もたいしてかわらないと結ぶ。豊富な読書の知識も相まって、次から次へと新しい世界へ誘われる。
 長屋のご隠居話じゃないけれど、薀蓄に耳を傾けてみるのもおもしろい。

 (M.H)
関口 すみ子/著  角川書店

 大江戸の姫さま方には、一体どんな人がいて、どんな仕事をしていたのでしょうか。また、格式や礼儀を重んじる武家社会の中で、どんな生活をしていたのでしょうか。
 江戸時代には数万人(!)もいたはずの姫さま方。お輿入れや、住まい、趣味のことなど、あまり知られていない姫さまの人生を、図版や参考文献とともに紹介します。
 近代日本の成立の陰には、姫さまがいたというのは過言ではありません。謎に包まれた姫さまの実像に迫ります!

 (Y.M)
『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』 『スローサイクリング
 -自転車散歩と小さな旅のすすめ』
川上 弘美/著  平凡社

 机に向かい長く仕事を続けていると、時々とてつもなく"めかぶ"を調理したくなるらしい。いちどそうなると、頭の中はめかぶのことでいっぱい。熱湯をかけると色がかわり、ぬるぬるがいっぱい出てくる、そんなめかぶのことを思いながら、原稿に向かうのです。
 川上さんのおおむね楽しくちょっぴりさみしい、5分の4はほんとうのことが書かれた日記エッセイ。ちょっと視線をズラしてみるだけで、実は日常ってこんなにおもしろいのだと思わせてくれるようです。

(Y.K)
白鳥 和也/著 平凡社

 時間に追われ、せかせかと過ごしている毎日。休日などにちょっとそこまでの小さな旅はいかがでしょうか。たくさんの寄道をしながら、ゆっくり、ゆったり。
 田園の光、水辺の風、森の香り、鳥の歌。いつも見慣れている場所さえも、違って見えてくるのではないでしょうか。いつでもどこからでも誰にでも、気軽に始められる「スローサイクリング」。
 時には折りたたみ自転車を車に載せて、自分だけの贅沢な時間を作り出してみませんか?

(K.K)
『桂よ。わが愛その死』 『いまどきの「常識」』
三宅 一郎/著  海竜社

 『天国にいちばん近い島』でベストセラー作家となった森村桂さんが、2004年9月24日、天国に旅立たれました。その死因についてはマスコミの間でもさまざまな憶測を呼びました。
 この本は、夫であり、森村桂の作品中にM・一郎として登場する著者が、妻・森村桂のことを初めて語ったものです。
 1枚の写真から始まった運命的な出会い、仕事を辞めて妻を支え続けた結婚生活や森村さん自身の母との不可解な関係など、これまで知ることのなかった彼女の生活の様子や苦悩が綴られています。そして、「天国の桂への手紙」では、「私の宝物」だったと書かれており、最愛の妻への想いが感じられる1冊です。

 (R.K)
香山 リカ/著  岩波書店

 「白・黒」、「右・左」とはっきり裁定を下すことのできない現実が、目の前に山積しています。そんな混沌とした状況の中で、誰が決めたのか、誰が言い出したのかわからないうちに定まりつつあるいまどきの「常識」があります。
 国家や政治、社会、メディアといったグローバルなレベルから、男女や家族、人間関係、仕事といった個人レベルの中で語られる、いまどきの「「常識」を30項目取り上げ、それが当たり前のように受け入れられている日本社会を考察しています。
 今一度、私たちの周りにある「常識」の本質や状態に目を向ける必要があります。

 (Y.O)








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