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No.344 平成17年11月


『三番手の男 山内一豊とその妻』 『ニート』
童門 冬二/著 NHK

 土佐一国24万石の大名となった山内一豊。信長、秀吉、家康と三人の権力者に巧みに仕え、戦国の生存競争の中で生き抜いた彼は、よく中堅サラリーマンに見立てらます。「そんな思いをしてまで出世したくない」「おれは後方から行く三番手だ」という一豊を、妻の千代はどのように励まし、支え続けたのでしょうか。
 本書は、内助の功あっての一豊の生き方に企業社会を投影して描かれた歴史小説です。2006年大河ドラマの主人公の実像に迫ります。

 (R.K)
絲山 秋子/著  角川書店

 私がキミのことを思い出したのは、虫歯が疼きだしたからからもしれない。最後に彼と会った2年前も、確か虫歯に悩まされていたのだ。
 キミはいわゆるニートで、健康だけど働いていないし、働く気もない。ただ来る日も来る日も引きこもり、借金取りにおびえながら困窮した生活を続けている…。
 注目の気鋭作家が描く現代の生のかたち。切ないほどリアルな人生から切り取られた、ほろ苦い5つの短編集です。

 (Y.K)
『泰造 見てますか?』 『虹色にランドスケープ』
一ノ瀬 信子/著  窓社

  アンコールワットで戦場の写真を撮り続け、行方不明になったフリーカメラマン・一ノ瀬泰造。そして9年間、ただひたすら息子の無事を信じ続けた両親。
 今年で33回忌を迎えた今もなお、息子の写真と言葉を伝える、母親の新たな手記が入った『わが子 泰造よ!』の新版です。
 泰造の撮影した膨大なフィルムを、遺してくれた「明るく若い芽」だと懸命に焼き付ける日々に、息子への深い愛情を感じます。

 (Y.M)
熊谷 達也/著  文芸春秋

 エンジンをかけると、つい頬が弛み「ヤッホー!」と叫んでしまうくらいバイク好きの著者が、バイクにからめた7つの物語を描き出した短編集です。
 どんなに愛していても、愛しているからこそ別れなければならない夫と妻。互いに心に秘めた恋心を伝えられないままに旅に出る男と女など、不器用な生き方しかできない7組のせつなさが、一つ一つの物語を読み進むにつれ、じんわりと伝わってきます。

 (K.K)
『紅無威おとめ組み -かるわざ小蝶-』 『日本天才列伝 -科学立国ニッポンの立役者-』
米村 圭伍/著  幻冬舎

  舞台は江戸、老中が田沼意次から松平定信に替わり、江戸の街が変わろうとしていた時代。老中松平を敵とねらう軽業師胡蝶と、源内に負けじ劣らぬ発明家萩乃。そして、謎の武家の娘桔梗。境遇がまったく違うこの3人。何の因果か一人の男のある目的のために、行動を共にすることに…。
 3人は無事に目的を果たすことができるでしょうか。

 (A.I)
学習研究社

 世界で初めてアドレナリンの結晶化に成功した高峰譲吉。乾電池を発明した屋井先蔵。ライト兄弟より12年前に、動力飛行に成功した二宮忠八。日本には多くの天才がいた。
 ノーベル賞を受賞した科学者も、市井の発明家も、つきることのない探求心と惜しみない努力で、それぞれの道を極めた。
 科学の分野で、世界に先駆けた天才達の評伝です 。

 (M.H)








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