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No.350 平成18年2月


『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』 『ひなた』
金原 瑞人/著  牧野出版

 金原氏は翻訳をはじめて20年、訳書はすでに222冊を超える。また法政大学で担当する「創作ゼミ」からは、3人の作家を輩出している。
 翻訳家は「立場なき人々」、際立った存在でもなく、裏方であって、苦労のわりに収入も少ない。また「翻訳者は裏切者」と言うくらい、誤訳がつきものでむずかしい。
 では、大学3年生まで英語が苦手だった著者が、何故どっぷり翻訳の仕事にはまったのか。その悦びと悩ましさが描かれている。

 (M.H)
吉田 修一/著  光文社

 両親と同居をはじめた一組の夫婦・浩一と桂子。銀行員の浩一は、社会人劇団の練習に励み、雑誌の副編集長をしている桂子は、仕事に追われながら忙しい日々を過ごす。浩一の友人で、離婚寸前の男・田辺。さらに弟・尚純と、その恋人・レイ。くるくるとまわるそれぞれの世界が、軽やかに描かれた物語です。
 誰もが、普段は別々の空間で生きているように見えるのですが、知らず知らずのうちに互いが影響し合い、そうしてひとつの物語をつくっているのです。

 (Y.K)
『大人のためのロボット学』 『世にも美しい日本語入門』
PHP研究所/編  PHP研究所

 鉄腕アトムやドラえもん、ガンダム・・・マンガの世界に生きていたロボットたちがAIBOやASIMOの出現で実際に動き始めました。それら人間型ロボットだけではなく、クルマ型、ヘビ型など形は違ってもその技術は、未来の宇宙開発を担うなど次世代の基幹産業になると、期待されています。
 本書では、大学や企業でロボット技術に懸ける9人の研究者を取り上げていますが、そこからは世界をリードする研究への情熱が伝わってきます。

 (K.K)
安野光雅・藤原正彦/著 筑摩書房

 『世にも美しい数学入門』に続く第二弾は、日本語・日本文学に造詣の深い画家の安野氏と数学者の藤原氏が日本語について熱く語っています。
 古典や唱歌・童謡から日本語のもつ美しさ・豊かさを見直し、様々な角度から日本語を分析しています。さらに、若者の言語能力の低下を嘆き、若い頃から名文に親しむことの大切さを説いています。
 かつては師弟の関係にあったという2人の、美しい日本語を復活させるための提言です。

 (R.K)
『エンド・ゲーム』 『超バカの壁』
恩田 陸/著  集英社

 母親が倒れたと言う知らせを受け、娘の時子は急いで母のもとへ向かった。検査の結果、母は何の異常も見られず、ただ眠っているという状態だった。時子の脳裏に浮かんだのは「母は裏返された。一体、誰に。」という思い。
 裏返したり、裏返されたり、オセロゲームのように正体不明の『あれ』と戦い続けてきた母娘。父の失踪、母の異変、我身に振りかかる奇怪な現象、その影には一族の過去の秘密が見え隠れする。時子たちの未来はどうなるのか。
 『光の帝国』『蒲公英草子』で描かれた常野物語の第三作目です。

 (Y.O)
養老 孟司/著  新潮社

 「今の日本社会には、明らかに問題がある!」ニートやフリーター、靖国参拝から少子化、はたまた男女の問題から心の問題まで、ありとあらゆる現代人の抱える問題の根本が見えてくる・・・。
 「バカの壁」を超える方法や、考え方を自分の頭で生み出すヒントのつまった、「バカの壁」「死の壁」の続編。
 あなたには、本気でこの壁を乗り越えられますか?

 (Y.M)








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