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No.354 平成18年4月
『言わぬが花』 『おじさんはなぜ時代小説が好きか』
小川 陽子/著  主婦と生活社

 歌舞伎の名門・萬屋に嫁ぎ、姑に仕え、そして中村獅童を育てた母。息子の成長を、目を細めて見守りながらも、伝統と格式を重んじる姿に圧倒されます。
 また、姑から受け継いだ着物の着こなしや小物の取り合わせなども紹介。着物の美しさを指南してくれます。
 梨園という特別な世界の中で、子を思う母の想いや、姑を慕う嫁の姿に感心させられる一冊です。

 (Y.M)
関川 夏央/著  岩波書店

 おじさんと時代小説の相性のよさは保守化と関係があり、根底には人間は進歩しないという経験的確信があるという著者。生活が便利になっても人間の質や幸福感の向上とはなんら関係がない。昔の不便さは不自由さをもたらし、その不自由さが人間を鍛える。時代から何を発見し読みとるか。
 今、時代小説を論じて発信を続けている著者の思いが詰まった一冊。

 (T.M)
『もう一度読みたかった本』 『われよわくとも』
柳田 邦男/著  平凡社

 少年時代から青春時代にかけて、本を読む楽しみと悲しみを覚えたという著者。いつもそばに本があったという生活の中で、著者どんな本を読んできたのでしょうか。
 本書には、「あすなろ物語」(井上靖)、「老人と海」(ヘミングウェイ)、「悲しみよこんにちは」(サガン)など、24冊が紹介されています。
 初読から半世紀ほどの時間を経て再読したという作品もあり、著者の読書歴とともに、著者が青春時代をどう過ごしていたかをうかがい知ることができます。あなたも、子どもの頃に読んだ本や自分にとって大切な本をもう一度読み返してみませんか?

 (R.K)
ヒュウステベック 節子/著
ドメス出版


 「弟を守りたい」という幼い頃の思いから始まった著者の看護士としての道はドイツのベーテルという地で得た数々の人との出会いによって豊かでしっかりとしたものになっていきます。
 この本は障害者を支え健常者も共に生きる福祉の町ベーテルで30年間働いた記録です。今よりも誤解や偏見が多かったであろう日本から飛び込んだ著者に力強さ優しさを感じてしまいます。
 未だ無意識の偏見から逃れられていない私達は著者や本書に書かれている人々から学べる事があるのではないでしょうか。

 (N.Y)
『やめたら、お家スッキリ!』 『梅原猛の授業 仏になろう』
佐光 紀子/著  大和出版

  突然人が来てもあわてることなく、いつも片付いた家で優雅に過ごしたい。誰もが願っていることです。そんな願いが叶うかもしれないこの一冊。
 アイロンがけをやめてみる。掃除機をやめて、箒にしてみる。衣替えをやめてみる。福袋をやめてみる等々。すぐにでも出来そうなことばかりです。
 それだけで、家のなかはスッキリ、手間はグンと減り、「楽チン生活」が始まりそうです。
 さあ、今日はなにをやめてみますか?

 (K.K)
梅原 猛/著  朝日新聞社

 「仏教とは仏になることと見つけたり」とは言い過ぎかもしれないが、仏教というのはそういう考えだと梅原氏は言っている。そのために必要なのは十善戒を守り、六波羅蜜の徳を身につける事、さらに四弘誓願を忘れない事。難しい仏教用語も、分かり易く解説さています。
 最近、日本人の道徳心が損なわれていると感じられる場面が多々あります。道徳心は仏教によって養われた側面が大きく、これを復活させる事が、今の日本の重要な課題の一つだと著者は語っています。

 (M.H)

 





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