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No.361 平成18年7月
『千の命』 『ハピネス』
植松三十里/著   講談社

 今の時代でもお産は覚悟がいるものなのですが、難産になると母子ともに命を落とすしかなかった江戸時代。
 貧しい暮らしの中で「命の数だけ生きていく意味があるのだ」とお産を女性本位に考え、産婦を楽にし、母体を救う「回生術」をみだした賀川玄悦。
 その78年に及ぶ苦難の生涯を追った物語です。

 (K・K)
嶽本野ばら/著  小学館

 「私ね、後、一週間で死んじゃうの」何時もの口調で、何時もの笑顔で唐突に僕に告げられた彼女の言葉。誰もどうすることもできない一週間を、僕と、彼女の両親、そして彼女自身がどう過ごすのか。
 ずっと憧れていた'ロリータさん'デビュー。愛する人と過ごすこと、大好きなカレーを思う存分食べること…。
 著者独特の世界が広がる中、逃れられない別れを前にして、それぞれの思いを胸にカウントダウンが始まります。

 (S・S)
『プロフェッショナル 仕事の流儀3』 『ライブドア監査人の告白』
茂木健一郎・NHK「プロフェッショナル」製作班/編 日本放送出版協会 

 「プロジェクトX」の流れを汲むといわれる現代の人に焦点を合わせた人気ドキュメンタリーの書籍版です。「プロフェッショナル」では1つの大きな仕事について語られるのではなく、各方面の専門家個人の話を聞くという形です。
 今回の一冊には医者、左官、予備校の英語講師とジャンルの全く違う三人の「プロフェッショナル」が現れます。体験談や経験は職種によって全く違い、読んでいて頷くことばかり。彼らに共通する自分の仕事に対する自負と更なる向上心を見習って、自分の仕事の「プロフェッショナル」になってみませんか?

 (N・Y)
田中慎一/著  ダイヤモンド社

世間を驚かせたライブドアへの強制捜査。著者の田中氏はこのライブドアの監査人であった。
 ライブドアによる投資事業組合という仕組みを利用した粉飾の構図。株式100分割による株価操作。子会社との架空取引等など。
 これらの問題を、何故監査法人は正す事が出来なかったのか。堀江氏、宮内氏と著者の間で、どのような駆け引きが行われたのか。
 今、ビジネスに携わる人たちに、本当に必要な資質とは何なのかが問われている。

 (M・H)
『まほろ駅前多田便利軒』 『まんじゅう屋繁盛記』
三浦しをん/著   文藝春秋

 便利屋を営む多田とひょんなことからそこへ入り浸ってしまった行天。
 この2人のところへさまざまな依頼が舞い込んできます。ある時は庭の掃除や犬の散歩、またある時は、塾通いの学生の送り迎え、そしてある時は…。ちょっと非日常的なにおいのする街・まほろ市で、彼らは一体どんな事件に巻き込まれてしまうのでしょう。
 2人のキャラクターの魅力とテンポのよいストーリー展開に惹きつけられる1冊。第135回直木賞受賞作品です。

 (R・K)
川島英子/著   岩波書店

 日本でもっとも古く創業した饅頭屋である「塩瀬総本家」の現取締役会長が書いた本です。
 塩瀬総本家の歴史を辿ると共に、日本の饅頭の歴史も紹介しています。
 饅頭は、今から650年前に林浄因(りん じょういん)という中国人が、餡(あん)入りの饅頭を作ったことが始まりです。そこで筆者は困難を乗り越えながらも、林浄因のふるさと中国に碑を立てることにしました。
 このエピソードには、饅頭屋としての強い想いが感じられます。

 (K・S)

 





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