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No.362 平成18年8月
『優しい子よ。』 『旅の極意、人生の極意』
大崎善夫/著  講談社

 女流棋士である妻の元に、一通のメールが届いた。「病気で寝たきりの息子に、色紙を書いて欲しい・・・」
 そこから、私たち夫婦と心優しい少年との文通が始まった。他人の幸せを願い、心から祈り続ける少年。しかし、残された時間はそう長くはなかった。
 人の生と死を描いた、実話を元にした短編集。人間はここまで、優しくなれるのです。

 (Y・M)
大前研一/著  講談社

 「ちょっと贅沢だ」「そのうちに…」などと言っていては、旅は出来ない。また旅に出たからには、「見たいところはすべて見た」「やりたいことはすべてやった」くらいの気持ちでいたいものだと著者は言う。
 学生時代はJTBの添乗員として稼ぎ、マッキンゼー入社後は、経営コンサルタントとして国際的に活躍した大前氏。
 世界中を旅した著者だからこそ勧められる、極上の旅ガイド。その中にはまた、人生を楽しむ極意も詰まっている。

 (M・H)
『世界一周恐怖航海記』 『乞胸』
車谷長吉/著  文藝春秋

 作家・車谷長吉。48歳で詩人の高橋順子と結婚し、"嫁はん"から「いずれ船で世界一周旅行に連れて行ってね」とお願いされていたという。そしてそれが実現する運びとなり、60歳にして初の海外へ。
 豪華客船での航海は、横浜港を出発し、ベトナム、南アフリカ、タヒチなど、世界各国を巡る。著者にとっては「人生最大の『苦行』としか思えない」旅。
 この本は、そんな旅の中で、著者が自らの半生を振り返るとともに、各国で見聞き体験したことが綴られている。

 (R・K)
塩見鮮一郎/著 河出書房新社

 江戸の初期、戦乱がおさまって天下が平定されると、武士の中には余剰人員となり失職したものが大勢出てきました。すると、浪人のなかには街道で芸を見せて日銭稼ぎを始めるものが出て、「乞胸(ごうむね)」と呼ばれる身分が出来上がったのです。  仏教の「ほどこしの文化」の上に成り立つ、江戸庶民の好奇心を満たす多種多様の芸人達。
 江戸時代のおおらかな芸風が、本書の中で蘇ります。

 (K・K)
『憲法が変わっても戦争にならないと思っている人のための本』 『ぼくのしょうらいのゆめ』
高橋 哲哉,斎藤 貴男/編著
日本評論社


 私たちは日常生活の中で様々な法と触れ合っています。その法の根幹であり、国の在り方や考え方を示しているのが日本国憲法。1947年に施行されて以来、改憲に関する動きはあったものの、具体的な改正は一度も成されていません。しかし、近年、改憲が議論され、メディアを賑わしています。
 この本はジャーナリスト、映画監督、漫画家といった幅広い面々の改憲への意見が寄せられています。憲法の本質を理解すると同時に、他人事ではない状況下で、私たちは憲法とどう向き合っていくべきなのかとうことを考えさせられます。

 (Y・O)
市川準(ほか)/著
プチクラパプリッシング


 子供の頃に抱いていた夢、大きくなったらこの仕事をしたいという夢が皆さんにもあったと思います。本書に出てくる11人はロックンローラーに憧れ、宇宙飛行士に憧れるといった夢を諦めずに達成した人達です。   各人のお話の間には思い出深い品物や幼少の時の写真が添えられていて、夢を胸に抱いた時の表情が思い浮かぶようで、今では多くの人に知られるようになった表情と見比べると親近感が増します。
 幼い頃を思い出す発言では「変な家族だった」「変な子供だった」という言葉が何度か出てきます。夢を掴む程に溢れる力は幼い頃から自分では抑えることが出来なかった模様。
 「ぼくのしょうらいのゆめ」を胸にお持ちの人に読んでほしい一冊です。

 (N・Y)

 





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