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No.364 平成18年9月
『毒-ポイズン-』 『今ここに在ることの恥』
深谷忠記/著  徳間書店

 脳神経外科病棟のナースステーションから、筋弛緩剤のアンプル4本が盗まれた。これは二人分の致死量に相当する。犯人は一体誰なのか。そして19年前に書かれた「お父さんの殺害計画ノート」との関係は。
 ドメスティックバイオレンス(家庭内暴力)の問題を縦糸に、夫婦、親子、そして医療従事者と患者の心の葛藤を織り交ぜて描くミステリー長編。   あなたは、人間の本当の顔が見抜けますか?

 (M・H)
辺見庸/著  毎日新聞社

 脳出血そして大腸ガン、二重の災厄に見舞われ右手の麻痺が残る著者が、抗いがたく近づいてくる"死"を感じることで「いま、これを書け」という内からの声を聞く。それは、四半世紀以上前のカンボジア難民キャンプでの出来事、1942年戦時下での中国人生体手術演習、父の死等々・・・・。躰内のひだの深みに潜って、意識の下に隠してしまいたい「恥」を書き出すこと。
 恥なき国の恥なき時代に、害意なき加害者とならないために。著者の叫びが心に深く刺さる一冊です。

 (K・K)
『温室デイズ』 『中国映画の100年』
瀬尾まいこ/著  角川書店

 教室には紙飛行機が飛び、トイレではタバコの吸い殻が発見される。廊下には「死ね」の落書きがあり、教師への暴力は日常茶飯事だ。そんな荒れ果てた中学校に通う3年生のみちると優子。
 ある日、親友の優子が不良の瞬の告白を断ったことで、優子は女子からいじめを受け始める。みちるは優子を守ろうとするが、今度は逆にみちるがいじめの対象に。だんだんとエスカレートしていくいじめ。二人はそれぞれのやり方で学校を元に戻そうとしていくが…。この温室のどこかに、出口はあるのだろうか。

 (R・K)
佐藤忠男/著  二玄社

 中国の映画の歴史は約100年前に始まりました。これは日本映画の歴史とほぼ同じ時期です。その後、日中戦争から中華人民共和国の成立、文化大革命を経て現代まで、歴史と共に映画の内容にも変化が現れています。
 この本では、時代別に作品を分けて、体系的に中国の映画を解説しています。日本ではあまりなじみのない作品も数多く紹介されていますし、香港や台湾の映画も一部紹介しています。
 今、韓国の映画がブームになっていますが、お隣の中国映画にも注目してみませんか。

 (K.S)
『江戸八百八町に骨が舞う~人骨から解く病気と社会』 『君だけの物語』
谷畑 美帆/著 吉川弘文館 

 発掘現場から人骨が出た!!
 この本は、「都市古病理学」という考古学の見地から、古人骨を研究する著者が記した、骨から紐解く歴史ロマンです。
 骨から分かる江戸時代の食生活や環境衛生。はたまた、風習や流行病などなど。物言わぬ骨が訴えかける小さなささやきに、どこまでも耳をすます・・・。
 「歴史は病気でつくられる」ことを、骨が教えてくれます。

 (Y・M)
山本 ひろし/著  小学館

 家庭でも仕事でもトラブルを抱え、ストレスのたまっていた主人公はある日突然左遷を言い渡されてしまいます。東京の本社勤務から一転、異動先は佐賀県の支社。ついて来てくれる人もなく身一つで単身赴任、家族もバラバラになってしまいます。人生のどん底に突き落とされて途方に暮れてしまった主人公が、自身の復活を賭けて行なった事とは小説を書くことでした。
 体験談のように語られる内容は著者が勉強した小説を書く時の基本やテクニックも書かれていて、小説の書き方指南にもなる本です。

 (N・Y)

 





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