> トップページ > おすすめコンテンツ (おとな向け) > おすすめの本 > No.368 平成18年11月






No.368 平成18年11月
『虹色天気雨』 『真夏の島に咲く花は』
大島真寿美/著  小学館

 ある日突然、幼馴染の奈津の夫が失踪した。奈津が夫捜しに奔走するなか、一人娘の美月を預かることになった市子。
 市子の周りにいるのは、自分の生活を懸命に生きながらも奈津の心配をする友人たち。そこには大人になってもつながっている友情があり、「こんな友達に囲まれてずっと生きていきたい」そう思わせてくれる1冊です。

 (S・S)
垣根涼介/著  講談社

 南太平洋の楽園フィジー。世界一早く朝を迎え、世界一遅く夜が更ける島。この島に暮らすフィジー人、インド人、日本人の4人の若者たちの関係を通して、民族間の対立や経済格差、そして本当に幸せを感じる生き方とは何かを問いかける。民主的なシステムや資本主義の浸透が、必ずしも人に幸せをもたらすとは限らない事を感じさせる小説。
 山本周五郎賞、吉川英治文学新人賞など、多数の賞歴を持つ著者が描く新境地。

 (M・H)
『膠着』 『さんずい あそび』
今野 敏/著  中央公論新社

 老舗ではあるが経営の芳しくない会社スナマチ。その新人営業マンである主人公は、突然会社のピンチに立ち向かう羽目になってしまいます。全くくっつかない接着剤という前代未聞の失敗作、はたして有効な活用法は存在するのか。スナマチの精鋭による試行錯誤の日々はライバル社のTOBにより更に緊迫します。
 未だ慣れない社会人生活に四苦八苦しながらも起死回生に向けて奔走する主人公。この一冊で新たな物を作り出す喜びとブレイクスルーの快感を体験出来ます。

 (N・Y)
別役実/著  白水社

 さんずい偏の漢字を書いて下さいと問われた時、あなたは何個頭に浮かびますか?
 本書では60ものさんずい偏の漢字が1字1字劇作家の別役さんらしく思い入れたっぷりに 主人公として描き出されています。例えば「渦」の漢字では「ひだりまき」の話、「渋」ではよその家の渋柿の話のように。
 遊び心がいっぱいに詰まったユニークなエッセイ集です。又、別役さんは漢字の偏から旁へと移る時の手のはね上げ方など、“手のしなり”を思い出すためにも原稿はパソコンではなく是非手書きで書こうと提案されています。

 (K・K)
『しずかな日々』 『遠藤周作と歩く「長崎巡礼」』
椰月美智子/著  講談社 

 主人公・“えだいち”は母と二人暮らし。そんなえだいちが、祖父との二人きりの生活を始めることになった。
 祖父の田舎での暮らしは、特別なことがあるわけでもない。朝起きて、ご飯を食べて、友達と遊んで、眠って…、ごく普通の生活。えだいちはそんな日常の中で、忘れることのできない「特別」な夏休みを過ごすことに。
 講談社児童文学新人賞受賞作家、待望の新作です。

 (R・K)
遠藤周作芸術新潮編集部/編
新潮社


 「長崎は私の心の故郷」と綴った遠藤周作と長崎との関わりは、一枚の踏み絵から始まりました。四十年ほど前に訪れた長崎でのその出会いが名作『沈黙』を生み、切支丹の面影を訪ね歩くうちに長崎は遠藤の心の成長に忘れられない街となっていきました。そして長崎に恩返しのつもりで『女の一生』が書かれたそうです。
 これらの小説に書かれた実在の舞台を小説の文章とともに辿っています。

 (Y・O)

 





- copyright(c) Imari Public Library Al Right Reseaved. -