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No.370 平成18年12月
『馬琴の嫁』 『さよなら、サイレントネイビー』
群ようこ/著  講談社

 稀代の戯作者曲亭馬琴の息子に嫁した土岐村てつは、嫁いだその日に馬琴から‘みち’と改名を言いわたされる。さらに病弱な夫と癇癪持ちの義母、金銭や人の出入りの一切を掌握する馬琴、長続きしない下働きの娘など、日々の暮らしに忙殺されていく。
不運続きの中、みちはある占い師から「あなたの苦労は世のためになるものだ」と言われる。その言葉と子どもの成長を励みに、生来の体の丈夫さと性格の明るさで、辛い事も乗り越えていく女性の一生を描いた、著者初の時代小説。

 (M・H)
伊東乾/著  集英社

 未だに決着が見えてこない地下鉄サリン事件。実行犯だった男は東京大学出身の秀才で、著者の友人でもありました。著者自身が地下鉄に乗り、友人の行動の検証を行いながら考えるのは事件の非道さばかりではありません。友人に事件を起こさせたものはなんだったのかを力を絞り調べています。
 「運命の分岐点」は何処にあったのか、実行犯を生み出した真に裁かれるべきものとは何なのか考えさせられる一冊です。

 (N・Y)
『イノチのつぶやき』 『表の顔と裏の顔』
藤田貴士/編著 ジャパンマシニスト社

 いじめや虐待など子どもを取り巻く問題が深刻化している今、「命の大切さ」が叫ばれていても、どう理解し何から始めればよいか大人自身も悩み迷っている。
 「なぜ人間にうまれてきたの?」「自分の好きなところは?」「悲しいと思った体験は?」「大切にされた経験は?」本書は、この4つの質問に対する子ども達とその親の答えを集めたもの。
 ストレートな答えに、忘れかけた子どもの頃の気持ちや、見えなくなった子どもの心に気づかされる言葉をみつけることができる。
 この質問に、あなたならどう答えますか・・?

 (T・Y)
幸田真音/著  小学館

 米国系の銀行や証券会社の債券ディーラーなどを経て作家に転身という異例の経歴を持つ著者。これまでの作品は主に経済や金融がテーマで、そんな経歴の著者だから作品の中で使う数字の表記にまでこだわりを持っているのです。
 この本は、著者の初めてのエッセイで、「数字」をキーワードに、これまでの人生や社会のさまざまな問題・課題などがテンポよく綴られています。
 とってもおしゃべりな「数」の世界に、そして、小説だけでは知ることのできない著者の素顔に迫ることができる一冊です。

 (R・K)
『ニッポン南極観測隊』 『社歌』
小野延雄・柴田鉄治/編  丸善
 

 第一次南極観測隊を乗せた観測船「宗谷」は、1956年11月8日、東京晴海岸壁を出航した。これが50年間(1次~47次)2000人にも及ぶ南極観測員たちのドラマの始まりだった。 
 本書は、オーロラの真下にあった昭和基地のこと、「タロ・ジロ」とのこと、ペンギンの生態調査でのことなど実際に南極で生活をした人々にしか書けない10章より成り立っている。
「南極観測隊50年のにんげん史」である。

 (K・K)
弓狩匡純/著  文藝春秋

 国には国歌、学校には校歌があるように、会社にも社歌(しゃか)があります。
 この本では様々な会社の社歌を採り上げ、歌に込めた熱い想いや、完成するまでのエピソードをそれぞれ紹介しています。 中には著名な作詞家や作曲家に依頼している会社もあり、その素晴らしい歌を社員が朝礼などで合唱しているところもあります。
 自分の会社を愛し、共に協力して、社会のために貢献しようとする気持ちが、それぞれの社歌の中に表れています。

 (K・S)

 





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