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No.371 平成18年12月
『見えない誰かと』 『日本の論点―変質する社会―2007』
瀬尾まいこ/著  祥伝社

 著者は今、京都府内で中学校国語教師をしています。教員採用試験を9回落ち続け、10年間の講師生活があったからこそ出会えた数多くの先生・生徒・保護者たち。
 「人見知りが激しく、親しくもない人と一緒に何かするくらいなら一人でいたいという、つまらない人間だった」という著者が、日々の出来事を綴り“誰かとつながること、それは幸せなことだ”と語りかけてきます。
 ほのぼのとした文章が、ぽかぽかと心をあたたかくするエッセイです。

 (K・K)
文芸春秋/編  文芸春秋

 皇室に悠仁親王誕生という、大きな喜び事のあった今年。しかし一方ではいじめによる自殺、飲酒運転による事故、所得格差の拡大、自治体破綻など、私たちの安全な暮らしは脅かされている。
 そんな中、新しく誕生した安倍政権は『美しい国』づくりを標榜し、教育基本法の改正、防衛庁の防衛省への格上げなどをおこなっているが、私たちが心豊かに安心して暮らせる施策はいまだ見えない。
 この本は日本が現在抱える諸問題について、それぞれの論客たちが持論を述べている。日本の将来を考えるに必読の書。

 (M・H)
『モノレールねこ』 『ライオンと蜘蛛の巣』
加納朋子/著  文芸春秋

 瑞樹という女性(幽霊?)を愛し続けるミノさんと偽装結婚をすることにした鈴子。瑞樹はミノさんと婚約していた時に亡くなっているが、ミノさんの傍に「いる」らしい。彼女のために結婚をしないミノさんと、形式だけの結婚を求めた鈴子と、そして瑞樹。3人の不思議な偽装結婚が始まった…。
 さまざまな「家族」の絆が楽しめる短編集です。

 (S・S)
手嶋龍一/著  幻冬舎

 世界の表と裏で活躍した人物たちに注目した本書。マリガン大統領、「鉄の胃」と呼ばれた宰相。歴史の陰で暗躍し続けたスパイ。追い続けたスパイの名を育てている薔薇に付ける老婦人の物語等が静かに語られます。
 元NHKワシントン支局長だった著者が世界中29の都市で出会った人々が経験してきた、小説より奇なるドキュメントです。「インテリジェンス」にこだわる元記者ならではの感性が光ります。

 (N・Y)
『大人のファンタジー読本』 『オカン、おふくろ、お母さん』
やまねこ翻訳クラブ/編  マッグガーデン

 「ハリー・ポッター」シリーズや「指輪物語」などで、一躍ブームになったファンタジー小説は、子どもだけでなく大人をも魅了します。
この本は、児童書の翻訳家をめざす人たちが、「大人にとって面白いファンタジー」をキーワードに、日本と海外の作品180冊を紹介しています。また、エンデやトールキンなどの作家や、ファンタジー作品の翻訳家がクローズアップされていたりと、ファンタジー好きには欠かせない一冊です。
 この本を通して、幻想的な世界を旅してみませんか。

 (R・K)
文藝春秋/編   文藝春秋

 1985年2月号~2006年9月号の『文藝春秋』に掲載された「母」について語った短編エッセイ集です。
 すでに故人となった人、作家・政治家・評論家・タレントなど各界で活躍している人87名が「母」への篤い思いを綴っています。
 父よりよりもたくましい母の姿、亡くなった母の年を越えてしまった自分と母の存在、母の生き方が今の自分の生き方に影響していることなど、語り尽くせないほどのエピソードが母への愛とともにあふれています。

 (K・S)

 





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