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No.377 平成19年3月
『年に一度の、二人』 『アフリカにょろり旅』
永井するみ/著  講談社

 年に一度だけ、10月の第3木曜日、香港のハッピーバレー競馬場で会う二人。
「家庭がある君は無理をすることはない。でも、僕は必ず待っています。」住所も電話番号も知らない人との逢瀬。
 主人公の沙和子は、一人息子の宗太郎やたいくつな東京の生活に対して罪悪感を覚えながらも、香港の門倉のもとへ出かけてしまう自分を抑えることができない。
 人生に悩みを抱えた人々が、馬を通して集まりあい、希望を見出そうとする姿が柔らかい文章で描き出されている。

 (K・K)
青山潤/著  講談社

 東京大学海洋研究所の中に、塚本勝巳教授率いる通称「ウナギグループ」と呼ばれる研究室がある。世界に生息する18種のウナギのうち、アフリカに生息するウナギ「アラビアータ」を求めて、男3人の過酷な旅が始まった。
 熱射病やマラリア、充血吸虫など、様々な危険と隣りあわせで、マラウイ、ジンバブエ、モザンビークと巡る。それでも旅を続けるのは、人が人である限り、知的好奇心は人の心の栄養になると信じているから。
 彼等の冒険の行き着く先は。そして幻のウナギは無事発見できるのか。

 (M・H)
『そうかもしれない』 『世界を変える人たち』
耕治人/作  晶文社

 50余年連れ添った妻が、脳軟化症を病み、介護をすることになった夫。夫婦共に80歳。
 次第に2人だけではどうしようもなくなり、妻をホームへいれることに。そんな夫もまた、献身的な介護を続けるなかで、癌に侵され入院を余儀なくされる。
 妻を呆けさせてしまった罪悪感も、病院で苦痛の日々を送ることで少しは薄らいでいく気がした…。

 (S・S)
デービッド・ボーンステイン/著
ダイヤモンド社


 営利、非営利を問わず、社会の問題の解決に尽力した人たちのことを、社会起業家と言います。世界の至る所で起こっている問題に立ち向かおうとした社会起業家は、専門家もいれば普通の主婦もいて、今も何処かで活動しているのです。
 世界の流れをも変えるパワーに溢れた人たちは、どういう方法で問題に取り組んだのか。グラミン銀行などに代表される、世界的な取り組みの数々。その発想とエネルギーに注目するものがあります。

 (N・Y)
『字がうまくなる』 『大衆の心に生きた昭和の画家たち』
猪塚恵美子/著  新潮社

 通信機器などの発達によって文字を書く機会が少なくなった昨今。それでも、どうしても自筆でなければならない場合があります。字をうまく書きたいと思う人は多いはず。しかし、いくら講座を受けても途中で挫折して結果が得られなかった、習い事をする余裕がないといった理由であきらめていませんか。本書では、著者がすすめる“字配り”の8つのルールを覚え、実践することで、自分の字がうまく見えるようになる術が実例集つきで紹介されています。
 字配りの技術を身につけ、心をこめて書くことで、文字に対するコンプレックスもなくなり、書くことが楽しくなるかもしれません。

 (Y・O)
中村嘉人/著  PHP研究所

 今とは違って、大衆の娯楽が少なく、テレビもなかった時代、人々は何に心躍ったのでしょう。
 戦前の『怪人二十面相』(江戸川乱歩)や戦後の『徳川家康』(山岡荘八)などは、物語もさることながら、「さし絵」によっても強く印象づけられた作品です。
 この本では、昭和の時代に活躍した挿し絵画家たちの名作とさまざまなエピソードが紹介されています。
棟方志功や中一弥など、一世を風靡した挿し絵画家たち。多くの挿し絵が収録されているので、その時代を知らなくても楽しめる一冊です。

 (R・K)

 





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