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No.379 平成19年4月
『悪人』 『鹿男あをによし』
吉田修一/著  朝日新聞社

 殺した男が悪人か、殺された女が悪人なのか、それとも・・・。
 福岡県と佐賀県の県境、三瀬峠で女の死体が発見された。犯人は誰か、殺人の動機とは?
 捜査線上に浮かぶ二人の男。被疑者と共に逃亡する、もう一人の女。無関係な第3者による、中傷や非難に翻弄される家族や友人。
 はたして、本当の悪とは何なのか。デビュー10年目の作家が描く、渾身の420ページ。

 (M・H)
万城目学/著  幻冬舎

 関東の大学研究室を追われるように奈良の女子高に赴任した28才の「おれ」。
 初めての土地で、新しい環境に振り回されているうちに、鹿に話しかけられたり、突然鹿の角が生えてきたり、不思議なことが次々と起こってくる。さらには、鹿と狐と鼠の神の使いが現れ・・・。ユーモアいっぱいのファンタジー作品。
 目が離せない新人“万城目学”の第二作目です。

 (K・K)
『建てて、いい?』 『だから、僕は学校へ行く!』
中島たい子/著  講談社

 30代半ばの主人公・真里は、ある日重大な決意をした。恋よりも仕事よりも、結婚よりも、今は家を建てたいと・・・。今、私が探している居場所は、他人に依存することでも、仕事で成功することでもない。「場所」そのものなんだ!
 悩んだり迷ったりしながら、家を建てるようと奮闘する真里。夢を描いたり現実を思い知らされたりの連続です。女性の新しい生き方をいきいきと描いた小説です。

 (Y・M)
乙武洋匡/著  講談社

 「五体不満足」の著者が教師になりました。
 子ども達と共に同じ目線で物事を考える「子ども生き方パートナー」に任命され、あらゆる角度から現代の教育現場で起こっている諸問題を見つめなおします。
 障害者教育、不登校などの問題に著者ならではの視点で真摯に対応する姿に、こんな先生と共に学びたいと思わせられてしまう一冊です。

 (Y・K)
『茶箱のなかの宝もの わたしの昭和ものがたり』 『火のある暮らしのはじめ方』
鶴田静/著  岩波書店

 テレビも洗濯機もなかった家に、初めてやってきたトースターに喜んだ事や、家で飼っていた一番仲のよかった鶏が食卓にあがり大泣きに泣いたことなど、昭和の時代のどこにでもあった風景がほのぼのと描かれた本。兄弟が多いなか、自分だけがもらい子なのではと不安でしょうがなかったという思い出も、今となっては大事な宝もの。昭和20年代の東京、大家族に囲まれた少女が過ごした懐かしい日々を綴った自伝的エッセイです。

 (S・S)
日本の森林を育てる薪炭利用キャンペーン実行委員会/編著  農文協

 今や暮らしの中の燃料といえばガスや電気。しかし、ほんの50年ほど前までは火が一番身近な燃料だったのです。
 この本は、薪炭による「火のある暮らし」を実践している人々がその魅力を語った一冊です。七輪やピザ窯など、燃料としての役割だけではなく、火のある暮らしがいかに人間を豊かにしてくれているのかが記されています。
 文化の根源である「火」が「心の豊かさ」ひいては「人間らしさ」を取り戻すきっかけになるのではと、火のある暮らしを提唱しています。

 (R・K)

 





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