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No.382 平成19年6月
『秘花』 『ぼくは毒ガスの村で生まれた。』
瀬戸内寂聴/著  新潮社

 「秘すれば花」とは、能の大成者世阿弥の『風姿花伝』に出てくる言葉です。世阿弥は多くの謡曲作品を残し、また優れた能楽論で、現代にも知られています。
 幼名を鬼夜叉または藤若と呼ばれ、若くして時の将軍足利義満の寵愛を受け、父観阿弥とともに観世流の興隆に尽くした世阿弥。しかしその晩年は不幸の連続でした。
 彼が佐渡島へ流されたのは72歳の時。時代に翻弄され、観世流の興隆と衰亡を生きた、世阿弥の85年の生涯を描く大作です。

 (M・H)
化学兵器CAREみらい基金/編著
合同出版

 2004年に中国で起きた毒ガス事件。これは60年前に起こった戦争に端を発します。
 戦争中に日本で製造された毒ガス。当時工場で働いていた人々が被害にあい、また、戦争で使用されて多くの中国の人を苦しめました。そして、使われなかったものは置き去りにされたまま、今なお被害者を出しているのです。本書には、戦時中の記録や被害の実態が生々しく綴られています。
 2度と同じ過ちを繰り返さないため、平和な世界をつくるために私たちが知っておくべき事実と、解決すべき問題が書いてあります。

 (R・K)
『ラベルのない缶詰をめぐる冒険』 『すぐ忘れる男 決して忘れない女』
レックス・シアラー/著 金原瑞人/訳 竹書房

 ある日、ファーガルはスーパーのワゴンセールでラベルのない缶詰を見つけた。何が入っているのか分からないという魅力に惹かれ、缶詰を集め始めた。余りにも軽い不審な缶詰を開けてみると、金のピアスが入っていた。なぜピアスが??
 そこから始まる冒険はおぞましい真実へと続いていく。ラベルのない缶詰をめぐる冒険とは!?

 (S・S)
マリアン・レガト/著  朝日新聞社

 日々の生活の中で私たちは様々な場面で男女の違いに直面します。時に相手の行動を理解できずに、溝を感じたり、喧嘩になることもあるのでは。
 この本では、脳やホルモン、ストレス対抗などの医学的な立場から男女の体の違いを徹底的に分析し、それを基に行動を解明しています。
 今まで理解できなかった相手の行動が男女の本質的な差異によるものということがわかり、男女間の距離が一気に縮まるかもしれません。
 男性、女性ともに楽しめる一冊となっています。

 (Y・K)
『噺家の手ぬぐい』 『美晴さん ランナウェイ』
五明樓玉の輔/著  日東書院

 ようやく二ツ目になった噺家には、晴れて紋付・羽織・袴を許され、そして初めて名入りの手ぬぐいを作ることができます。
 そんな噺家たちの思いがこもった手ぬぐいの一覧!江戸の粋がぎゅっと詰まった、愛すべき小道具です。
 昭和の名人たちの古典柄の手ぬぐい、デザイナーが手がけた今どきの手ぬぐいなどなど。
 眺めるだけでも楽しくて美しい、お洒落な噺家たちのこだわりを感じてください。

 (Y・M)
山本幸久/著  講談社

 お父さんの妹 美晴さんは27才。
 生まれてから13年間一緒に生活してきた私から見ても、自由奔放で元気な“叔母さん”です。
 いつも厄介を引き起こしては投げ出して、どこかへ消えてしまう“少し困った叔母さん”を、少女の目から暖かく見守っています。
 祖母・親子・兄妹、大家族の中で巻き起こる事件をユーモラスに、歯切れよく描いた小説です。

 (K・K)

 





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