> トップページ > おすすめコンテンツ (おとな向け) > おすすめの本 > No.390 平成19年10月






No.390 平成19年10月
『同じ世代を生きて』 『予定日はジミー・ペイジ』
水上勉・不破哲三/著
新日本出版社

 心筋梗塞になった元共産党書記長不破さんが、登山ができるまでに回復したことを作家の水上さんが知ったことから始まった往復書簡集です。
 闘病時のリハビリや、健康法に始まり、不破さんが吉川英治にあこがれ小説家になる夢をいだいた事など文学論から政治までさまざまな分野に渡るやりとりが交わされています。十数年に及ぶ交流が収められています。

 (T・K)
角田光代/著  白水社

 子どもがあまり好きではない一人の女性が、体内に命を授かったことで、戸惑いながらも、周囲の暖かい協力によって、母親となる予定日へと近づいて行きます。日記形式で綴られ、夫の大喜びに温度を感じたり、食べ物の好みの変化に驚いたり、幾つもの悩みと笑い、迷いと決定の日々が描かれています。
 私達一人ひとりの誕生までのストーリーを思うと、母に祖母に、あらゆる母親にありがとうと言いたくなる作品です。

 (K・K)
『半次捕物控 髻塚不首尾一件始末』 『ネットカフェ難民
    ドキュメント「最底辺生活」』
佐藤雅美/著  講談社 

 敷地内の家の立ち退き問題で呼ばれた半次。両家に雇われた用心棒は、腐れ縁の小三郎とその宿敵・狂四郎だった。
 互いの力を知る二人は暗黙の了解で金だけもらって動こうとしない。それを知った雇い主が二人を立ち会わせることにしたという。立ち合いの当日、偶然にも火事が起こり、問題の家は飛び火を防ぐために取り壊された。まんまと戦わずして事を済ませられた小三郎と狂四郎。
 このからくりとは?他にも次々と厄介事が半次に持ち込まれます。

 (S・S)
川崎昌平/著  幻冬社

 「ネットカフェ難民」とは、懸命に働いても家賃すら払うことができず、インターネットカフェで寝泊りをしている人たちのことで、主に日雇い派遣で収入を得ています。この本は、お金も職業も技能もない25歳のニートの体験が綴られています。ある日、実家からネットカフェへと居を移し、「ネットカフェ難民」になった彼。日中は日雇いバイトで、なんとかその日を暮らしていくための収入を受け取り、そして、夜はネットカフェで体を縮めて寝る毎日。
 現在、社会問題ともなっている「ネットカフェ難民」の数は5000人以上とも報告されています。「ネットカフェ難民」について考えさせられる一冊です。
 (R・K)
『ゆうちょ銀行』 『ありがとう、さようなら』
有田哲文・畑中徹/著
東洋経済新報社

 今年10月、郵政公社は民営化され、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」「郵便事業会社」「郵便局会社」の4つの株式会社が生まれました。今までと同じ郵便局の建物の中での変化。一般の私たちには分かりにくい民営化ですが、これからはどのように変わっていくのでしょうか。
 2005年に民営化が決まってからずっと、朝日新聞社の記者として郵政民営化を追い続けていた有田氏・畑中氏の二人がこれまでの記事をまとめ、民営化に警鐘を鳴らしています。

 (K・K)
瀬尾まいこ/著  メディアファクトリー

 中学校を舞台に、教師である著者が生徒達との生き生きとした日常を語っています。 ちょっと生意気なことを言う中学生。しかし、そんな彼らですが実際は純粋でやさしくて、思いやりでいっぱい。「今度のテストで100点を取るので結婚してください。」という生徒。誕生日にケーキを届けお祝いしてくれる生徒。生徒会、体育祭、駅伝大会での一生懸命な姿。
 読んだ後、温かくやさしい気分にさせてくれる一冊です。

 (Y・K)

 





- copyright(c) Imari Public Library Al Right Reseaved. -