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No.394 平成19年12月
『風の記憶 ヒマラヤの谷に生きる人々』 『みなさん、さようなら』
貞兼綾子/著  春秋社

 ネパール=ヒマラヤの山裾に住む人々は、それぞれ12の大河の源流域に暮らし、現在までの調べによると18のグループに分けられるそうです。そのグループの多くは一千人に満たない共同体であるため、ネパール人社会でもほとんど知られていないとのこと。
 本書は、これらの知られざる少数民族の真実を求め、チベット学者が秘境の谷を三十数年の歳月をかけて旅した記録です。立ち入り困難な領域に踏み込み、地方のラマたちの手になる伝記や文書を参考に、彼らの素顔と実像を探っています。

 (R・K)
久保田健彦/著  幻冬舎

 小学校の卒業式で起きた凄惨な事件をきっかけに、団地から出られなくなってしまった主人公の悟。
 団地に住んでいた107人の同級生は年を経る毎に一人また一人と外の世界へと飛び出していきます。しかし、母の死によってしか、団地から出ることができなかった悟の小学校卒業からの17年間。
 著者は、悟が青春期を限られた狭い範囲で孤独と葛藤に苛まれながらも、友人と交わり、恋をし、働いて伸びやかに成長する姿を、暖かく、感動的に描き出しています。
著者のデビュー作です。

 (K・K)
『探偵,暁に走る』 『マギーの約束 赤い手袋の奇跡』
東直己/著  早川書房

 北海道では名の知れたイラストレーターの近藤雅章が殺された。ひょんなことから彼と飲み仲間になっていた俺は、犯人を付き止めるため防犯ビデオに残された犯人の顔写真をばら撒き、犯人からの接触を待った。しかし事件の裏には、ヤミ金融、麻薬売買、暴力団抗争など、札幌の闇社会の複雑な利害が絡み、俺の身にも危険が迫る。
 北の歓楽街ススキノを知り尽くす著者が描く、ススキノ探偵シリーズの最新刊。

 (M・H)
カレン・キングスベリー/著  集英社

 ジョーダンという男の子が神様に書いた手紙。そこには「新しいお父さんを下さい」と書かれていました。その手紙を託された母のミーガンは結婚の失敗を悔やんで生きています。そんな2人の親子の前に現れた男性。
 愛を信じられなくなった母親と、家族を失った男性、そしてジョーダンの3人に訪れるクリスマスの奇跡とは。クリスマスを暖かい気持ちで迎えるのにお勧めの本です。

 (N・Y)
『BOSS』 『佳人の奇遇』
堂場瞬一/著  PHP研究所

 メジャーリーグでチームの全権を任された日本人、高岡。人気選手やホームランバッターよりも出塁率を第一に考えたチーム編成で話題になり、チームは開幕から首位にたった。しかし、選手の意思を軽視したポジション変更や他チームとのトレードなどで選手や監督、スタッフとの間に溝ができ、勝率も伸び悩み始める。そこに、チームをファミリーと考えて選手と向き合う、この道50年のウィーバー率いるチームが追い上げてきて…。
 グラウンドの外で繰り広げられる、チームを率いる男たちの熱き戦いを描いた作品です。

 (S・S)
島田雅彦/著  講談社

 かつてステージマネージャーとして敏腕をふるった祖父。ある日、可南子は祖父と祖父のかつての職場であるコンサートホールへでかける。そこにはそれぞれの思いを持つ人々が集っていた。
 才能豊かだが舞台恐怖症のオペラ歌手アンドレ、そのアンドレを舞台に上らせる成功報酬として100万円で依頼されたホステスまどか。通勤中に初恋の人に遭遇、なんとか振り向かせたいOLの春香とその初恋相手の大学講師ケンタ。マエストロと過去の女性達。ある夜のコンサート会場で奇跡が起こる。
 それぞれの人生と恋愛模様に引き付けられる作品です。

 (Y・K)

 





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