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No.398 平成20年2月
『ウエザ・リポート』 『セ・シ・ボン』
宇江佐真理/著  PHP研究所

 函館に生まれ、今も北海道で、江戸を舞台とした時代小説を紡ぎだす宇江佐真理さん。
 その10年間にわたる時の流れを綴った初のエッセイ集です。主婦の目、母の目、女性の目、そして作家の目捉えた日々の出来事や思いがやさしく、時には辛口で描かれています。
 物書きとなった原点のエピソード、台所に置いた机での執筆活動、読書暦など、そういった生活の一端を知ることで、宇江佐さんの人となりがとても身近に感じられます。

 (Y・O)
平安寿子/著  筑摩書房

 生き迷っていた26歳の頃、著者は甘っちょろい見栄と期待からフランス留学します。語学学校に通いながら出会ったのは、一見正反対のようでいて実はバランスのとれた下宿先の夫婦や、学校で出会った60歳の夫を持つ30代の女性、同じ下宿先で3ヶ月を共にした典型的なイギリス人男性など・・・。
 異国の地で過ごした3ヶ月。風変わりな人たちに抱いた、当時の率直な感情が溢れ出す作品です。

 (S・S)
『獣王』
『工作の時代
 「子供の科学でおとなになった」』
黒史郎/著  メディアファクトリー

 動物園「アルカ」で飼育係をしている私は
殺伐とした職場の人間関係の中で日々を過ごしていた。
 ある日、私は動物の形態模写をしている一人の女性に出会う。彼女は人間の言葉を発することなく、奇抜なファッションと奇妙な行動を繰り返し、「アルカ」では忌み嫌われた存在となっていた。しかし、そんな彼女に興味を持った私は、彼女をキョウコと名付け同棲生活を始める。まるでキョウコの飼育係のような私。そして、しだいにキョウコに惹かれていき…。
 そこには著者ならではの不思議な世界が広がっています。

 (Y・K)
INAX出版

 1924年に創刊され、常に子どもたちに科学の面白さや物作りの楽しさを提供し、好奇心を刺激し続けてきた雑誌『子供の科学』。大正・昭和・平成と時代を超えても。工作の魅力というのは普遍的なのです。
 この本では、昔の『子供の科学』で紹介されていた工作が再現されています。かつての「工作少年」たちが、子供時代を思い出しながら、刺激的で楽しい工作の時間を過ごしています。
 今なお多くの子どもたちに愛読されている雑誌の魅力、そして物作りへ愛情が溢れる一冊です。

 (R・K)
『女がひとり頬杖ついて』 『ニッポン地下観光ガイド』
茨木のり子/著  童話屋

 『自分の感受性くらい』で知られる作者の詩集から選んで編まれた詞華集。タイトルと小さく可憐な装丁からはロマンチックなイメージを想像しそうですが、扉を開くとそこには詩人の静かで強い言葉たち。すべての詩が、自身に厳しく真摯に生きた日々の中から生まれたことばでつむがれ、読む人に人生や人間への問いを突きつけてくるようです。しかし、同時に作者の女性ならではの純粋な初々しさや命への深い愛情があふれています。
 冒頭の「倚りかからず」は作者の凛とした生き方が感じられ、思わず姿勢を正さずにはいられません。人生の先輩がたには実感をともなって心にしみいるのではないでしょうか。若い人にもおすすめです。誰しもいつの日かこの詩人の気持ちがわかるような時があるのでしょうから。

 (T・Y)
小島健一・栗原亨ほか/著  
               アスペクト  

 一般人が見学できる地下施設=地下空間をガイドブックの形にまとめたものです。 全国に点在する25ヶ所の地下施設を「ライフライン」「実験・研究者」「産業遺跡」「洞窟・鍾乳洞」「戦争遺跡」の五つのジャンルに分けて、紹介しています。
 東京駅をはじめ有名建築を手がけた辰野金吾が設計した日本銀行本店の地下金庫が、無料で見学できるとは…。
 東京の中心地にあるビルの地下2Fで実験されている「近未来型農業」。水耕栽培のトマト。発光ダイオードで育つ花々などなどSF映画のような施設も見学できるのです。 ページをめくる度に驚きの連続です。

 (K・K)

 





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