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No.402 平成20年4月
   
『あなたの余命教えます』 『精神科医ですがわりと人間が苦手です』
幸田 真音/著  宝島社

 あと何年何ヶ月何日生きられるかを調べることができるとしたら、あなたは250万円の検査費を支払っても、知りたいと思いますか?
 56歳の永関は、友人の死をきっかけに自分の余命を知りたいと思い始めます。ある研究所を訪ねた永関は、そこで同居予定の母の余命を調べに来た夫婦や、恋人の妻の余命を知りたい女性などに出会います。
 そして、余命予知が彼らの運命を狂わせ始めるのです。

 (K・K)
香山 リカ/著  大和書房

 精神科医で、臨床経験を生かし各メディアでも社会批評、文化批評、書評などを手がけ現代人の“心の病”について洞察を続けている著者。この本は毎日新聞の人気連載「ココロの万華鏡」が書籍化されたものです。
 精神科医として約二十年を迎えた著者が綴ったありのままの自分と様々な思い。そこには、相談したいことがあってもまだまだ精神科へは行きづらい今、気軽にちょっと行ってみようかなという人が増えたら…そんな著者の願いが込められています。

 (S・I)
『日月めぐる』
『静かな爆弾』
諸田 玲子/著  講談社

 駿河国の小島藩は、陣屋を構える石高一万の小藩。活気に乏しい鄙びた町ではあるが、藩をあげて駿河半紙の生産に力を入れており、住民たちは紙漉などを生業として暮らしている。
 そこを舞台にして、必ず迎えに来ると口約束した男をひたすら待つ女、どうみても釣合いな夫婦、自分と父を捨て他の男の下へ行った母を訪ねる青年など、その地に息づく人々の人間模様が、ゆったりとした川の流れのように七つの短編で描かれている。

 (Y・O)

吉田 修一/著   中央公論新社

 テレビ局に勤める早川は、読書のために通っていた神宮外苑で、響子とめぐり会う。耳の不自由な響子は、音の無い世界でゆったりと、明るく、自立していた。バーミヤンの仏像爆破事件の真相を追い、世界中をかけまわっている早川には、筆談で交わす
響子との静かな時間が心の安らぎとなりやがて二人は恋に落ちて行く。
 仕事に追われ、殺伐とした早川の心に響子の言葉が、一言一言沁みこんでいく様子が、暖かく描き出された1冊。

 (K・K)


『本の本 書評集 1994-2007』 『鼓笛隊の襲来』
斎藤 美奈子/著  筑摩書房

 数多くの読書に関する本を出版してき著者が、十数年に及ぶ様々な書評や読書エッセイをまとめた初めての書評集です。
 小説と随筆、社会評論と歴史の本等、五つのジャンル別に編集されています。
 読みに読み、書きに書いた700頁に及ぶこの本は、著者ならではの、ばさりとした語り口が魅力の一冊です。

 (T・M)

三崎 亜紀/著  光文社

 「バスジャック」や「となり町戦争」などで知られる三崎亜紀の最新短編集。
 私たちの日常の中に、ほんの少し異なった設定を持ち込むことによって、独特の世界を描き出す三崎ワールド。それは生きた象のすべり台であったり、ボタンのついた女性であったり、鼓笛隊の襲来であったり。そこに描かれる心の有り様は、案外人間の本来の姿かもしれない。

 (T・Y)


 





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