> トップページ > おすすめコンテンツ (おとな向け) > おすすめの本 > No.405 平成20年5月






No.405 平成20年5月
   
『科学の扉をノックする』 『ツバメ記念日 季節風 春』
小川 洋子/著  集英社

 著者は小説「博士の愛した数式」で、私たちを魅力的な数学の世界に引き込んだ。今回は7人の科学者を訪れ、宇宙や、遺伝子や、鉱物などについて取材したものが本書にまとめられている。
 例えば遺伝子の研究では、笑いと血糖値の上昇には関係があるらしい。粘菌という植物だか動物だかわからない細菌があるらしいなどなど。
 著者が、科学の面白さを感じていることが伝わる一冊。

 (M・H)

重松 清/著  文藝春秋

 表題作、ツバメ記念日は働く母親への温かい手紙で始まります。
誰もが陥る理想と現実とのずれ。小さな娘の存在さえ、ため息の原因になるのです。短い一話一話からなる十二人の主人公。季節風の最初は春、それぞれの些細な日常を一生懸命生きています。
春夏秋冬48点の連作になる重松さんの隠しテーマは想いです。

 (T・M)

『ひっつき虫』
『伝説の風景を旅して』
杉本 秀太郎/著  青草書房

 「私の書いた本は、私の播くたね。たねよ、ひっつき虫しになって、どこへなりとも運ばれていってくれ。」52篇のエッセイから成るこの本のタイトルは、著者のこのような“空想”から付けられたらしい。
 エッセイのテーマとしては、「薔薇 ピカソがそのまま描いた花」等、草花に絵や詩を絡めたものが主となっています。その中に「目で聴く絵十選」として10枚の絵を紹介してあるのですが、成るほど確かにどの作品もが静謐なはずの絵を通して、今にも様々な音が聴こえてきそうなものばかり…。
 52篇のエッセイの中で、皆さんの胸にも芽吹く“たね”があるかもしれませんね。

 (K・I)

海野 弘/著   グラフ社

 民俗学者・柳田国男の著作『雪国の春』に触発され、各地に残る伝説を求めて旅をすることにした著者。
 筑肥線にゆられ、唐津に降り立った。鏡山、呼子を訪れ、大陸に向かう恋人の船に頒布を振って別れを惜しんだ松浦佐代姫の伝説をひも解く。また、実在した菅原道真が学問の神「天神様」と祀られるようになった伝説を追う。そのほか、桃太郎、義経、西行などにまつわる伝説を辿る旅の風景が24紹介されている。
 旅先では図書館で資料を調べ、その地の人々と触れ合い、旅を楽しんでいる著者の姿が目に浮かぶようである。

 (Y・O)


『ブランケットキャッツ』 『ちょいボケ迷走記~はじめての“老後”』
重松 清/著  朝日新聞社

 とあるペットショップから2泊3日という期限付きでレンタルされる猫達。限られた期間だけの、自分のペットを求めてペットショップには今日も人が訪れます。
 くしゃみをするブランケットキャット、助手席に座るブランケットキャット等、一話毎に出てくる個性的で賢い猫達。そんなブランケットキャットとレンタルに訪れる人達との7つのお話。読みやすい長さの少し切ない物語です。

 (N・Y)

野末 陳平/著  青春出版社

 24年間の参議院議員生活のあと、大学教授などを経て、現在はテレビに出演中の著者。
 70代も半ばを過ぎ、ちょいボケを自覚する体と心の老化現象が次々と表れはじめ・・・・。
 そして、その体験をもとに人間関係やお金などの老後生活のコツを、野末流の語り口で明るく、楽しく綴っています。
 「カッコいい生き方をしようなんて思うな。見栄もプライドもいらない。セコくてカッコ悪くてもいいから、自分流に自然体で生きるのがベスト。」老後の入門書です。

 (K・K)


 





- copyright(c) Imari Public Library Al Right Reseaved. -