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No.406 平成20年6月
   
『「あかん人」なんて絶対いない』 『少年たちはなぜ人を殺すのか』
村瀬 明道尼/著  大和出版

 滋賀県大津市にある月心寺住職の著者は、「精進料理の明道尼」という名で広く知られ、NHK朝の連続テレビ小説『ほんまもん』のモデルにもなった。しかし、9歳で仏門に入った著者の人生は波乱万丈の日々であった。二度の自殺未遂、老師との恋、そして自動車事故に遭い、九死に一生を得るものの、右半身の自由を失った。
 「人生は簡単にはいかないからこそ、うまくいくようになったときに大きなよろこびがあるんやで。」生死の淵をさまよい、新たに生まれ変わったことで、生きる厳しさ、生き抜く強さを知り、生かされている不思議さに気づかされたと言う。自分の経験を通して、生きる意味を問いかけている。

 (Y・O)

キャロル・アン・デイヴィス/著  
               文藝春秋

 少年たちはなぜ人を殺すのか。少年を凶行に走らせる要因とはいったい何か?この本では英米で起こった未成年による殺人13例を、加害少年の生い立ちから司法による対応まで徹底追跡し、その病理を浮き彫りにしています。
 そのことから分かったのは、暴力的な犯罪を犯す子どもは、それ以前に例外なく大人の暴力-肉体的・性的あるいは精神的虐待(育児放棄を含む)の犠牲になっているということです。 
 子どもたちは生まれつき悪人なのではありません。親の影響を大いに受ける子ども。私たち大人には未来の子どもたちの人生を左右する力があるのです。教育、特に幼児期までの子育ての重要さを伝えている一冊です。

 (S・I)

『あぽやん』
『これ一冊で裁判員制度がわかる』
新野 剛志/著  文藝春秋

 旅行会社の企画課から空港勤務に飛ばされた遠藤慶太。あぽやんと呼ばれる空港勤務の社員に良い印象を持たない遠藤は、早く本社に戻る事だけを願っていた。しかし、どんなトラブルが起ころうと、お客様を笑顔で送り出そうとする先輩の姿を見るうちに、いつしか自分もあぽやんになりたいと思いはじめる。
 絶対に出発しようとしない老婦人や予約が消えて出発できない新婚夫婦など、旅券やチケットのトラブルが起こる空港内での「あぽやん」たちの活躍を描いた物語です。

 (S・S)

読売新聞社社会部裁判員制度取材班/著         中央公論新社

 とうとう実施まであと1年となった裁判員制度。誰もが裁判員候補として選出される可能性があるこの制度は、もはや他人事ではありません。
 私も貴方も誰かの裁判に係り、判断を求められることがあり得るのです。
 裁判や法律に詳しい方ならともかく、裁判所に行ったことも無い人が多いのではないでしょうか。不安や判らないことが多いこの新しい試みを、この本を読んで予習して備えておくのをお勧めします。

 (N・Y)

『雷に魅せられて』 『神田紅梅寄席物帳 芝浜謎噺』
河崎 善一郎/著  化学同人

 著者は、「カミナリ博士」と呼ばれている雷放電物理・大気電気学の大学教授です。
「地震・雷・火事・親父」と昔から怖いものの象徴の一つである雷も、正しい知識があれば恐れることはないと、雷についてのいろいろな質問に答えています。
 電圧が一億ボルトほどもある驚異の自然現象“雷”。その魅力をやさしく・おもしろく解説した一冊です。

 (K・K)

愛川 晶/著  原書房

 主人公は、大学中退で二つ目の噺家、寿笑亭福の助。福の助と彼の妻の周囲に起こる事件を、彼の元の師匠で、今は療養中の六代目、山桜亭馬春の力を借りて解決していきます。
 「野ざらし」「芝浜」「試酒」と、みなさんもご存知の古典落語のストーリーを、現代風にアレンジしたミステリーです。読んだ後は、きっと落語通になること請け合いです。

 (Y・M)


 





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