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No.413 平成20年9月
   
『魚偏漢字の話』
『ふたり旅』
加納 喜光/著  中央公論新社

 あなたは、魚偏がつく漢字をいくつ知っていますか?鯖・鮫・鯉・鯛・鮑・・・。
 本書では、中国文化論が専門の著者が、魚偏の漢字そのものの由来を探求しています。
 鰯、鱈など日本人が創作した純国字。鯉、鯨など日本と中国の意味が一致している漢字等と六つのパターンに分類した上で、99の漢字一つ一つについて詳しく解説しています。
 私たちに馴染み深い魚の漢字だからこそ、古人の驚きと智恵がいっぱいに詰まっていることが読み取れる一冊です。

 (K・K)

津村 節子/著  岩波書店

 冒険小説や探偵小説に心躍らせ、少年少女向けの全集を読みふけった少女時代。戦時下での青春時代。大学で文学を学び、創作活動に勤しむ日々。その傍らには、二年前に逝去した夫で、作家の吉村昭というかけがえのない存在がありました。
 夫と歩んだ50年間の「ふたり旅」は苦しいこともあったけれど、楽しくも、嬉しくもあったと振り返る著者が、生きてきた証として綴った自叙伝です。
 巻末の夫婦対談の様子は、ほのぼのとして、あたたかい気持ちにさせられます。

 (Y・O)

『いまなぜ白洲正子なのか』
『狸の夫婦』
川村 二郎/著  東京書籍

 明治の世に伯爵家の令嬢として生まれ、大正時代にアメリカに留学し、白洲次郎という伴侶を得て昭和・平成の世まで文筆家として生きた白洲正子さん。この本はそんな彼女の八十八年の生涯を、珠玉の名言とともにたどった本格的評伝です。
 「好きなことを何でもいいから一つ、井戸を掘るつもりで、とことんやるといいよ。」彼女にとってそれは何だったのか?そして今もなお人々をひきつけてやまない魅力の源はどこにあるのか?
 貴方も“韋駄天お正”の世界に触れてみませんか。

 (S・I) 

南 伸坊/著  筑摩書房

 ご存知、マルチ人間南伸坊さんが、月刊「日本橋」に日々の出来事を毎月1回連載した中からえりすぐりの32編を選び加筆を加えた一冊。
 タイトルの「狸の夫婦」とした二人の愉快で楽しい暮らしぶりは”好奇心 + 疑問 + 行動力”を合わせもった中から生まれます
 素朴で、身近なできごとなのに二人の軽妙なやりとりは、実にユニークでページをめくる度にふつふつ笑いがこみあげるおもしろいエッセー集。

 (T・K)

『生還』 『アンのゆりかご -村岡花子の生涯-』
大倉 崇裕/著  山と渓谷社

 登山計画書もなく、どこの登山口から入ったのか不明の男が下山しないとの通報があったが、本当に山へ登ったのかどうか半信半疑の状況に所轄の反応は鈍かった。そんな中、ある登山口付近の駅周辺で聞き込みを行う男二人がいた。出先で偶然その報を耳にした長野県警所属の遭難救助隊特別操作係の釜谷と原田である。二人の聞き込みでそれらしい男の目撃情報があるも、男がその男なのか、その先本当に山に入ったのかどうか、何一つ確証がない状況は変わらない。それでも釜谷は、かすかな痕跡を見捨てず捜索をあきらめなかった。果たして行方不明者は見つかるのか?
 山岳捜査官・釜谷が現場に残された僅かな痕跡から真実を探っていく、全4話からなる山岳ミステリです。

 (S・S)

村岡 理恵/著  マガジンハウス

 『赤毛のアン』を日本で初めて翻訳した村岡花子の生涯をたどる伝記。
 青春期、カナダ人教師たちに精神的影響を受けたことを胸に、時代や人生の苦難を乗り越えた花子。戦火の中も原稿を守り、『赤毛のアン』を文字通り命がけで日本の少女たちに紹介した花子の人間像が、孫である著書の目を通し、様々な角度から浮かび上がる。
 時代を超えて少女の心を励ます憧れの『赤毛のアン』。アンの勇気ある生き方は、花子の姿そのものでもあるのです。

 (T・Y)


 





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