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No.416 平成20年11月
   
『とんび』
『俺だって子供だ!』
重松 清/著  角川書店

 やっと手に入れた「家族」というぬくもりは、最愛の妻の死によって打ち消された。ヤスに残ったのは深い悲しみと、幼い息子・アキラの存在。
 しかし、二人の生活にはアキラの成長とともに少しずつ隔たりが生じてくるのだった。
 昭和の時代を舞台に、曲がったことが嫌いで、不器用だけれど、息子の幸せを願ってやまない父と心優しい息子、彼らを取り巻く人情に篤い人々の姿が心打つ物語。

 (Y.O)
宮藤 官九郎/著  文藝春秋

 『木更津キャッツアイ』や『流星の絆』などの脚本で人気者の宮藤官九郎さん。
 「子供が嫌いです。」と言っていた彼が、結婚10年目に子宝に恵まれました。
 初めて娘と対面した感想や、徐々にかわいらしくなり、もう離れられなくなってしまった子育ての変遷を、週刊文春に綴ったエッセイで辿っています。
 クドカン”らしい、ちょっと変わった爆笑の子育て日記。せなけいこさんの表紙がとてもかわいい一冊です。

  (K・K)
『チーム』
『日本人ならおさえておきたい漢字スーパー記憶術』
堂場 瞬一/著  実業之日本社

 箱根駅伝の予選会で浦の大学の落選が確定した時、浦はある大学の吉池監督に箱根へ行こうと言われる。予選落ちした大学から個人成績で上位の選手を選抜したのが「学連選抜」チームであり、その監督に決まったのが吉池監督だった。
 チームが敗北したなか、自分ひとりが走ることが許されるのか?ばらばらに集められたチームで走ることに意味があるのか?迷いながらもメンバー入りを決め、キャプテンとなった浦だが、各学校から集まった面々がたったの2ヶ月で一つのチームになる
のは難しい。
 誰のために走るのか、何のために襷をつなぐのか。2ヶ月間の準備、そして本番の2日間、何が起こるか予想もつかない箱根駅伝にかける「チーム」を描いたスポーツ小説です。

 (S・S)

筒井 由美子/著  青春出版社

 パソコンが普及した現代、「読めるけど書けない」漢字が多くなっていることを実感している方は少なくないのではないでしょうか。この本では日本語教師である著者が、外国人に漢字を教える方法として編み出した『漢字分解暗記メソッド』を日本人向けに紹介しています。
 面白いのは「ストーリー式記憶術」です。例えば、『挽回』なら「挽回するときは、手でご免なさいと何回もあやまる。」というように、漢字を物語にして覚えるといった方法です。
 日常生活から受験や漢字検定まで、簡単にしっかり漢字を覚えたい方におすすめの一冊です。

 (K・I)

『荷風流東京ひとり歩き』 『中央線で猫とぼく あの日、あのコと目があって』
近藤 富枝/監修
JTBパブリッシング

 
 花柳界を描き「耽美享楽の作家」と評され、人生の大半を一人暮らしで通した永井荷風。2009年に没後50年を迎える荷風が日々欠かさなかったのは散歩。本書は荷風の知られざるライフスタイルを浮き彫りにしながら、その足跡をたどる。
 人が気付かぬような路地、町並みには、人の暮らしや風俗をいとおしむ荷風の眼差しを感じ、その観察眼こそが著作の源であったことがうかがえる。
 荷風ファンならずとも、写真の数々からは江戸から東京へと変貌する街の姿と風情を味わえ、散策のための格好のガイド本にもなっている。

 (T・Y)

北尾 トロ/著  メディアファクトリー
 
 「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」が50万部を超えるベストセラーとなった北尾トロさんは、中央線歴30年。現在妻子と、スー、モーという2匹の猫と共に暮らしています。振り返れば、今までの人生の節目の時期に、どういうわけか猫との縁があったそうです。
 もともと猫に縁のなかった著者が、何故2匹も飼うことになってしまったのか?この本は、中央線暮らしと不思議な縁で結ばれた猫たちとの楽しき日々をめぐる青春記&中年記です。ふっと笑いがこぼれるような一冊です。

 (S・I)


 





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