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No.419 平成21年1月
   
『私はガス室の「特殊任務」をしていた』
『悼む人』
シュロモ・ヴェネツィア/著  河出書房新社

 ユダヤ民族の撲滅を目的としたナチス・ドイツの強行は人類史上最大の惨劇とされる。その生き証人である著者は21歳で強制収容され、同胞のユダヤ人をガス室に送り、その後の犠牲者の処理を強制的にさせられた「特殊任務部隊」であった。自らも死の局面に在りながら、奇跡的に逃れ、生き延びた今、真実を後世に伝えるべく、自分が体験し、目にしてきた事を赤裸々に語っている。

 (Y.O)

天童 荒太/著  文芸春秋 

 第140回直木賞を受賞したこの作品は、著者が7年の歳月を費やして描いた生と死を巡る物語です。
 主人公・坂築静人(さかつきしずと)は、報道で知りえた情報を元に、全国の死の現場を旅しています。彼はこれを「悼む」という言葉で表します。彼の行動の意味を、末期がんを患う静人の母、人間不信のルポライター、夫殺しの女、3人の視点から問いかける、静かに、深く人間の命について考えさせられる本です。

 (M・H)

『断絶』
『決断力。
人間「東国原英夫」から何を学ぶのか』
堂場 瞬一/著  中央公論新社

 代々、汐灘で代議士として続く剱持家。隆太郎も4代目として地盤を固め、そろそろ引退を考えていたが、後継者として考えている息子の評判が良くなく、後継者にして欲しいと言い出す現知事にも頭を悩ませていた。
 そんな中、女性の遺体が発見される。猟銃での自殺と見られたが、女性が妊娠していたことに疑念を抱いて捜査を続ける捜査一課の石神に、捜査中止の一方的な命令が下る。身元も分からないままなぜ急に捜査が中止になったのか、納得がいかない石神は独自に捜査を続けるが・・・。剱持と石神、やがて2人がたどり着く先とは?

 (S・S)

東国原 英夫/著
        創英社・三省堂書店


 皆さんご存知の宮崎県知事、東国原英夫さんの最新刊です。
 この本では、著者が少年時代から芸人・タレント時代、大学再入学、出馬までを振り返りながら、現在考えていることや熱い思いを述べています。
 「私の生き様そのものが、新しい価値観の提示だと思っている。」と言う知事からの数々のメッセージは、どれも当たり前のことのようですが、なかなか実行できないことばかりです。
 目次を読むだけで、元気がもらえそうな一冊です。

 (S・I)

『名医ジャスティン』 『散歩の学校』
生長 豊健/著  講談社

 本書は、「動物介在療法」の活動をしている医師である著者が、ドッグセラピー犬「ジャスティン」とその仲間たちの奇跡と活躍を紹介。
 セラピー犬は、病院や介護施設で認知症・脳梗塞による身体麻痺・言語障害など様々な病気を持つ患者たちと、機能訓練やゲームなどを通し自立回復への治療を行っています。不思議な力は人々に勇気や希望を与へ明るい未来へと導いています。「失った言葉を取り戻した人」「動かない手が動いた人」など数々の奇跡をもたらしたセラピー犬、患者の心を読みとるまさに、生きがい治療をする「名医」なのです。

 (T・K)

赤瀬川 原平/著  毎日新聞社

 建築家の藤森照信さんやイラストレーターの南伸坊さんたちと「路上観察学会」を結成している赤瀬川さん。
 20年以上の観察力を持って、今度は「散歩の学校」を開きました。
 何かありそうだと感じる所、古いものが残っていそうな所、生活臭のある所など、”におい“のあるところへ出かけようと、まずは、東京界隈の36ヶ所を紹介しています。
 無目的な気持ちを自由に泳がせることが散歩の極意。さあ、カメラを持って歩き出しましょう。

 (K・K)


 





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