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No.420 平成21年2月
   
『風花病棟』
『左ききのトリセツ』
帚木 蓬生/著  新潮社

 癌告知に苦悩する医者、癌患者として病と闘う女医、医師の父親を持ち葛藤する同業の息子、軍医経験を持つ医者、長年の医師生活から退こうとしている医者など10人の医者と、彼らが向かい合う患者たちの姿が描かれている。
 作家であり現役精神科医でもある著者が十年の歳月をかけ、一作、一作に「人生」を見出そうという思いが込められた短編小説集。

 (Y.O)

實吉 達郎/著  グラフ社 

 皆さんは“左きき”と聞くとどういったイメー
ジをされるでしょうか?
 本書は意外な“隠れ利き手”が見つかるかもしれない「利き手診断テスト」から始まり、利き手と脳は関係があるのか?矯正したほうがいい? などのQ&A、更には右ききの人が読んでも面白い、一休和尚や三銃士などを挙げての「左利きの逸話と物語」まで、まさに『左ききの取扱説明書』といえるであろう一冊です。

 (K・I)

『どうせ、あちらへは手ぶらで行く』
『お父さん、こっちを向いて!』
城山 三郎/著  新潮社

 「ё」の印がついた原稿、それは最愛の人、容子さんの頭文字。その文字を拾い集めて遺稿「そうか、もう君はいないのか」ができあがりました。
 この原稿を執筆しつつ、自分自身を励ますように綴った9冊の手帳、そこには、悲しみ、不安、孤独そして老い、気骨の人と呼ばれた作家が、独りの人間として声をあげています。
 辿り着いた余生の指針は鈍鈍楽、楽しく楽に生きていこう。何度も何度も繰り返すこの言葉と、「ё」に支えられた毎日、作家城山三郎が真摯に生きた日々の記録です。

 (T・M)

上村 順子/著  エクスナレッジ

 児童虐待やPTSD、女性の摂食障害などを専門に、長く研究をされている精神科医の上村順子さん。
 上村さんは、たくさんの患者さんと出会う中で、家庭におけるお父さんの存在が、いかに大きいかを痛感されています。
 家族の中に存在感の無い父親が増加している今、父親自身が変わり、子どもに寄り添って、「生きていていいんだよ」とメッセージを送ることが出来るように、苦言と期待を込めたアドバイスが綴られた一冊です。

 (K・K)

『お年寄りと話そう』 『写真証言 沖縄戦「集団自決」を生きる ~渡嘉敷島、座間味島の証言~』
日野 純子/著  春風社

 世界一の長寿国である日本。平成26年には、4人に1人がお年寄りという状況になるとされていますが、皆さんはお年寄りと上手に会話ができていますか?「説明しようとしても、うまく伝わらない」等、感じたことはありませんか?反対にお年寄りも、「若い人の話はよく分からない」と感じることがあるようです。
 本書では、日本語教師である著者が、お年寄りとの会話のコツを、5種類、20項目のスキルに分けて、かわいいイラスト付きで見やすく、簡潔に分かりやすく説明しています。
 大切なのは話の内容だけでなく心も通わせること。医療・介護に携わる方、お年寄りと暮らしている方に特におすすめの1冊です。

 (S・I)

森住 卓/著  高文研

 太平洋戦争の末期、最も過酷な運命をたどったのが沖縄です。なかでも、慶良間諸島の島々は日本軍の海上特攻隊の基地となっていたため、本島に先駆けて攻撃を受けました。
 軍隊の隊員たちは住民の家に分宿し、特攻艇の秘匿壕堀に住民が総動員されるなど、「軍官民共生共死の一体化」のスローガンの下、住民の行動は軍の支配下に置かれていました。このような状況下で「集団自決」という悲劇がおこったのです。
 長い年月を経てやっと語られだした、「集団自決」を生きのびた人達の証言、ここに戦争の本当の姿があります。

 (M・H)


 





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