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No.426 平成21年5月
   
『風をつかまえて』
『メモリークエスト』
高嶋 哲夫/著 日本放送出版協会

 町の小さな鉄工所に、「風車」を造って欲しい、と町からの要請があり、赤字覚悟で風車造りを引き受けた東間(とうま)鉄工所。そこへ、7年前、母の葬儀の日に父親と大喧嘩をして家を出ていた優輝が帰ってきて、父と姉と従業員1人で挑戦している風車造りを手伝うことに。しかし、低予算でしかも作業の全てが初めてのため、製作過程ではさまざまな問題が浮上してくる…。
 高校時代の友人や物理の先生、幼馴染の由紀子などの助けを受け、「風車」を造るという壮大な目標に向けて一丸となる優輝たち。友情、恋、そして改めて感じる家族の絆…。果たして小さな鉄工所が造る風車は無事に完成するのでしょうか?

 (S.S)
高野 秀行/著  幻冬舎

 著者は新しい世界が見たい、という思いから世界中を旅し紀行文を書いています。この本では旅の目的地として、一般から「あそこでこれを探してほしい」という依頼を募集しました。選ばれた5つの探し物を見つける旅の記録です。
 初めの依頼は20代の女性でからで5年前にタイを旅行中、訪れた村で出会った小学生の男の子を探してほしいというものでした。絵を描いたり村を案内してくれた男の子はとても美形で賢かったそうです。
手がかりは一緒に撮った写真と、あいまいな村の名前だけ。はたして男の子はどんな成長をしていたのでしょうか?

 (N.K)
『八番筋カウンシル』
『サンデーとマガジン』
津村 記久子/著  朝日新聞出版

 ホカリ、タケヤス、ヨシズミの幼なじみ三人は、三十歳を目前に再会します。地元の商店街では青年団がカウンシルと名乗り、ショッピングモール建設の噂に活気づきます。久しぶりに歩く商店街の見通しは、良くも悪くもなっていないようでした。活気づく面々を眺めながら、目標が定まらない三人は家族、仕事、今を考え始めます。
 昨日から今日、そして明日へ、それぞれの時間を生きていく物語です。

 (T.M)

大野 茂/著  光文社

 1959年3月17日に日本初の週刊少年誌『少年サンデー』と『少年マガジンン』が産声をあげた。マンガは悪書という風潮が根強く残る時代ではあったが、この2誌の登場が日本のマンガブームに火を点け、マンガを文化として確立させることに大きな貢献を果たすこととなった。
 独自のスタイルを掲げ、熾烈な攻防戦を繰り広げたライバル両誌の15年の歴史と、そこに秘められた個性豊かな編集者たちの人間ドラマを追った一冊。

 (Y.O)
『世界中で愛され続けるゾウのジャンボ物語』 『白洲家の流儀~祖父母から学んだ人生のプリンシプル~』
ポール・チェンバーズ/著  柊風舎

 ダンボの母親のモデルで、「ジャンボ・ジェット」など巨大なものを指す俗語の語源にもなった、世界一有名で大きなゾウのジャンボ。
 この本は、近代のヨーロッパに初めて上陸したアフリカゾウの波乱に満ちた生涯と、そのゾウの背後に渦巻く人間たちの利己心を描いています。
 目の前で母を殺され、売られた動物園で人気者になり、その後サーカスのスターであった時に列車事故で命を失ったジャンボ。人間たちに翻弄されたゾウの数奇な運命を綴ったノンフィクションで、知られざる事実が満載です。

 (S.I)
白洲 信哉/著  小学館

 著者は父方の祖父母が白洲次郎と正子、母方の祖父が小林秀雄という家系に生まれた。しかし、子どもの頃は祖父母のことを特別とは思っていなかったそうだ。けれども、ここで語られている子どもの頃のエピソードなどを見ると、やはり私たちとは違ったものが感じられる。
 三人から自分が受け継いでいるものとして、何事にも自分の「基準」を持ち、好き嫌いがはっきりしているという点、そして、誰もがそれぞれの意見を持っているところを上げている。この精神性こそ、いま白洲次郎と正子が再び見直されている所以であろう。

 (M.H)


 





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