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No.432 平成21年8月
   
『問う力 ~長田弘連続対談~』
『今日を生きる』
長田 弘/著  みすず書房社

 詩人長田弘さんと、ジャンルの壁、世代の壁、国境の壁を越えた11人との連続対談集です。
 絵本作家あべ弘士さん、桂歌丸さん、韓国女優キム・ソナさん、サッカー岡田武史監督等、詩人の目を通して見えてきたのは、自らを問うことでした。
 同じ場で同じ時を共にすること。全く違う世界の11人と長田さんの対談に、ぐいぐい引き込まれてしまう一冊です。

 (T・M)

大平 光代/著  中央公論出版社

 ベストセラーとなった「だから、あなたも生きぬいて」で自身の衝撃的な過去を記し、生きることの大切さを説いた弁護士の大平光代さん。その後請われて大阪市の助役を務め、退任後40歳で再婚、娘の悠(はるか)ちゃんを授かります。
 しかし娘はダウン症という障害を背負っていました。大切な命とゆっくりと向き合うため、兵庫県の山間に引っ越した大平さんは、今家族との時間を宝物のように大事に感じています。

 (M・H)

『ダッシュ』
『身の上話』
五十嵐 貴久/著  ポプラ社

 イノケン、リョーイチ、メタボン、わび助の4人は高校の同級生で、憧れの菅野桃子先輩を「ねーさん」と慕っている。ねーさんは陸上部のエースで高校創立以来のアスリート、学業も優秀で、しかもスタイルもよく学校の人気者。
 そんなねーさんが病魔に侵され、自慢の足を切断するという驚愕の事実を知った4人は、ねーさんの願いを叶えるべく鼓舞奮闘するのだった。
 個性豊かな4人の男の子たちの情熱あふれる青春物語。

 (Y・O)

佐藤 正午/著   光文社

 昼休み、用事のついでに職場の人から宝くじのお使いを頼まれたミチルは、出先で男の言葉に流されるまま東京へと向かいます。制服姿に財布と携帯と宝くじが入ったポーチだけを持ち、この先地元に戻れなくなることも知らずに東京に着いたミチル。
 気がつけば後戻りできない方へと流されていくミチルの危うさにハラハラさせられます。
 人との出会いが人生を決めるのでしょうか。人生に岐路はあるのでしょうか。

 (S・S)

『つなぐ手 ヨコハマ四姉妹物語』 『食ショック』
中川 由布子/著  河出書房新社

 舞台は昭和27年の横浜。酒好きで家具職人としてのんびり稼ぐ父と、そんな父を愚痴ってばかりの母。その三女のみちは中学を卒業し15歳で電話交換手として働き始めました。少ない給料の一部を小遣いとしてもらうと本を買っていました。いつか、夜学に入って勉強をしたいと少しずつ受験勉強をしていたのです。
 そんな中、姉が失踪したり、母が急におしゃれをしてでかけるようになったりと家族の心配事がつきません。
 主人公みちが9歳の頃の、戦後間もない時代を描いた前作『ちょいとかくせ』も併せてお読みください。

 (N・K)

読売新聞「食ショック」取材班/著  中央公論新社

 この本は2008年の一年間「読売新聞」に掲載された企画「食ショック」が再構成されたものです。
 農林水産省の推計では、日本では一年間に約二千万トンという、世界の食料援助の三倍を超える量の食料が捨てられており、その一方で日本の食料自給率は40%程度と、先進国の中で最低にまで落ち込んでいます。しかしそんな日本の食を支える輸入食品の安全性のチェック体制は十分とは言えません。
 また本書では、食生活の変化にも警鐘を鳴らしており、健康情報に大きな関心が集まる一方で、好きなおかずが並ぶ「居酒屋盛り」が増え、長寿の秘訣である「一汁三菜」の和食の伝統が消えつつあるのはどこかおかしいと指摘しています。
 「食の危機」の時代に、私たち消費者も理解と知識を身に付けることが求められています。

 (S・I)



 





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