『おもひで屋』
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『日本最初の盲導犬』
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上杉 那郎/著 角川春樹事務所
たぐいまれな野球の才能をもった西沢素晴。彼は甲子園行きの夢を絶たれ、同時期に生まれる前から列車事故で植物状態だった母親を失いました。
自暴自棄になった彼に送られてきた 見覚えの無い送り主からの封筒。中には「想い出チケット」と書かれたものが入っており、素晴はそのチケットを手に、19年後の世界に向かいました。父と母の想い出をつくるために、そして2人を助けるために。
果たして会ったこともない父親とはどんな人物だったのでしょうか?そして、なぜ母と素晴の前から姿を消したのでしょうか?
(A.U)
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葉上 太郎/著 文藝春秋
1939年、盲導犬育成の方法が分からなかった日本に生きた見本として4頭の盲導犬がやってきました。日本初の盲導犬使用者となった2人の失明軍人が盲導犬との絆を深めていく様子や、4頭のうちの1頭の子どもで死後剥製となった盲導犬の話など、日本最初の盲導犬たちと、盲導犬を巡る人々の奮闘が綴られています。
ただ誘導をするだけでなく、犬のまっすぐな忠誠心で互いを信頼しあい、戦争で失明し絶望していた心を盲導犬たちが癒していく様子が伝わってきます。
(S・S)
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『特務艦「宗谷」の昭和史』
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『おさがしの本は』 |
大野 芳/著 新潮社
「宗谷」という船をご存知だろうか。この船はソ連が昭和11年に発注し、長崎県の香焼島で川南工業松尾造船所が建造した、耐氷型貨物船だ。
しかし、戦争中は測量船として、終戦後は引き揚げ船、その後は燈台への輸送船、そして昭和31年からは南極観測船となった。これは時代に翻弄されながらも激動の70年を生き抜いた、1隻の船の物語である。
(M.H)
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門井 慶喜/著 光文社
膨大な書物の海の中から、お目当ての本を探し出すのは大変。だから、図書館にはレファレンス・カウンターがあります。
生まじめでカタブツの図書館員がお手伝いする、極上の探書ミステリー。きっと、レファレンス・カウンターが、身近に感じられます。
(Y.M)
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『尿の知識』 |
『妖精プック 花の旅』 |
伊藤 機一/著 東海大学出版会社
私たちは、生まれて死ぬまで尿の排出をします。その尿は腎臓はもちろん、膀胱・前立腺肥大・妊娠・生活習慣病など身体のあらゆる機能の情報源です。また、検査方法の発達によって肺炎などの細菌感染症や、薬物の種類を知ることも可能になりました。
本書は、「尿の成分と臨床検査」を解りやすく解説。定期的尿検診が、病気の早期発見、早期治療や予防などに大きな役目を果たすと提唱しています。健康な毎日を送るために、セルフチェックしやすい、尿について知るおすすめの一冊です。
(T・K)
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熊田 千佳慕/絵・文 小学館
誰にでも見えるわけではなく、心の美しい人の瞳にだけ映るという妖精のプックが、春を知らせに旅立ちます。行く先々では色とりどりの花や鳥や昆虫たちとの出会いがあります。緻密で繊細なタッチで描かれた、花や動物たちの息づかいが聞こえてきそうです。
日本のファーブルと呼ばれ、昆虫画の第一人者としても知られる著者。
「一瞬たりとも愛を忘れたことはありませんでした。」と本書に添えられたメッセージのとおり、一筆ごとに愛が満ち溢れている作品です。
(Y.O)
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