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No.434 平成21年9月
   
『はむ・はたる』
『パパルール あなたの家族を101倍ハッピーにする本』
西條 奈加/著  光文社

 舞台は江戸の下町。12歳の勝平は半年前まで、みなしご仲間を集め、すり集団を率いていました。
 そんな子ども達を気にかけ、御家人の長谷部家が身元引受人となり、仕事をあてがい、読み書きまで教えてくれるようになりました。
 ある日、近所の子どもが行方不明になると勝平たちの仕業だと疑いをかけられました。長谷部家の名誉にかけてもと勝平たちの犯人探しが始まります。
 それぞれに辛い過去を背負った子どもたちが必死で生きる姿が描かれた時代小説です。

 (N・K)

安藤哲也・小﨑恭弘/著  合同出版

 この本は、書店の店長や小学校のPTA会長の経験を持つ安藤さんと、兵庫県西宮市の男性保育士第1号である小﨑さんによって著されました。
 二人はある子育て支援セミナーで出会い、父親の育児支援を行うNPO法人“Fathering Japan”を設立しました。合言葉は「笑っている父親が社会を変える!」
 父親が育児をすることに対してまだまだ特別視する向きがある日本で、もっと自然に、自由に育児ができる社会にムードを変えていこうという思いと願いが込められている一冊です。

 (S・I)


『新説 前田慶次』
『逃亡者』
外川 淳/著  新人物往来社

 最近、大河ドラマの影響もあって歴史に興味を持つ若い人が増えています。「歴女」と呼ばれ、城や戦場跡を訪れる女性もいるそうです。
 今回紹介する一冊はそんな大人気の戦国武将の中でも、型破りな伝説が多く残る前田慶次の本です。前田慶次の奇抜なエピソードや、死後に作られたフィクションの数々に、新しい視点から考察が試みられています。
 小説やマンガにもなった人気武将の一冊、歴史人気の波にのるためにもいかがでしょうか。

 (N・Y)
折原 一/著   文藝春秋

 夫の暴力に悩まされていた矢先、昔の知人から交換殺人の話を持ちかけられた友竹智恵子。彼女は、計画通り知人の夫に手を下したが、あっけなく逮捕されてしまった。しかし、警察の不手際で脱走に成功。そして、逃亡者の身となる。執拗な夫と警察の追っ手をかいくぐり、15年の時効の日を迎えることができるのか。事件の裏に隠された真実と逃亡劇の驚愕の終末とは…。
 逃げるものと追うものとの間の張り詰めた緊迫感の中に、ほっとするような人情味や優しさが織り込まれたミステリー小説。

 (Y.O)

『割り箸が地域と地球を救う』 『外科医須磨久善』
佐藤 敬一・鹿住 貴之/著
創森社


 現在日本で使われている割り箸は260億膳。最近割り箸は森林破壊の原因であり、環境破壊の原因であると言われ、マイ箸を持ち歩く人も多くなりました。
 確かに年間260億膳は多すぎですし、そのうちの98%は主に中国などから輸入されていて、輸送のエネルギーもかかります。
 しかし、日本の森林の環境保全、間伐材の有効活用そして生活排水の汚染を減らすといった点からは、国産材の割り箸を使うことが、エコにつながるというのです。
 環境問題を多方面から複合的に見ることを、教えてくれる本です。

 (M.H)

海堂 尊/著  講談社

 現役の医師であり、人気作家でもある著者が、今回は“神の手”を持つといわれる外科医にスポットをあてました。須磨氏が収めてきた功績や、少年時代から医大生時代、そして医師になってからも、常に導かれるようにして転機が訪れてきた様子などを振り返ります。
 胃大網動脈バイパス手術の考案や、日本で初めてバチスタ手術を行い自ら術式を進化させた彼は、今もなお、さらなる挑戦を続けています。
 世界の頂点に立ち、誰もが認める外科医でありながらも常に上を目指す須磨氏。出会った人を助けてあげられるような自分でありたいという原点を忘れない姿勢が伝わってくる一冊です。

 (S・S)


 





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