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No.438 平成21年11月
   
『夢うつつ』
『誰かと暮らすということ』
あさの あつこ/著  東京書籍

 私たちの日常は、毎日ほぼ何事もなく過ぎていきます。小さな出来事、何気ない会話、ささやかな自然現象。
 あさのさんは、そんな日常から、おもしろそうな種を拾い出し、自身の心が捉えた世界を短い物語にしました。エッセイと小説が交互になった短編集は、初めての試みです。
 作者の日常に入りこむような、不思議な感覚になれるお話です。

 (T・M)
伊藤 たかみ/著  角川書店

 他人との付き合いに一歩引いてしまう知加子と、ぶっきらぼうな性格のセージ。
 二人はいつしかお互いのことを意識し始めますが、うまく気持ちを伝えることができません。
 そんな二人の物語をベースに、彼らの住む街で、
不安や悩み、希望を抱えながら暮らす人々を、爽やかに描いた短編連作集です。

 (Y・O)

『情動』
『あなたより貧乏な人』
新津 きよみ/著  徳間書店

 子連れ同士の再婚で、浩二と貴子の兄妹と裕一はステップファミリーになりました。血が繋がらない同じ年の“きょうだい”となった貴子と裕一。そして名前に“一”を持つ弟に、複雑な思いを抱く兄の浩二。
 互いの親が亡くなった時、それぞれの思いを抱えながら育った3人の“きょうだい”の絆は切れるのか?そもそも家族の絆とは何なのか?
 この他、家族に対する思いが時に思いがけない事態へと向かう事も…。7組の家族の、それぞれの形と繋がりを描いた短編集です。

 (S・S)

岡崎 武志/著  メディアファクトリー

 年収200万以下の人口1,032万人。ホームレス1万6,018人。いまや時代のキーワードは貧困。けれど、明石家さんまも吉永小百合も、若い頃は呆れる程貧乏だった。文豪森鴎外の娘、森茉莉は古い木造アパートの八畳間で、華麗なエッセイを書いた。
 貧乏な暮らしには、生きる知恵がある。精神も鍛えられる。この本の貧乏体験を読めば、生きる活力をもらえるかもしれない。

 (M・H)

『ニサッタ、ニサッタ』 『言葉で治療する』
乃南 アサ/著  講談社

 主人公の耕平は北海道から上京し、大学を卒業後就職しますが、上司が気に入らないという理由で、二ヶ月で辞めてしまいました。二番目の会社は4ヶ月目に突然倒産し、次の人材派遣会社は派遣先でトラブルが続きクビになります。
その後、ネットカフェでの夜も経験し、たどり着いたところは住み込みの新聞販売店でした。
 何の楽しみもなく、生きていたくないと思うことさえある毎日。彼はこの生活からどうやって抜け出すのでしょうか。
 タイトルのニサッタというのは、アイヌ語で明日という意味だそうです。

 (N・K)

鎌田 實/著  朝日新聞出版

 週刊朝日で「医療者によって傷ついた言葉、励まされた言葉」の体験を募集し、「言葉で治療する」として連載されたものが本になりました。
 それを諏訪中央病院の名誉院長でもある著者が紹介、分析しながら、治療のうえでもっと言葉を大切にすることの必要性を力強く説いています。
 「安心」「信頼」「納得」などをキーワードに、医師、看護師、患者さんそして家族が、お互いに救われるコミュニケーション術を提案しています。

 (S・I)


 





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