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No.442 平成22年2月
 
  
『日本観光ガイド』
『夢ほりびと』
酒井 順子/著   光文社

 寺や神社、富士山やゲイシャガールだけが日本の観光資源ではない!いまや、アニメやオタク、アキバやメイドが「未来的」で「クール」!
 そんな外国人観光客に、日本人として赤裸々に日本の「恥部」をさらけだす爆笑エッセイです。
 シャイなのか自信がないのか理解に苦しむ国民性や、鎖国の末にたどりついた未成熟な国際化。はたして、観光立国・日本は実現できるのでしょうか?

 (Y・M)

池永 陽/著  文芸春秋

 中年サラリーマンの佐伯はリストラされたことを家族に言えず、あてもなく歩いていました。たどり
ついたところは、レンガ造りの朽ち果てた屋敷でした。持ち主が自己破産して競売物件になったものの、買い手が現れず廃墟となっていたのです。
 そこには住み着いている人たちがいました。かつて天才ともてはやされた元サーファー、借金取りから逃げ回っている夫婦、そしてこの屋敷の持ち主だった認知症ぎみの老人の四人です。佐伯も仲間に加わりぼろ屋敷に住むことになりました。
 五人はいつまでこの生活を続けるのでしょうか。

 (N.K)

『「100空港時代」を生き残れ』
『切手帖とピンセット』
杉浦 一機/著  中央書院

 JALの経営再建のため、国は巨額の費用を注ぎ込むこととなった。今、日本には地方空港も含めると100の空港が完成し、そのほとんどが赤字経営となっている。
 今後、成田や関空はアジアの他の空港との路線競争に勝ち抜けるのか。地方空港はJRや路線バスとの調整により利便性を図れるか。また、地域の特色を出し、地域経済活性化の基盤と成り得るのか。
 外資を有効に活用したイギリスの政策に学ぶなど、国の抜本的な空港政策の改革が求められている。

 (M・H)

加藤 郁美/著  国書刊行会

 「切手」はイギリスが郵便制度に取り入れたことに始まり、郵便事業に大きな変革をもたらし、便利で画期的システムはすぐに世界へと広まりました。
 単に郵便物の料金を証明する紙片としてだけでなく、デザインに魅了され、趣味とて切手を集める人々も増えていきます。
 本書では、切手が注目を浴びた1960年代を中心に、世界各国で発行された魅力的な切手1154枚が紹介されています。人物、動物、風景など細やかなデザインの中に、当時の各国の社会情勢や文化を知ることで、切手への愛着が沸いてきそうです。

 (Y・O)

『メモリー・ラボへようこそ』 『丁稚のすすめ』
梶尾 真治/著  平凡社

 結婚もせず、ただがむしゃらに仕事に打ち込んできた桐生和郎には、懐かしむような思い出がありません。退職し、生活の張りを失っていたある日、屋台の主人から「あなたの必要なおもいでが揃っています」と書かれたチラシを渡されます。
 全く知らない誰かの記憶を移植するという、不思議な移植を受けた桐生は、知らない女性とのおもいでを自分の記憶であるかのように思い出すようになり、女性を探して移植された思い出の地へと向かうことに。そこで待ち受けていたのは、思いがけない事実でした。
 記憶の移植でつなぐ、確かな思いをめぐる二つの不思議な物語です。

 (S・S)
秋山 利輝/著   幻冬舎

 “丁稚(でっち)”とは研修生のことです。
 本書では、年間売り上げ約10億円を誇る秋山木工の社長である著者が、取り入れている“徒弟制度”について述べています。
 徒弟制度とは、江戸時代から約250年間にわたって日本で行われてきた、商店主を育てる育のことで、著者も実際にこの制度の中で腕を磨き、一人前の木工職人に成長しました。
 丁稚が一人前の職人になるまでのつとめとして、女も坊主、携帯・恋愛禁止、起床は5時前など、時代錯誤とも思われるようなルールがあります。
 何故著者はこの制度にこだわるのでしょうか。

 (S・I)

 





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