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No.447 平成22年4月
 
  
『コロヨシ!!』
『プライド』
三崎 亜記/著   角川書店

 「頃良し」。舞い初めの一声を響かせる。競技者は長物と呼ばれる道具を使い、塵芥を巻き上げ美しく回収する。これが活動制限スポーツ「掃除」です。
 高校生の樹は、全国大会を目指して練習を重ねます。掃除は日本固有のスポーツとして続いていましたが、なぜか競技が許されるのは高校の3年間だけでした。
 物語は戦後40年という時代、単なるスポーツ小説で終わらない三崎亜記さんの意欲作です。

 (T・M)

真山 仁/著   新潮社

 「杜撰な品質管理、コスト抑制のための品質の劣化、不当な雇用待遇。」そんな内容の文書がマスコミに送られ、窮地に立たされたパリジャン製菓。創業百年の老舗洋菓子メーカーに起こった内部告発で、首謀者との疑いをかけられた柳澤は、事実の究明に奔走する。やがて、熟練職人の一人が真相を語った。その裏に隠されていたのは…。
 表題作を含む6篇に、誇りを持って自らの責務を全うする人間の心理と姿が描かれた物語。

 (Y・O)

『もうひとつのスーダン
 日本人医師川原尚行の挑戦』
『パパ、ママ、あいしてる 
     エレナが残したメッセージ』
川原 尚行・内藤 順司/著
主婦の友社

 北アフリカに位置するスーダンは人口約3900万人。90年代には度重なる内戦による貧困のため、世界最貧国となり、現在でも、国内情勢はきわめて不安定な状態です。
 著者の川原氏は2002年に医師としてスーダンに赴任し、「ロシナンテス」というNGO団体を作ります。その活動を通して、日本にはなくてスーダンにはある「何か」を見つけていきます。
 本著ではスーダンの国内情勢を知ることはもちろん、一人でも多くの命を救うために奮闘する医師・川原尚行、そしてともにあって、様々な場面を撮り続ける内藤氏の写真を通して、命の大切さを感じることができます。

 (S・Y)

ブルック&キース・デザリック/著  青山陽子/訳   早川書房

 2人の娘に恵まれ、幸せな生活を送っていたデザリック夫妻。しかし、上の娘のエレナが6歳の誕生日の直前、悪性の脳腫瘍で、余命わずか135日と宣告されてしまいました。治療により、いったんは具合がよくなったエレナでしたが、幸せな時間は続かず、宣告から8ヶ月半後、短い生涯を終えます。そして、その悲しみをやわらげてくれたのは、エレナでした。悲しみにしずむ中、両親はエレナが生前、家のあちこちに手紙を隠していたことに気づいたのです。
 アメリカで病気と懸命に戦った女の子と、その家族の物語です。

 (A・U)

『あすなろ三三七拍子』 『ぼくをわかって!』
重松 清/著   毎日新聞社     

 突然の社長命令により、社長の母校である大学に送りこまれた会社員の藤巻大介は、廃部寸前の応援団の立て直しを託されます。リストラをちらつかせた有無を言わせない辞令を断れず、藤巻は四十五歳にして応援団長として大学へ通うことに。
 最初は仕方なく社命に従っていただけの藤巻でしたが、指導にくる熱血OBや、学生たちとの関わりが次第に彼を変えていきます。親子の絆や、男の友情、恋、様々な場面で熱い応援が繰り広げられる、笑いあり、涙ありの物語です。

 (S.S)

阿蘭ヒサコ・冨部志保子/著
NTT出版


 自分の子供が自閉症障害と診断されたら・・・。初めは周りの子どもに比べたら、少し違うかもと思う程度で、まさかわが子が障害児なんて思いもせず、それがこの子の個性なんだと思って育てた母。ある日、保育士に病院での検査を進められ、受診した結果、自閉症障害と診断されました。
 信じられない気持ちで途方にくれながら、病院で紹介された発達支援センターでの療育に参加し、他の自閉症の親子と接していく中で、だんだん障害を受け止め、向き合って子育てをしていく母親の思いが書かれている一冊です。

 (M・O)


 





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