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No.460 平成22年11月
 
  
『刀圭(とうけい)』
『快感!発見!有名人のお墓トラベル』
中島 要/著  光文社

 長崎で西洋医学を学んだ圭吾は貧乏長屋で開業し、貧しい人々を出世払いや、時には無料で診察していました。周辺の住人は腕の確かな青年医師をすっかり頼りにしていました。ところが、手術で命を救った男が殺人を犯したことから人々の反感を買い、やる気を失い寝込んでしまいます。
 全身麻酔がまだ広まっておらず、痛みに暴れるけが人を力任せに押さえつけて手術をしていた時代の小説です。タイトルの刀圭とは薬を盛るために使うさじのことで、その言葉の由来についてもこの小説の中で解説されています。 

 (N・K)
あきやま みみこ/著   幻冬舎

 最近、有名人のお墓を訪ねて歩くことが密かなブームになっているそうです。東京には、数多くの著名人が眠っています。
 本書では、夏目漱石などの小説家から、石原裕次郎などの大スター、坂本龍馬などの志士、そして世界の著名人などが、お墓の写真付きで紹介されています。
 静かに眠る故人を感じ、偲び、語り合う場所、それがお墓です。教科書やテレビ、作品の中でしか会えなかった故人のお墓を訪れてみませんか。

 (S・I)

『もっと知りたい東大寺の歴史』
『オルゴォル』
筒井 寛昭ほか/著   東京美術

 今年、宝剣の発見で一躍話題となった東大寺は、聖武天皇がわが子の菩提を弔うために建てた小さな山房を起源とし、世の安泰とより多くの人びとの救済を願う大仏建立を経て、発展しました。
 二度の兵火に遭いながらもそのつど復興を遂げた経緯や、ゆかりの人びと、日本文化を象徴する国宝・重要文化財など、写真や文献で紹介しながら、東大寺の1250余年の歴史を紐解いています。

 (Y・O)
朱川 湊人/著   講談社

 東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地に住むトンダじいさんから、“一生に一度のお願い”をされます。それは、かぎのぜんまいでまわすオルゴールを、本当の持ち主に届けること…。
 ハヤトはその旅の途中で、福知山線の事故現場を通り、広島の原爆ドームで原爆の悲惨さを知ります。見るもの全てに価値観を揺さぶられながら、一路、鹿児島へと向かいます。そこに待っていたのは…。
 直木賞受賞作家による、感動の成長小説!

 (Y・M)
『ぼくの生物学講義
      -人間を知る手がかり-』
『国を破りて山河あり~日本で初めて巨大ダムを止めた村長』
日高 敏隆/著   昭和堂

 人間とはどういう動物かということについて普段考えることはありませんが、人間には他の動物と比べてヘンなところがいっぱいあります。直立二足歩行をし、体に毛が生えておらず、そして言語を使って話をするというとてもヘンな動物なのです。
 動物行動学の先駆者で、昨年亡くなった著者が某大学で行った半年間の講義をまとめた本書は、動物の不思議や他とは違うけれどやっぱり動物として行動しているヘンな人間について、優しい語り口で話が進められます。実際にその講義を受けているかのような感覚で読み進めることができる一冊です。

 (S・S)
藤田 恵/著   小学館

 みなさんはちょうど10年前、徳島県木頭村(現・那賀町木頭)で「細川内ダム計画」が中止になったのを知っていますか?これは、日本で初めて巨大ダムを中止させた出来事として世間で大きな注目を集めました。しかし、ダム建設計画中止の背景には1人の村長の想像を絶する熱い戦いがありました。
 この本には「細川内ダム計画」を中止させた立役者である木頭村村長、藤田恵氏の戦いの全記録が収められています。村への補助金の削減など、様々な圧力や困難に直面しながらも、それを必死に乗り越えていこうとする藤田村長の姿に心を打たれます。

 (S・Y)


 





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