『えーえんとくちから 笹井宏之作品集』
|
|
『下町ロケット』
|
笹井 宏之/著 PARCO出版
今から2年前の真っ白な雪の日、笹井宏之さんは26歳という若さでこの世を旅立ちました。病気は時として作者を寝たきりにし、携帯で綴る短歌との出会いは自然なことでした。長い療養生活では体調を整えながら、短歌や詩、そして音楽を紡ぎだす日々でした。
この待望の作品集は、遺された私たちへの心の応援歌です。透明で繊細なキラキラした言葉に何度もやさしい気持ちにさせられます。
有田の歌人笹井宏之さんをゆっくり感じてください。
(T.M)
|
池井戸 潤/著 小学館
元宇宙科学開発機構の研究員の佃が家業の製作所を継いでから7年。資金繰りに行き詰る佃製作所に大企業の宇宙航空部から水素エンジンのバルブシステムの特許を売って欲しいとの話が舞い込みます。
特許を売って当座をしのぐか、部品提供の形で自分達の製品をロケットに搭載させるのか、佃は決断を迫られます。社内でも意見が分かれるなかで佃製作所がとった道とは?
町工場のプライドをかけた中小企業の戦いが描かれた物語です。
(S・S) |
『ジャパネットからなぜ買いたくなるのか?』
|
『風のマジム』 |
萩島 央江/著 日経BP社
テレビショッピング番組でおなじみのジャパネットたかたは、長崎県佐世保市の小さなカメラ店から始まり、今や年商1500億円の日本を代表する通信販売会社に成長しました。
本書は髙田社長の人気連載の集大成です。インタビュアーの著者は、髙田社長の独特の語り口は、実は人の心を動かすマーケティングのセオリー通りであると述べています。
どんな時も全力投球の直球勝負。髙田社長の想いが伝わる一冊です。
(S.I)
|
原田 マハ/著 講談社
沖縄で生まれ育ったまじむは、会社で新規事業コンクール募集のチラシを見て胸が高鳴りました。直感で動いてしまう性格から、南大東島のサトウキビを使ってラム酒を作るという企画を立て応募しました。たくさんの応募の中、プレゼンテーションで勝ち残り、事業化が決まりました。とたんに生活が一転し、派遣社員からチームリーダーという肩書きのついた正社員になります。
実在する女社長の体験談をもとにしたサクセスストーリーです。
(N.K)
|
『格闘技の大百科
~WAZAPEDIA2011~』 |
『ニッポンの穴紀行
-近代史を彩る光と影-』 |
ベースボールマガジン社
本書はワザペディアの名のとおり、世界中の格闘技の技が、写真を用いることでわかりやすく紹介されています。しかしそれ以上に興味深いのは、各格闘技の解説が充実していることです。
解説はわかりやすく的確にまとめられており、格闘技の経験のある方や興味のある方はもちろんですが、それぞれの格闘技が今日まで発展できた理由にも触れているため、歴史好きの方にもオススメできる本です。
(S.Y)
|
西牟田 靖/著 光文社
日本国内で発行された出版物をすべて収集し、保存する役割を担う国立国会図書館。その東京本館の新館には地下8階まで書庫があるという。
内部に足を踏み入れた著者は、そこに息づく歴史や携わっている人びとの思い、抱えている問題などを体感した。
世間に知られずに存在する地下空間、日本の近代を支え時代とともに廃れ、忘れ去られてしまった炭鉱やトンネル、戦跡など12ヶ所の「穴」に光をあて、そこにある物語を追った紀行集。
(Y.O)
|