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No.464 平成23年2月
 
  
『奇跡の教室』
『クジラは海の資源か神獣か』
伊藤 氏貴/著  小学館

 灘中学校・灘高校は神戸にある私立の中高一貫男子校で、東大合格者数トップ校として名を知られています。その学校で30年に渡り前代未聞の授業を行なった伝説の国語教師橋本武先生について書いた本です。
 教科書を一切使わず『銀の匙』という小説を3年間かけて読むという授業には生徒達から不安の声があがりました。その声に対し橋本先生は、「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなります。」と授業の真の意味を語りはじめました。

 (N.K)
石川 創/著    NHK出版

 本書はクジラを生物学的視点から捉えた前半部分と捕鯨問題に焦点を当てた後半部分で構成されています。前半部分では、クジラはどのような生物であるのかということを最新の学説や知見を用いて解説してあります。後半部分では捕鯨問題の本質、特に反捕鯨国や反捕鯨団体がクジラを保護する理由について著者独自の視点で解説してあります。
 鯨類捕獲団団長として鯨の調査に明け暮れ、反捕鯨団体と最前線で戦ってきた著者だからこそ書ける1冊です。あなたも本書を読んでクジラについて理解を深めてみませんか?

 (S.Y)
『おしまいのデート』
『君に伝えたい本屋さんの思い出』
瀬尾 まいこ/著   集英社

 両親の離婚後、週に一度父親と会っていた彗子だが、父親の再婚後は会いにくるのがじいちゃんに変わった。今では月に一度になったじいちゃんとのデートも今日が最後。自分から言い出そうとしていたけれど、じいちゃんもそう思っていたらしい。いつものソフトクリーム、行きなれた経ヶ岬なのに互いに最後と決めたおしまいのデートはちょっと切なくて…。
 最後という切なさが伝わってくる表題作の他、定年を迎えた元教師と元不良の教え子との月に一度の親子丼デートなど、様々な形のデートが詰まった短編集です。

 (S.S)

日販マーケティング本部/著
主婦と生活社

 一時代を築いた作家から今をときめくベストセラー作家や文化人まで、60人の「本屋」にまつわるエピソードが綴られています。
 足繁く通った本屋の匂いやたたずまいのこと。店主や書店員との語らいや出会った本との思い出。また、本屋で自分の作品と向き合った時のことなど、作家ならではの秘話も紹介されています。
 厳しい社会状況や電子書籍といった新たな出版物の出現が書店の存続に影を落としつつある昨今、「本屋」という空間でしか味わえない体験や感覚を大切にしたいものです。

 (Y.O)
『なぜ、はたらくのか
     94歳・女性理容師の遺言』
『ラヴ&ピース
       鴨志田穣が見たアジア』
加藤 寿賀/著   主婦の社友

 東京都、新橋駅のガード下にある理髪店“バーバーホマレ”。その六坪の小さな店を開いた女性理容師の加藤寿賀さんは、15歳から2009年末の94歳まで、はさみを動かし続けました。
 関東大震災や第二次世界大戦を生き抜き、ただひたすらに生きてきた著者。はたらくとは「端を楽させる」ということ、自分のためではなく人のためでなければ、約80年も続けられなかったと述べています。
 人はなぜはたらくのか、はたらかなければならないのか。その答えは、寿賀さんの真っ直ぐな言葉が教えてくれます。

 (S.I)
鴨志田穣   寿郎社

 戦場カメラマン、アジアを写すカメラマンとして活躍した鴨志田穣氏。漫画家、西原理恵子の元夫しても有名である著者は、2007年3月に腎臓ガンで亡くなっています。
 没後に発見された写真のフィルムや文章を集めて作られた本作は、沢山の優しい顔をした人々の写真や、エッセイが載せられています。
 少し予想外な事に、鴨志田氏にとって初の写真集となるそうです。本人の自伝的小説が昨年末に映画化され、注目を集める筆者が半生を通して撮影した作品の数々、どうぞじっくりご鑑賞下さい。

 (N・Y)

 





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